「恐竜は思ったより大きかった」ということが彼にとって納得できない理由

最近、息子のタケは恐竜の図鑑や映像を見て興奮している。「大きい!」と叫んだり、大型肉食動物に捕食される小型動物のCG映像を見て「怖い・・・」とつぶやいたりする。

彼の中で「怖い」という概念が芽生えてきたということに、親として驚かされる。でも、おそらく大人が感じる「怖い」とは違う、もっと漠然としたキーワード的な「怖い」だと思う。

1歳児の少年タケよ、お前はまだ真の怖さを何一つ知らないのだ。

家の中で「ドシーン、ドシーン」と言いながら四つん這いに歩いていることもある。恐竜リスペクトなのだろう。

そんなわけで、実物大の恐竜模型が展示されているイベントがあったので、僕は彼をそこに連れて行った。

「今日は恐竜に会えるからね」
「オー」

と親子で会話をしていたが、いざ目の前に恐竜模型が現れると、タケは微妙な表情となった。

「ほら、見てよ、これが恐竜だよ」
「・・・」
「実物はこんなに大きいんだよ。高さ20メートルもあるんだって!」
「・・・」

結局彼は、大して興味を示さずに、鉄道模型のNゲージが展示されているコーナーに行ってしまった。せっかく連れてきた親としては残念。

おそらく、彼は自分が思っていたものとサイズが違いすぎて、「これじゃない」と思ったのだろう。彼としては、普段家の中で連れ回しているIKEAで買ったパンダのぬいぐるみくらいのサイズだと思っていたのだろう。

1歳児だと、「これじゃない」と思ったらすぐに興味を失ってしまう。でもあともう少しすれば、「これじゃないけど、これはなんだろう?」と探究心が湧いてくるようになるはずだ。その日が来ることを僕は楽しみにしている。

(2023.01.29)

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