ハニワは幼児にとっても楽しい展示だった

東京国立博物館で開催されている、「挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」」に弊息子タケを連れて行った。

上野の美術館・博物館で開催されている特別展に対しては、できるだけタケを連れていくことにしている。彼の入場料がかからない未就学児のうちに。

たぶん、彼が小学生くらいになると、美術・博物が退屈に感じるようになるだろう。僕だってそうだった。でも、その前に美術・博物に親しむという習性を彼にインプットしておけば、いずれはまた美術などを好むときがやってくるだろう。

動物に対する刷り込み、と一緒だ。僕は彼に意図的に美術体験をさせている。

僕の教育方針としては、今のうちにあれこれ体験をさせておいて、小学校に入った頃からは「あとはもう好きにしろ」と放任するつもりだ。いろいろなものに興味を持ってほしいし、そこから知識を学び己の経験に結びつけてほしい。ただ、それを僕が手取り足取りサポートはしないよ、と。

こっちはもう50歳を越えていて、子どもの相手をずっとするのは疲れるんだ。子どもの興味関心を覚えるための種まきは今のうちにやっておくが、僕の役割はそこまでにしておきたいと思っている。

基本的に、僕は彼を美術館や博物館に連れていくときは早足だ。3歳児が走り出したり、飽きて床に座り込んだりして周りに迷惑をかけたくないからだ。彼が飽きる前・疲れる前に会場を後にするというのが必須だと思っていいる。

彼には別け隔てなく美術博物を鑑賞させている。「これは3歳児には難しすぎるだろう」という展示であっても、連れていく。わけのわからんものが世の中にはある、ということを知るのも、学びだ。

一方で、ある程度3歳児でもわかりそうなものについては、積極的に親子で会話をするようにしている。

「これはなんの絵だろうね?」「何をしているところかな?」と、作品を題材に子どもに質問し、答えてもらう。タケが乗り気なら、この会話は成立し、話が盛り上がる。3歳児は大人が想像もつかないような空想の世界を作ることができるので、話を聞くのはなかなか楽しい。

あんまり気の利いた答えが帰ってこなければ、タケはさほど興味がないという証拠なのでとっとと早足で会場を進む。でも、問いかければ答えてくれる事が多く、彼は彼なりにこの美術鑑賞は好きな時間のようだ。親と一緒に時間を過ごし、1つのテーマについて会話をする、という行為が彼にとっては癒やしであり喜びであるっぽい。

それはともかく、ハニワの展示は親子ともにとても良かった。

絵よりも彫刻のような立体物のほうが彼は興味を持つ。そして今回展示されていたハニワは素朴なものが多く、彼にとっては親近感が湧くらしかった。「これは牛」「鹿じゃないか?」「えー!?」というやりとりをしながら、作品を見て回るのは、楽しい時間だった。

円筒埴輪を前に、彼に聞いてみた。「これくらいなら粘土で作れる?」「うん、作れるよ」

その言葉を信じて、100円ショップで油粘土を買って与えてみたが、彼はちょっといじっただけで粘土に飽きてしまい、放置されてしまった。おい、ちゃんと作ってくれよ。

「どうして粘土をやらないの?保育園で遊ばないの?」と彼に聞いたら、彼は「保育園に粘土はあるけど、遊んでいる人はだれもいない。年上の人たちも遊んでない」とあっけなく答えた。そうなのかー。

(2024.10.18)

コメント

コメントする

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.