埼玉県の中心地、大宮駅の東口側には「武蔵一宮 氷川神社」がある。
「武蔵一宮」という名前のとおり、武蔵国と呼ばれていたエリアでいちばんの権威を誇る神社、ということになる。
その名にふさわしく、神社の境内からまっすぐに、びっくりするくらい長い参道が伸びている。
長さ、約2キロ。
地図では、さいたま新都心駅のあたりからほぼ北に住宅地の中を突っ切っている。いや、住宅地の中を突っ切ったんじゃない、参道の周囲が後になって住宅地化したんだ。
昔から大事にされている参道なのだろう。石畳で日が照りつける無慈悲な道ではなく、樹木に覆われた美しい道となっていて歩いていて楽しい。ただし、大人の足でも結構な距離なので、それなりにお散歩する覚悟は持っておく必要がある。
弊息子タケをここで歩かせてみたら、とてもよい時間が過ごせた。
1歳そこそこの子どもの場合、まだ歩きがおぼつかない。そして気まぐれなので、今来た道を戻ったり、座り込んだり、急に走ったりする。とてもじゃないが、街中の道路では歩かせられないし、公園でも親は心配が尽きない。
一方ここはどうだ。まっすぐ伸びた参道なので、車は通らないので安全。道の両脇は石垣と樹木があり、車道に飛び出してしまうこともない。しかも草木が日陰を作っていて、さほど暑くない。
なによりも素晴らしいのが、とても丁寧に管理されていて、ゴミが落ちていないことだ。1歳児の場合、道ばたに落ちているタバコの吸い殻や缶コーヒーの空き缶に興味を持って手に取ろうとするので目が離せないのだけど、ここだと殆どそういう心配がいらなかった。
もちろん、タケは歩いているうちに疲れてしまいお散歩時間は案外短いものだった。でも、「疲れるまで歩いても安心」な場所だったというのはとても心強かった。
この参道の距離は長い。タケの成長とともに何度も訪れ、彼が心ゆくまで体力を使えるように歩かせようと思う。
(2022.05.22)
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