値上げしてもいいから感動させて欲しい【感動の肉と米2025年6月時点】

わが家親子3名が大好きなお店、「感動の肉と米」。

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大好きとはいえ、お店が家の近くにないため、訪れる機会はなかなかない。今回、久しぶりに再訪した。今回はネガティブな内容が含まれる文章になるが、決してこのお店を批判したいわけではないことを予め強調しておく。頑張って欲しい、と強く願っている。

この日は外出していたのだけど、お昼ごはんのあてがとっさに思いつかなかった。なので、「じゃあ、感動の肉と米に行こうか」となった。こうやって牛丼を食べに行くがごとく、ステーキを食べに行くことができるのがこのお店の素晴らしいところだ。

ちなみに外出していたのは、神社のお祭りを見るためだ。その神社の境内には屋台がずらっと並んでいたのだが、お腹を満たす系の料理(要するにお菓子ではないもの)でワンコインで食べられるものなんて、2025年のご時世ではほとんどなかった。

具がほとんどない焼きそばでも500円。700円、800円というのが現在の相場感のようだ。

そうなってくると、「せっかくのお祭りだから縁日で食事をしよう」という気にならない。家に帰るか、そうでなければ飲食店に行ったほうが落ち着いて食事がとれる。

そこで「感動の肉と米」ですよ。この物価高の中でも、一応「1,000円でステーキを食べられる」というスタンスを保っているお店だ。

ここで「一応」という但し書きがついているのは、1,000円というのはステーキメニューの一部であり、多くのメニューはもっと値段が高いからだ。とはいえ、客寄せパンダ的メニューとはいえ、1,000円というのはこのご時世すごいことだ。

とはいえ、このお店が値上げを辛抱するために相当苦労している、という話は頻繁に耳に入っていた。サービスレベルがどんどん落ちているのだという。

そういえば、前回訪問時も「あれっ」と思うことはいくつもあった。今回はそれがより顕著になっていた。いやぁ、大変そうだなあ、と客が心配になるレベルで。

まず、一番気になるのは、北千住店の空調。これはコスト削減とは関係がないのかもしれないが、とにかく煙い。初訪問のときから、「換気が悪い」と思ったものだが、今回は特にすごかった。ステーキを焼いている場所は、まるでたこ焼き屋のごとく店の出入り口付近、道路に面した窓に向かっている。にもかかわらず、うなぎの寝床状態の奥に細長い店内の隅々まで、煙が充満している状態だった。

厨房で焼く肉の煙が客席まで流れ込んでいるだけではないのだろう。このお店は、熱した溶岩プレートに肉を乗せ、各自の卓上で好みの焼き加減に肉を加熱して食べるスタイルだ。そのため、各テーブルからジュウジュウと音がし、煙が立つ。その煙を強制排気する仕組みが未だに備わっていないのだった。

予算の問題なのか、この不動産物件の特性上ダクトを追加設置できないのかはわからない。

お店奥の非常口だか、スタッフ通用口だかの扉を半開きにしているけど、それでも焼け石に水だった。

ときどき、昔っからある渋い焼肉屋で、煙で前が見えないハッハッハ、でもそれが風情ですよ!・・・っていうお店がある。たしかに風情かもしれないが、このお店のようにカジュアルかつチェーン展開しているお店で、この煙はすごい。

さすがに咳き込むほどではない煙だけど、大人の僕らは目がシバシバしっぱなしだし、4歳の息子は目が痛い、と目をこすり続けていた。ランチタイムの混雑している時間帯だと、こんな有り様。たぶん客が少ないときはもっと状態がよいはずなので、煙が気になる人は昼下がりとかのアイドルタイムを狙ったほうがよいと思う。

それはともかく、コスト削減の話だ。

このお店の特徴は、「ごはん、お味噌汁、ごはんにあう副菜3品はおかわり自由」だ。

それは今でも変わりなく、「いきなり!ステーキ」をはじめとする似た業態のお店との最大の差別ポイントになっている。

上の写真は2024年1月のもの。

それが今では、野沢菜が「野沢菜&べったら漬け」に変更になった。べったら漬けといえば高級な漬物だが、提供されているものを食べる限りはたくあんに近いものだった。人によってはこっちのほうが好き、という人がいると思うが、僕は「野沢菜が減って、サービスレベルも味も落ちた」という印象を持った。

あと、「玉子は一人1個まで」だったセルフサービスが「ボルケーノカルビを注文した人だけ1個」になり、現在ではボルケーノカルビを頼んだ人にだけ厨房で玉子が渡される、というオペレーションに変わった。副菜のところに玉子を置いていたら、故意かうっかりかはともかく、玉子を持っていってしまう人がいたのだろう。

この写真も2024年1月のもの。ちなみに今回は「煙が充満するお店」の写真以外は撮影していない。料理の写真を撮る気にならなかったからだ。

お味噌汁は、昔は乾燥「お味噌汁の具」をスプーンでお椀に入れ、液体の味噌汁を機械から注ぐというセルフ形態だった。それが今では、乾燥わかめを厨房で水に戻したものに切り替わっていた。

ここから先、文章をそれなりの分量で書いていたのだけど、「僕らがお店でごはんを食べた話」ではなく「悪口を書いている」と読み取る人がでてくるとしたらお店に申し訳ない。だから、誤解を招きかねない文章をばっさりカットした。

・・・ということで、話の中核をすっ飛ばしてこの記事をまとめにかかるが、とにかくコストを削減しようとしている努力と苦労がいたるところにでていて大変だなあ、という印象が強い。「感動の」と店名についているが、ちょっと前のこのお店を知っている僕らからすると、「感動」は薄れてしまった。

とはいえ、今後初めて訪れるお客さんにとっては、感動するだろうし、こうやって気軽に、お腹いっぱいごはんとお肉が食べられるスタイルは重宝するだろう。僕ら家族も、感動しないにしても、今後も利用していきたい。

だからこそ、「無理をしないで、値上げをしてもいいんですよ」と思う。店が持続してこそ、客は料理にありつけるのだから。

もちろん飲食のプロであるお店側は値上げについていろいろ考えているはずだ。その結果が現状、ということならば、100円の値上げさえも死活問題だと分析したのだろう。飲食店は厳しい!とつくづく思う。

(2025.06.08)

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