夏山シーズンの幕開けに備え、モバイル充電環境の整備を行った。今日はその話。
昔は、「カフェや電車の中で自分のPCを広げて数時間、ブログ記事執筆」ということが多かった。そのため、電源供給は生命線であり、コンセントが用意されているカフェの情報は大事だった。
しかし今では、電源に困るほど外でPC作業をしなくなった。ヒキニートばりにテレワーク三昧の日々だし、週末は家族と一緒に過ごしているので、PCを持ち出す機会がほぼなくなった。
とはいえ、コワーキングスペースに出かけて、社用PC(USB給電が可能な端末)を使うこともあるし、スマホの電池切れは現代社会において死活問題だ。なので、僕はウエストポーチに常に充電周りの装備をパンパンに詰めて持ち歩いている。
普段はほとんど使わなくて済むのだけど、旅行・・・特に登山のときはモバイルバッテリーをはじめとする充電装備は必須となる。
で、バッテリーさえあればそれで済むかといえば、そうではない。ケーブルをどうするか、というのはとても大事で、どのタイプのケーブルをどれだけ持っていくのか?長さは?というのはかなり慎重に吟味することになる。
また、バッテリーを充電するためのアダプタも必要だ。登山中にできるだけバッテリーを温存しておきたいので、登山口に着くまでは電車やバスの座席にあるコンセントからスマホなどを充電しておきたい。また、下山時にはいろいろなデバイスを一度に充電したいので、コンセントには複数のUSBポートがあるほうがいい。

いつも持ち歩いているのはこれ。CIO NovaPort TRIO 65W。現在は廃盤となり、TRIO IIが売られている。

CIOはAnkerと比べてお値段がやや安い。そして小型化が進んでいるという特徴がある。国内メーカーであることを謳っているが、実際の製造は中国であり、品質が高いかというと若干「?」というのが僕の認識だ。
3ポートで、タイプCが2ポート、タイプAが1ポートというよくある構成。
すべてタイプCでも良いのではないか、もう2025年なんだし!・・・と思ったが、案外タイプAがしぶとくこの世の中には残っており、そしてそれがあと数年は変わらないであろうことからタイプAつきの充電器にしている。
タイプCが2ポート、というのは必須だ。特に、旅行時に夫婦で各自が自分のスマホに充電をしようとしたとき、2ポートないと困る。
現代人というのは、寝るときに枕元にスマホを置いておきたいものだ。夜中に目が覚めたときに時間を見たり、寝るまでの間にちょっとネットサーフィンをしたり。だから、宿や実家といった環境で、スマホを自らの手から手放して充電しても良いと思える時間というのは案外短い。かつ、夫婦で時間がバッティングする。
「充電、お先にどうぞ」なんて些細なストレスだけど、そのストレスが無いに越したことはない。
あと、一人旅だったとしても、タイプCが2つというのは必要だ。1つのポートでスマホを充電し、もう1つで今日一日使ったモバイルバッテリーを充電することができる。いずれにせよ、「充電の順番待ち」が発生しないのはとても心地よい。

しかし、ここで問題になるのが、「充電にタイプAを要求するデバイスが複数ある」ということだ。
僕の場合、スマートウォッチと一眼カメラがそれで、旅行や登山のときはどちらも毎日欠かさず充電したいものだ。その際、モバイルバッテリーにしろ、さきほどの充電器にしろ、タイプA端子が1つしかないと不便だ。
泊りがけの登山のときは、寝る直前まで山小屋の中や外をウロウロして探検を楽しんでいる。なので、目の届くところでデバイスを充電する時間があまりない。お陰で、深夜に一度起きて、1つめのデバイスが充電完了しているのを確認し、2つめのデバイスに接続を切り替え、また寝る・・・といった有り様だ。
これは地味に嫌なので、今回、タイプAをタイプCに変換するコネクタを買った。
そんなもの、100円ショップで売っているのでは?と思ったが、案外売っていない。そして、Amazonで買うにしても、安く買えると思っていた。・・・が、案外高い。

悔しいな、と思いつつ、999円でAnkerのものを買った。2個セットなんていらないから半額にしてくれよ、とぼやきながら。
探せば、無名の中華メーカー製のものを安く買えると思う。しかしこの手の製品は、安物を買うと「端子がスカスカしてすぐに抜ける」「うまく通電しない」といった不具合を起こしがちだ。こういうツギハギをする製品だからこそ、安物買いの銭失いリスクが高いと思ったのでAnkerにした。
このアダプタを携帯することで、必要に応じてタイプAのデバイスを2つ同時、いや、その気になれば3つ同時!に充電できるようになった。3つもタイプAのデバイスは持っていないから、多分それはないけれど。
充電の自由度が増すのはとても良いことだ。

そうはいっても、みすみすタイプCのポートをタイプAとして明け渡すわけにはいかない。そのために、タイプCの自由度を確保しようと打った次の策はこれ。
二股USBケーブル。タイプC1ポートが、タイプC2ポートに分岐している。両方ともオスの形。

二股ケーブルなら、充電速度が遅い性能の悪いものでは?と身構えるが、これはちゃんとUSB PD対応していて、しかも140Wまで対応している。他のメーカーでも二股USBケーブルで安いものがあるが、今回はAnkerを選んだ。
この製品の良いところは、二股で繋いだ2つのデバイスのバッテリー残量を見定めて、残量が少ない方に優先的に電力供給を行う機能があることだ。どうしたらそんな芸当がケーブルにできるんだ!?と不思議だが、それを実現するのがUSB PDなのだろう。
ケーブル長1.2メートルと1.8メートルの2製品が存在する。僕が買ったのは1.2メートル。長いケーブルの方が二股の利便性を高めると思うが、なにせケーブルが複数あるのでかさばっていかつい。持ち歩くことを考えたら、1.2メートルにしておいたほうが無難だ。
なお、念のため言っておくが、僕はAnkerから何の便宜も受けていない。単にAnkerを信頼しているだけだ。

これは100円ショップかどこかで買ったもの。100円ではなく、330円だったような気がする。
リールアジャスト機能つきの、タイプAオス-タイプCオスケーブル。
時々カフェやコワーキングスペースで「タイプAの口が卓上の片隅に用意されている」ケースがあって、その時用だ。
ただ、タイプAを経由しての充電はとても遅いので、積極的にこのケーブルは使いたくない。緊急用として買ったが、あまりに緊急用すぎてこれまで一度もまともに使ったことがない。

あと、おまけでこれ。USB タイプCのメス部分を塞ぐ、シリコンキャップ。

僕が持っているスマホ、Google Pixel7aはIP67の防水機能を持っているとされる。
でも実際に使っていて、期待するほど防水とならず、危ういシーンが何度かあった。しかも、山の中で。
防水スマホなのに水に弱い場所はどこかというと、USB端子だ。ここが濡れた状態でケーブルの抜き差しをやっていると、デバイス側が危険を察知し、充電を一切受け付けなくなることがある。画面上に警告メッセージを出すだけのときもあるが、その先にあるのはUSBを使わせない(または壊れた?)という状態だ。
先日の登山では、モバイルバッテリーによる補給がまったくできなくなり、下山時にはスマホのバッテリー残量がちょうど0%だった。
登山時にスマホを紛失する、壊す、電池切れを起こすと下山通知ができなくなる。僕の場合、下山予定時刻から数時間経っても下山通知をシステム登録できないと、緊急連絡先に「遭難したかもしれないぞ!」という通知が飛ぶようになっている。なので、もはや登山においてスマホは命の次に大事なアイテムといえる。しかも、帰宅しようにも公共交通機関のチケットはスマホに入っているという状態だし。
というわけで、防水用にUSBポートを塞ぐキャップは大事。防水ケースに入れてしまうと、スマホの操作性が落ちるし、スマホカメラで写真を撮るのがやりにくいので却下。
なお、この商品は「防水」を謳っておらず、「防塵」と言っている。さすがにキャップを被せるだけで「防水でございます」というのは無理があるので、そりゃそうだな、と思う。ただ、池にボチャンと水没させる予定はなく、雨などに一時的にUSB端子が耐えてくれればいいので、このキャップで十分だと思っている。

なお、紛らわしくてうっかり無駄金を使ってしまったのが、これ。そっくりの形だが、これは「オス用」保護カバーだ。つまり、USBケーブルのほうを守るキャップ。
僕にとっては無用の長物で、実物を前に頭を抱えてしまった。商品名をよく見てから、ポチろう。

【おまけ】
これも100円ショップで買ったものだと思う。
マイクロUSBオスをタイプCオスに変換するコネクタ。
世の中多くの諸君が「マイクロUSBはいらないよね」と思っているように、僕もその一派だ。なので、タイプCに変換してやれ!と思って買ったのがこれ。
しかしいざ買ってみて、己の認識の甘さに舌打ちした。ダメだこれ、まったく使えない。
マイクロUSBが使われているものって、充電器側はタイプAで、デバイス側がマイクロUSBというのがお決まりだ。つまり、デバイス側がマイクロUSBのメスである以上、ケーブルをマイクロUSBからタイプCに変換しても意味がない。
必要なのは、タイプCをマイクロUSBに変換するコネクタだった。
でも、さすがにもう気力が失せ、このあたりであれこれ思案するのはやめておくことにした。きりがないし、荷物をこれ以上増やしてどうするんだ?という気がしてきたからだ。
(2025.07.09)
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