レストランでパンばかりを食べる

僕ら夫婦の結婚記念日ということで、老舗の洋食店で家族3人のお食事会を開いた。

これまで過去3年、毎年この時期は同じお店のお世話になっている。我が家では、できるだけ「季節の定番行事」を作っていこうと思っている。その方が、過去を振り返って「もう1年が経ったね、これまでお世話になりました。」と家族で話が盛り上がるからだ。

このため、「せっかくだから、今年のお食事会は昨年行ったお店と別の場所にしよう」とは思わない。敢えて同じお店を使い続けることで、時間の経過を実感することだ僕らにとって大事なことだ。

このお店の料理はどれも素敵なのだけど、アラカルトで1皿頼むと2,000円以上する。うっかり前菜から順番に一人一皿ずつ頼んでいくと、メインディッシュに到達した時点でかなりの金額になってしまう。このため、みんなで料理をシェアだ。

当たり前の感覚で、僕ら家族は1つの料理を3人でシェアしていたが、後で考えてみるとマナー的にあまりよくなかったのかもしれない。料理が来る都度、お店の人に「シェアするので取り皿をください」とお願いしたら、届けられるのは小皿が一つだ。どうやら、子どもに食べさせるための取り皿を要求されている、とお店の人は認識したらしい。僕ら3人が平等にシェアして食べるので、取り皿が2枚、または3枚必要である、という発想がないらしい。

でも、洋食ってそういうものだよね、よく考えると。一つのお皿の料理を分け合うって、居酒屋の発想だ。来年はもうちょっと僕ら家族はTPOをわきまえよう。

頼んだパンは、2皿。3人で3皿ではなく、2皿だ。

弊息子タケ、このパンがえらく気に入ったらしい。

まず、バターロールの光沢に惹かれたらしく、バスケットに入っているバターロール2つをむしゃむしゃと食べてしまった。しかも、添えられてきたバターを塗ってくれ、と僕に要求しながら。

そしてその後、胚芽パンを2つ、さらに食べた。彼にとって面倒なフォークやスプーンを使わないでむしゃむしゃ食べられるパンというのはとても手軽で満足感が高い食べ物だったらしい。しかも、こういうレストランのパンは美味しいし。

「おいちょっと待て、パンを食べるのはもうやめておけ」「やだ。パン、食べるもーん」

彼は親の静止を無視し、そのままパンを食べ続けた。

それはそれで食費が浮いて助かるのだけど、僕らがこのレストランを利用するのは、彼に食事マナーを学んでもらう機会として考えているからだ。パンだけを食べて満腹になり、メインの肉料理などをほとんど食べなかったのは親としてちょっと残念だった。

しかも、パンを食べてインスタントに満腹となった彼は早々にこの空間に飽きてしまった。レストランに飽きた子どもが必ずやる、「椅子の上に立とうとする」「机の下に潜る」「怒られて号泣する」「周りの迷惑になるからと、親に外に連れ出される」というムーブをかまし、そのままお会計をしてグダグダに会がお開きになってしまった。

いしは「せっかくのお食事会なのに、料理を楽しめなかった」と腹を立てていて、「来年は弁当形式にしようか」などと早くも来年のお食事会に向けて作戦を考え始めている。次回は、どの料理を選ぶかというよりも、いかに会食時間を短くして彼を飽きさせないか、ということに主眼が置かれることになりそうだ。

(2023.12.09)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 幼児を持つ家庭が必ず通る道ですね(笑)
    我が家も何度も懲りて、子供が小学校に上がるまで、晴れの日の食事は高価な壷や掛け軸がないお座敷のある場所限定にしました。
    女の子だったらもう少し幼くても大丈夫のようです。

  • ゆうどんさん>
    お座敷、いいですね。そういえばその発送はなかった。ハレn日は洋食、って勝手に思ってました。なんなら、居酒屋の個室だって便利かもしれない。
    ただ、男の子なので、畳の部屋だと走り回るのは間違いない。掘りごたつの部屋にして、掘りごたつの下でかくれんぼしていてもらうのが親子ともどもハッピーかも。
    他にゆうどんさんちで、子供を外に連れて行く際に気をつけたことってあります?ノウハウを知りたいです。

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