公園で思う存分遊び回っていた弊息子タケに、「お昼ごはん、何が食べたい?」と聞いたら、彼はしばらく考えて「ソーセージ!」と言った。最近の彼はソーセージが大好きだ。ソーセージ、鶏の唐揚げ、そしてたい焼き。
「ソーセージかぁ、どこに行ったら食べられるのだろう?」と首を捻ったが、「お腹すいた!」を連呼するタケを黙らせるためには公園の近くにあるお店に行くのが一番いい。というわけで、吉野家に行ってみることにした。
タケ、人生初の吉野家。この手の「サッと食べてサッと出る系のお店」というのは小さい子どもには相性が悪い。僕らも、無理してこういったお店でそそくさとご飯を食べることをしたことがない。
しかし今回入った吉野家は、大きな公園のすぐ近くにある比較的ゆったりしたお店ということもあって、四人がけテーブル席があるし子供用の椅子もあるしお子様セットもあるし、ということで至れり尽くせりだった。
弊息子タケ、吉野家という業態に興味津々。カウンターの奥で忙しく牛丼を次々と作っている店員さんの様子を面白がったり、お会計をしている様子を見ていたり、彼なりに面白い体験だったらしい。
吉野家の場合、席に座っていればオーダー取り、調理、配膳、下膳、お会計といった店員さんのオペレーションをすべて目の当たりにすることができる。それが新鮮だったようだ。
さて、タケのお昼ごはんとして選んだのは、お子様セットだった。彼が卓上にあるメニューを見て自ら選んだ。タッチパネル式自動券売機で料理の注文をする松屋ではできないことだ。
このお子様セット、彼が望んでいたソーセージが2本トッピングされていて、それが彼の満足感をかなり高めてくれた。
出てきた料理は、使い捨ての弁当容器に入っていた。スプーンも、弁当に使うものだ。大人が使う丼のように磁器製にすると、子どもは落として割ってしまうかもしれないからだろう。でも、プラ容器とか折衷案はあっただろうに、弁当容器にするというのは割り切りがすごい。
スプーンはフォーク的にも使える形になっている。しかし弊息子タケにとってはこれはギザギザしているのでフォークにしか見えなかったようで、「スプーンは?ねぇ、スプーンは?」と何度も僕に尋ね、「これはスプーンでもあり、フォークでもあるんだよ」と僕が説明すると、不満そうな顔をしていた。納得がいかないらしい。
彼にとって人生初の牛丼は、かなり満足度が高かったようだ。もともと、きんぴらごぼうやおでんといった「醤油ベースの甘辛い味」をとても好む味覚なので、牛丼はツボだったようだ。しかもお肉が入っているし。
さらには、子どもならみんな大好きなふりかけが付属している。ふりかけを白米にふりかけて食べつつ、牛丼をご飯にオンして食べるというのはまさに「両手に花」な状態の食べ方だった。
このお子様ランチには野菜は一切ない。いや、正確に言うと牛丼に玉ねぎが使われているが、それだけだ。子どもに生野菜サラダを与えても食べないだろう、ということでバッサリ割愛されている。そのかわり、ゼリー3個とアップルジュースが1本。このざっくりとした「子どもならこれが好みだろ?」という扱い方にはしびれた。
僕なら、「まあ、たまにはこういうのもいいかな」と思える構成だけど、パートナーのいしならば「こういうのは子どもに食べさせたくない!」と拒絶する構成だ。
この料理を食べながら、タケは「おとーさん、ご飯を頼んでくれてありがとー」と言った。しかも1回だけでなく、何度も何度も。これまでも彼が「ご飯を作ってくれてありがとー」などと言うことは時々あったが、1回の食事でここまで繰り返し「料理を頼んだこと」に対して感謝されたのは初めてだ。よっぽど、このセットが嬉しかったらしい。
たぶん、サイゼリアなどで単品メニューをあれこれ頼んで、彼好みの料理ばかりがずらりとテーブルに並ぶよりも、今回のように「自分だけのセットメニュー」が目の前においてあるほうが嬉しいのだろう。なるほど、そういう発想なんだな。
(2023.02.28)
コメント
コメント一覧 (2件)
おかでん殿
御子息も吉野家デビューですか!
お子様セットの存在は知らなかったですが、吉野家も色々考えますね!
本官の勤務先ビルの地下に吉野家があるのですが、場所柄会社員で殺伐とした店舗です。
しかも人手不足なのか個々の座席に注文パッドが設置されるようになり、多言語化機能の他にも、つゆだく・つゆ抜き・白米大中小が選べる機能が実装されています。学生時代、牛丼大盛りと卵と注文して卵だけはこばれてブチ切れた事もあったので隔世の感があります。学生時代は自由が丘、社会人になってからは豊洲店と有楽町店と相性が悪いのかなとさえ考えこんだものです。ってどれだけ吉野家で育って来たんだというツッコミは御容赦。
会計は出口付近のみで伝票を持って行って人対人ですが、注文用端末が各席に置かれるようになった事は、今後の拡張を期待出来るかと……。
軍曹殿>
最近のファーストフード店は日本国外にルーツを持つ方が多く働いていますが、今後は円安などでそれすら減ってくるのかもしれません。
そうなったとき、どこまで人をかけずにサービスを提供するんや?ということが徹底的に追求されていくはずです。
いまでも牛丼屋は、ご飯の盛り付けはボタン一つで定量が出てくるマシンを使っていますが、いずれは牛丼の具さえもボタンひとつで適度に出てくるようになるのかもしれません。そうなると、店内の大鍋で牛丼を煮るオペレーションは無理なので、「汁」「玉ねぎ」「肉」でバラバラの袋に入ってお店に配送されるようになるかも。