某大学の大学祭に行った。
キャンパス入り口に、飲食の模擬店に対する人気投票をする場所が設置されていた。
そこには、料理名が書かれたペットボトルが8つ並び、モデルガン用のBB弾がたくさん置いてあった。
「おいしかったものに投票して下さい!」
とBB弾の脇には書いてある。
この欲のなさ、競争心のなさに僕は相当びっくりした。だって、不正投票が簡単にできてしまうのだから。
模擬店で料理を食べたら投票用紙が1枚もらえる、という仕組みになっていない。なので、食べたことがないお店にも投票ができるし、投票用紙代わりのBB弾は潤沢にある。BB弾を鷲掴みにして、一つのペットボトルに入れることは可能だ。
もっとも、「模擬店で料理を食べたら投票用紙がもらえる」という制度も、不正の温床だ。この手の投票で公平な制度なんてどうやっても不可能だ。だから、最初っから正確さは追求しないのかもしれない。
だとしても、「店名」ではなく「料理名」しか書いていない、というのも地味にすごいことだ。出店している学科やサークルがあまりに自己主張していなさすぎて、ギョッとする。
これを「最近の若者は大人しくなった」と若者世代の評論につなげるのは間違いだと思う。でも、こういう素っ気ない人気投票でも許容される世代なのだろう。
(2023.10.08)
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