12年の月日を経て、同じ温泉に浸かる

雲見温泉に泊まった。雲見温泉は静岡県の伊豆半島西部にある小さな温泉街だ。

昨秋この世を去った義父が、生前に何度も訪れていた釣りの名所でもあった。そんな義父の思い出の地を巡る旅ということで、義母や義妹家族たちと一緒に西伊豆を巡る旅の最中に立ち寄った。

2月という寒い時期に旅行をしたのは、法要や相続など一連の儀式や事務手続きが一段落したからだ。さらに、世界最大のカニとして知られる「タカアシガニ」の漁期中に訪れ、家族でたっぷりとカニを食べたかったからでもある。

タカアシガニはシーズン中でも西伊豆のどこの宿でも夕食に出てくるわけではない。希少性が高い生物のため、取り扱いがある宿自体が少なく、さらには事前予約が必須となる。

今回の旅は亡き義父の娘である、いしがコーディネートした。その際、僕からタカアシガニの話を聞いて、いろいろな宿を探した結果、僕が12年前に泊まった宿を選んだ。

その宿は湯船が狭く、独特の形をしたお風呂が印象的だ。そこに僕と弊息子のタケはどぶんと浸かった。

彼は毎日僕とお風呂に入っているので、熱い風呂に肩まで浸かって「ああ~」と言うのが好きだ。子どもは熱いお湯を好まないと思っていたが、まだ生後間もない沐浴の時点から僕がお湯の温度管理をやってきたせいで、比較的熱めのお湯を好む。「アッチイよ、アッチイよ」と言いながらも嫌がらずにお湯に入っていた。

男三人ぎゅうぎゅう詰め

この写真は、ちょうど12年前の2011年2月11日に撮影したものだ。当時と今と、全く同じ湯船だ。

大人3人が入るとぎゅうぎゅうのお風呂だけど、今日は大人は僕一人で、あとは5歳の甥と1歳の息子の構成だったので、ゆったりと入ることができた。

家族でタカアシガニを食す旅行を楽しみ、そして12年前に泊まった宿でゆったりと過ごした、そんな思い出深い時間を過ごした。

(2023.02.13)

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