鉄道好きの弊息子を日暮里のサイゼリヤに連れて行く

JR山手線の日暮里駅・北改札を出たところは陸橋になっている。そこは「トレインミュージアム」という呼び名がついている名所だ。

というのは、眼下をひっきりなしに電車が通り過ぎていくからだ。しかも、飽きることなく、ひっきりなしに。

山手線、京浜東北線、北陸新幹線、上越新幹線、東北・北海道新幹線、秋田新幹線、山形新幹線、上野東京ライン、常磐線、京成本線。

子どもにとってもわかりやすい、色が異なる電車が行ったり来たりするので、弊息子タケもお気に入りのスポットだ。「電車、見に行く?」と聞くと、決まって「行く!!!」と言う。

面白いのが、「新幹線」は格上の乗り物だと認識していることだ。山手線や京浜東北線がやってきても「ふーん」という程度だけど、新幹線が通過すると「おおおー」と興奮する。日暮里駅近くを走行する新幹線は徐行運転をしており、スピードでは他の在来線より劣る。それでも列車の迫力が違う、と彼なりに感じるらしい。

「おっきい新幹線、乗りたい」「青い新幹線、乗りたい」と興奮気味に彼は語る。

時折、成田空港を発着する特急列車、京成スカイライナーがやってくる。「ほら、新幹線だよ」と嘘を彼に教え、「もう新幹線を見たから十分だよね?さあ、行こう」と促すのだけど、彼は納得しようとしない。スカイライナーは新幹線ではないし、自分のときめきを満たしてくれる存在ではない、と思っているらしい。

これは常磐線特急の「ひたち」がやってきた時もそうで、僕が「ほら!新幹線!」と言っても全く相手にしない。

JR東日本の新幹線は、色も形も様々だ。「こういうデザインなら新幹線」という、2歳児でもわかるはっきりした特徴というのはなさそうだと僕は思っているのだけど、彼には何か気がついているらしい。

今は現役を引退した「オール2階建て新幹線(E4系)」を彼が目にすると、彼はどう思うだろうか?「こんなの、新幹線じゃない!」と思うのか、それとも「すごい!さすが新幹線!」と思うのか。

そんな日暮里駅のすぐ近くのタワマンに、ファミリーレストランのサイゼリヤがある。今回、このお店に入ってみた。

席を案内してくれた店員さんは、「窓側の席が良いですよね?」と僕らが何も言う前から聞いてきた。窓側の席がこのお店のおすすめらしい。

窓側の席が空くまで待つのは嫌だなあ、と思っていたら、ちょうど空きがあったのでそのままスルッと着席することができた。そしてそこはタケにとってパラダイスだった。

眼の前を鉄道が走る!

場所柄、よく見えるのは京成線と常磐線だ。肝心の新幹線は、ちょうど地下駅である上野からぐぐぐっと地上に上がってきているところで、半地下のようなところを走行している。そのため、座った状態のタケは新幹線の姿をほとんど見ることができない。

それでも、さかんに行き交う電車を見るのは彼にとって飽きない体験だった。「ほら!常磐線が来たよ!」と教えると、ガバッと立ち上がってじっと窓の外を眺めている。

親としてありがたかったのは、こうやって子どもが外の景色に夢中になっている間、夫婦で食事がはかどったということだ。これまではタケちゃんタケちゃん、と弊息子に構いっぱなしでロクに夫婦同士の会話ができていなかった。しかしここだと勝手に彼が夢中になってくれるので、とても助かった。

サイゼリヤは値段が安いということもあるし、ぜひまたここを訪れたい。

(2023.07.29)

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