交通公園で三輪車を学ぶ

近所の交通公園に初めて行く。

弊息子タケに三輪車、およびあわよくば14インチ補助輪付き自転車の訓練をさせたかったからだ。

これまで彼にはストライダーを使わせたことがある。しばらくは得意げにストライダーをズルズルと引きずって公園内を歩くのだけど、最後まで彼はストライダーを乗りこなすことができていない。「なぜ中腰になって、こんなバランスの悪い姿勢をとらなければならないのか?」ということが腹落ちできていない様子だ。

足で地面を蹴ることで、車輪がコロコロと回り、それにより徒歩とは違う爽快感とともに自身が前に進む・・・ということを彼はまだ理解できていない。ひょっとすると理解しているのかもしれないが、身体が動いていない。

毎日ストライダー特訓をやる暇も気力も僕にはないため、彼はストライダーが上達しないまま今に至る。

そして今回は三輪車チャレンジだ。

三輪車は、ペダルと前輪が一体になっている乗り物だ。なので、ペダルを漕ぐと車が前に進む、という非常にわかりやすい構造になっている。まずはこの三輪車で、ペダルという概念と、そのペダルを使いこなす身のこなしを覚えて欲しい。

ただ、彼はこの三輪車もいまいち納得できていない様子だ。せめて足漕ぎでもして、ストライダー的にスイースイーと前に進む楽しさを味わえば良いのに、彼はそれすらしない。

見ていると、右足でペダルを回すことは意識ができているのだけど、左足が右足と連動していない。というか、右足に気を取られてしまい、完全に左足がお荷物になってしまっている。そのせいでペダルがうまくまわらないし、左足で逆回転させようとする。

さすがに一朝一夕には無理だ。何度も経験を積まないと。我が家では彼に三輪車を買い与える予定はまったくないので、交通公園に何度も通って彼に三輪車を習得させることに決めた。

ろくに三輪車が漕げないくせに、自転車が走っている道路のほうには出たがる。そっちは自転車専用レーンであって、三輪車が出て良い場所ではない。いっちょ前に、「道路を自分で走りたい」という欲求はあるらしい。

しかたがないので14インチ自転車に彼を乗せ、親が二人がかりでサポートしながら公園内の自転車レーンに出てみた。

たまには自力で前に進むこともあるのだが、殆ど前に進めない。三輪車と違って、チェーンでペダルと車輪が繋がっていて「ペダル空回し」ができる構造のため、ペダル操作が余計難しくなったようだ。親が後ろから押して、とりあえず前に進む感覚を彼に味わってもらおうとするのだが、彼は意地を張って「触らないで!」「やーめーてー!」と断固拒否する。

あと、真面目に自転車を前に進めようとすればいいのに、とにかく気が散って仕方がない。前を見ないで、すぐに周囲に気を取られて横を向く。ずっと僕が道路前方に立って、「オーライオーライ」と彼の視界を誘導していてもほぼ役に立たなかった。

この様子を見てゾッとした。子どもの集中力って所詮この程度なのだな、と。気が散ってばっかりで、よそ見ばっかりする。なので、もし今後彼が成長して自転車に乗るようになったとしたら、相当親が気をつけないと事故を起こすぞ、と思った。

(20242.02.17)

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