男の短期育休で給与返納とステルス増税に悶絶

育児休職にともない、ややこしい思いをして手続きをした話は以前の記事に書いた。

あわせて読みたい
育休で「実質手取り10割」の甘い罠?PDF地獄と職場の沈黙に震えた1ヶ月 2025年4月、世の中には「産後パパ育休(出生時育児休業)」なる新仕様が実装された。子の出生から8週間以内に最大28日間、仕事を放り出して育児に専念できるという触れ...

ここまでやったのは、「実質手取り10割」という言葉に惹かれたからだ。
しかし、それを実現するためには、かなーり面倒な計算が必要だった。
女性育休と違って、男性育休は戦略も戦術も必要だ。
残念ながら、「パートナーが必要としているタイミングに、必要なだけ」とはいかないのが実情だ。

記事にも書いたとおり、僕はといえば育休期間中は事務処理が多かったし、育休前も事務処理、さらに仕事を抜けることによる引き継ぎに忙殺された。
育休が取れて良かったなあ、という実感は、正直あんまりない。
とくに僕の場合、テレワーク主体の仕事なので、なおさらだった。

さて、肝心の給料がどうなるか、だ。

僕の場合、28日間の休みだったので、長期間給料が止まってしまって生活に困る、ということはなかった。
「男性パパ育休」の枠を超え、本格的に半年とか一年、育児にフルコミットする男性たちはこぞって「最初の数カ月は、給料が止まるわ、育児給付金の支給がまだだわで生活に困った」と言うが、僕の場合は短期的な資金不足に陥ることだけを心配すればよかった。

とはいえ、今回の休みは2026年1月5日(月)から2月1日(日)までの休職だ。
これが給料にどう影響するのか、いくら調べてもさっぱりわからなかった。

まずは1月分の給与だ。

1月1日から3日までは会社が定める年末年始休暇で、4日と5日は土曜日曜となる。
僕は仕事始めとなる5日から育児休職としたのだが、果たして1月は給与支給となるのかどうか。

もちろん実質労働はゼロだけど、「年末年始休暇」と「土日」だけ、「休職」ではなく「通常勤務」ステータスで過ごした僕は給与支給の対象となるのかどうか。
一般論として、「会社から労働が免除されている日」だから、たとえ通常勤務というステータスだったとしても、給与支給の対象にはならないようだ。
ただ、弊社の就業規則や給与に関する規定類を読んでも、このあたりのことについて記述がない。

1月は勤務した、という扱いなら、1月は給料が出るし、いや、1日も働いてないです、という扱いなら、雇用保険から育児休業給付金の支給になる。

次に、2月分の給与だ。

たしか、1日付で勤務しているかしていないかで、社会保険料の支払義務が変わると聞いたことがある。
だから、あえて「1月31日(土曜日)」で休職満了ではなく、「2月1日(日曜日)」まで休職満了を遅らせていた。
どっちにせよ2月2日から働きはじめることには変わりないのだけど、社会保険料を払わなくてよいに越したことはない。

金銭出納事件簿1 住民税一括納付

さてどうなるか、と思って様子をみていたのだが、真っ先に動きがあったのは、予想外なことに自分が住む自治体だった。
自治体から届けられた封筒を手にし、その形と重さから「あっ、振込用紙在中だ」とすぐに分かった。

なんでだよ、と思って中を開けてみたら、「住民税を特別徴収から普通徴収に切り替えるので、1月分から6月分まで払ってくれ」というものだった。えー。

詐欺か?と思ったくらい、唐突な話だった。

要するに、「お前は休職中だろ?住民税を給与天引きで源泉徴収できないから、振込用紙で振り込め」というわけだ。
おいおい、出生届を出して一週間足らずで、もうこんな通知か。
自治体がシュバってくるとは思わなかった。

いや、出生届は関係ないか。
出生届を出すことと、僕が育児休職を取って給与支給が一時的にストップすることとは関連がない。 だから、ご丁寧に弊社が昨年のうちに、「弊社のおかでんという社員の給与支給が止まりますんでー」と自治体に自己申告したのだろう。ご丁寧すぎる。

こういうとき、「この人は休職が1か月だから1ヶ月分、振込用紙を用意しよう」としないのが自治体のすごいところだ。
休職が延長になる可能性も考慮したのか、つぎの住民税額改訂がある6月分まで、ガッチリと徴収しようとするんだからたまらない。
これ、もし7月に育児休職を取った人は、ほぼ1年分の住民税の請求書が届くのだろうか。それはそれで大変だ。

とはいえ、嫌な話だけではない。
この住民税をクレジットカード払いにすることで、少しはカードのポイントが溜まった。
これは良かった。

金銭出納事件簿2 1月給与

次にやってきたのが1月給与支給日だ。
何事もなかったかのように、振り込まれた。あれっ?

弊社は、「当月分当月支給」のルールだ。
時間外労働手当や旅費などは当月分翌月支給となるが、それ以外は「当月分当月」だ。
だから、新入社員が4月に入社しても、4月分まるっと給与がもらえる。

だから、1月に給料が払われるということは、1月は労働したとみなされた、というわけだ。
これはラッキー。1月1日~1月4日の年末年始+週末は、働いたとみなされたんだろう。良かった。

金銭出納事件簿3 2月給与

ただ、その喜びもつかの間、今度は2月分給与支給日に、給与がゼロになった。オウ。
1月分2月分と順調に給料ゲットかと思ったが、ここで帳尻があわされるのか。

それにしてもどういうことだ。弊社は「当月分翌月支払い」だったのか?
じゃあ、新入社員は4月入社月に給料はもらえないのか?

金銭出納事件簿4 給与返納

・・・それからしばらくして、今度は弊社から簡易書留で封書が送られてきた。3月頭のことだ。

普通ならメールやらチャットで事務連絡は事足りるのに、わざわざ簡易書留とは穏やかじゃない。
解雇通知でも来たのか?と身構えて封書を開けてみると、さすがにそこに振込用紙は入っていなかったし、社印や顧問弁護士の印鑑が捺印された謎の書類が入っているようなこともなかった。

なんだ、たいしたことはないのか、と安心してお便りを読んでみた。

うおおお、アツい。

会社から「金返せ」というお便りだった。

まさかこんなお便りが来るとは思わなかった。

どうやら、1月にもらった給料は、あれは本来お前にやるカネじゃないので返せ、ということらしい。

知らないよ、そっちの都合で給料を払ったんだろ。返さないよ。
・・・と、返納をのらりくらりと先延ばしにしてもいいな、と一瞬思ったが、社畜を自称する僕はとっとと払った。
ひええ、2月給与ゼロに加えて、1月分を返納させられたぞ。地も涙もないな。

金銭出納事件簿5 【番外編】住民税を追加で取られる

3月中旬、また自分が住む自治体から振込用紙がやってきてびっくりした。
今度は何だ。何のことだかさっぱりわからない。

しかも金額が尋常ではない。こんなの、一括で払えというのは鬼畜の所業か。

ふるさと納税で他の自治体に寄付をして地元をないがしろにしてきた天罰だ、と心底思った。

2か月前に住民税を払ったはずなのになんで、と思っていろいろ調べてみたら、ゾッとする事実を知ることができた。

このお金、1月末に済ませた2025年確定申告に伴って追加で発生したお金だ、ということが判明した。

僕は本来、確定申告をやらなくても良い。でも、慣習としてずっと確定申告をやっている。
面倒だけど、この作業をやることで一年の収入とか支出とか、全部クリアになった気がしてすっきりするからだ。
このサイト運営で広告収入が入るのは事実だけど、レンタルサーバの維持費とドメイン管理費用にしかならないので雑所得20万円からは程遠い。

国民の三大義務である納税を行っていて気持ちが良い、とさえ思っていた。雑所得をちゃんと申告して、少額ながらもちゃんと税金を払ってるんだぜ?本当は申告不要なお金なのに。

と思ったら、今年はすごい金額の支払いが向こうからやってきたでござる。しかも、地方税が。なんなんだこれは。

そんな馬鹿な。給与所得とそれにともなう住民税は当然年末調整で完結して源泉徴収票のとおりだし、ふるさと納税だって適切にやったはずだ。
サイト運営に伴う雑所得数千円は、バカ正直に申告して納税済みだ。あ、でもこれは所得税か。
住民税は、給与天引きに反映されて源泉徴収されるはずだ。

住民税?源泉徴収?・・・

あれこれ調べて、ようやく原因がわかった。
僕は今年の出産にともなう出費、そして夫婦揃って給料が出なくなって資金不足に陥ることを警戒して、昨年12月に手持ちの証券を売却していた。
特定口座の投資信託なので、利益は源泉徴収済みなのだが、「ちゃんと1年間の入出金は確定申告に書かなくちゃ」と律儀にこの取引も確定申告書に書いていたのだった。

その結果、なにが起きたか。

投資信託を証券会社の口座で売ったら、利益は20.315%になる。これは源泉徴収だ。内訳は国税が15.315%、地方税が5%になる。

一方、その売買取引を確定申告でバカ正直に書くと、国税は僕の給与所得などと合算された総合課税になるし、地方税は5%だったはずが10%に倍増してしまう。

で、その増額された5%が、本来なら2月の給与から6月まで、天引き住民税の増額ということで源泉徴収されることになる。
しかし僕の場合、2月の給与がゼロだったため、自治体から「普通徴収で払え!」と来たのだった。

つまりこの請求書の金額は、僕にとってはまったく払う必要がない金だ。払い損だ。
良かれと思って確定申告にあれもこれもと全部書いていたら、こんな目に遭うとは。

今更になって知ったが、確定申告って申告する必要がないものについてはいちいちチマチマと書かなくて良いんだな。
確定申告をする場合は、全部洗いざらい書かないいけないのかと思っていた。あーあ、とんでもない出費になっちまった。

そして憂鬱なのが、この営みを僕はずっとこれまで、毎年やってきていたということだ。
いままでは休職せず途切れなく給料をもらっていたのでステエルス増税に気がついていなかったが、実際は毎年のように株式・投資信託の譲渡所得に関して余計な税金を払っていたことになる。

さすがにこれを家庭内で隠蔽していたら重大な背任行為だと思ったので、いしには正直に話をして、謝った。
いしは金額のデカさにびっくりして、思わずたじろいでいた。ごめん。

金銭出納事件簿6 いし側の育児休業給付金申請手続が面倒だった

男性パパ育休の13%上乗せ(出生後休業支援給付金)は、夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合に通常の給付に13%が上乗せされる制度だ。
「夫婦ともに」というのがありがたい一方で、手続きとしては面倒だ。
女性側の企業(と、その背後にいる社労士)が、男性側が14日以上の育休を取得したことを証明する書類を必要としてくる。

「育休を取った、という証拠はあるか?」といしから言われ、とても困った。ないわ、そんなの。
人事発令でなにか表彰状みたいなものを上長から手渡された、なんてことはないし。
しょうがないので、所属長とやりとりをして休職の快諾を得たメールをコピーしてわたした。

こういうのを一つ印刷するにしても、社内の情報なので上長に事情を説明し、了解をもらい、メールの社外送信許可を取り、自宅に送付してようやく自宅でコピーできる。
早くこういうのはマイナポータルで一元管理してほしい。
テレワーカーである僕にとっては、本当に面倒だし、上長を巻き込みたくない。

さらに、「雇用保険被保険者証が欲しい」などと言われ、おいおいおい、そんなもの僕でさえ見たことがあるかどうか怪しいぞ、という有様になった。
どうすれば入手できるのか、それさえもわからない。
調べた結果、マイナポータルで被保険者番号が見えるっぽいので、スマホのスクショで勘弁してもらった。

マイナポータルは素っ気ないインターフェースなのが特徴的で、無印良品的で良いと思っているが、健保とか雇用保険とか、その手の大事な番号を表示する画面はもうちょっとどうにかしてほしい。
証明書の要素もあるから、スクショされてしかるべき行政機関等に渡ることを前提とした体裁にしてほしい。

金銭出納事件簿6 給料がだいたい2ヶ月分振り込まれる

3月の給与支給日には、給料が(たぶん)2ヶ月分振り込まれた。2月分と、3月分なのだろう。

この3か月間で、「もらう」→「出ない」→「かえす」→「2ヶ月分もらう」という目まぐるしい動きがあった。
平準化してほしいなあ、これ。人事給与のシステム上しかたがないのだろうけど。

それもこれも、長期間休むことを前提とした女性の育児休職(産前休業・産後休業期間も含む)のタイムスパンを前提に物事が考えられてきたから、あまり健在化してこなかった問題なのだろう。
僕のように、他の男性のように、わずか1ヶ月足らずの休職ともなるとやっぱりあちこち制度がギクシャクする。

とくにぼくの場合、月またぎで休職したので、そのせいで余計ややこしくなったのだろう。
会社の理屈と、ぼくの認識とでズレが出ていたのも、頭が混乱した理由の一つだ。

金銭出納事件簿7 まだ、給付金が振り込まれていない。

これは想定の範囲内ではあるのだが、子どもが産まれて5か月が経ってもまだ、いしの産前・産後休業時の「出産手当金」が健保組合から払われていないし、「出生後休業給付金」がハローワークから払われていない。
それぞれ、いしの給料の2/3が支給されるのだから家計としては待ち遠しい金額となる。

これらは育児休業に入ってから手続きが行なわれるらしいので、あと1か月ないし2か月くらいでようやく入金だろう。はるか先だ。

それに加えて、ぼくもいしも苦労した「13%」の給付金上乗せについて、同じくまだ振り込まれていない。
これも先なんだろうなあ。

長男・タケの出産のときは、いしは勤め先を退職し出産に挑んだ。このため、この給付金制度の恩恵に預かることはなかった。
だから、今回は初体験なのだが、こうもややこしいとは思わなかった。
とにかく、ことばがややこしい。解説を読んでもわからない。漢字を見ても、意味がスッと腹落ちしない。
なんなんだこれは。よっぽど、「制度A」とか「制度B」という名前にしたほうが覚えられる。

金銭出納事件簿8 もう終わりだと思ったら、まだあった。「育児休業等終了時改定」

この記事を書いているのは、「もうこのゴタゴタはひととおり終わった」と思ったからだ。
で、その記事を書いているちょうどそのとき、会社からメールがやってきた。

「育児休業等終了時改定等のお知らせ」

なんだよこれ。また意味がわからない言葉がやってきた。

なにやら文章だらけの説明を読むと、「育児休業等終了時改定」を申請するか、「養育期間標準報酬月額特例」を申請するかどうか、決めて戸籍謄本やら住民票の原本を添えて会社に提出せよ、と書いてあった。
はい?何かの漢詩ですか?

すごいよな、これっぽっちも国民にわからせる気がない、ストロングスタイルな行政用語。

おいこども家庭庁、出産子育て回りの手続の繁雑さ、意味不明な用語を整理整頓するだけで喜ばれるぞ。今すぐやってくれよ。
それによって少子化が解消されることはないけれど、こういうイヤーな気持ちになって後味が悪い事務処理がなくなるだけでとてもみんなハッピーになれるぞ。

金銭出納事件簿 最後に

間違って払いすぎた税金は還ってこないよ、とAIは言っていたが、どうやら国税庁の「更正の請求書・修正申告書作製コーナー」から還付申請はできるっぽい。

えっ、やった!できるじゃないか!と思ったが、やっても却下されますよ、とAIは言う。というのも、「特定口座で源泉徴収されるという選択肢ではなく、敢えて確定申告という方法を選択した、という解釈を税務署はするので、更正はさせてくれないんだそうだ。

グエー

(2026.05.18)

コメント

コメント一覧 (4件)

  •  コレを読んで男性の育休が増えない訳だ、とつくづく思いました。プラス面ってありました?

     

     

  • ばびぶべバサラさん>

    第一子だと慣れないことも多いですし、いろいろ買い揃えたり考えたりすることがたくさんあるので、男性育休って本当に価値があると思います。
    逆に第二子になると、ある程度勝手が分かっている分、事前の準備もできるので、そこまで必死にならなくても・・・という面はあります。

    特に我が家はドラム式の洗濯乾燥機など、時短家電がそれなりに揃っていることもあって、「わざわざ仕事を休んでまでやること」は実はあまり多くなかったな、と感じています。
    バサラさんがおっしゃる通り、事務手続きが面倒な上に、一時的に資金が枯渇する問題もあるので、誰にでも手放しでおすすめできる制度ではないですよね。

    とはいえ、「母乳が出なくて悩む」とか「夜泣きがひどい」といった、母体やお子さんの状態によって育児のしんどさは全く違ってきます。
    夫婦2馬力で家事育児をやって、ようやくちょうど良いというご家庭も多いと思います。
    我が家の場合は、たまたまそこまで大きな苦労が重ならずに済んだ、という幸運な状況だったのかなと思っています。

    こればっかりは産まれてみないとわからないですからねぇ。
    産まれて、家庭の状況を見極めてから「明日から育休をとります!」というわけにはいかないので、結局勤務先にそういう制度があるなら利用しようぜ、という話になるかと思います。

  • 特定口座の場合、証券会社ごとに確定申告する・しないも選択もできたと思います。あと確定申告すると総所得に対して健康保険の掛け金もあがりますから注意がいりますね。

  • noさん>
    そうなんですよね、住民税はもう払っちゃったので過去のダメージで済みますけど、社会保険料はこれから先1年続く負担なので、ため息がでちゃいます。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください