(2000.08.20/京都・伏見)
登場人物
師匠:何の師匠だかわからんが、とりあえず「師匠」を名乗る謎のおっさん。
おかでん:墓穴堀りを生業とする大馬鹿たれ。
師匠 「聞いたぞ、おかでんくん」
おかでん 「はぁ?いきなり何ですか」
師匠 「京都でグルメツアーをやってきたらしいじゃないか。京都の名物食いまくり、っていう」
おかでん 「ああ、それですか。いやぁ、えーっと」
師匠 「おばんざいバイキングとかお茶漬けバイキングとかお店を調べてたんだって?ということは、今回は京都名物の大食いチャレンジだな、きっと」
おかでん 「いや、今回は餃子なんですよ実は」
師匠 「餃子ぁ?京都で餃子って名物だったかぁ?」
おかでん 「ええ・・・名物というかなんというか、とりあえず『餃子の王将』の餃子なんスけど」
師匠 「おいっ!まさかとは思ったが、本当に餃子の王将とは・・・京都名物はどうなった」
おかでん 「とりあえず、餃子の王将は京都が発祥ということで、ここは一つご勘弁のほどを」
師匠 「何が『ここは一つ』だ、何しに京都行ってきたのよ。今回は京都料理を楽しむ旅行だったはずだろぉ?」
おかでん 「そのつもりだったんですが、一人旅のつもりが気が付いたらアワレみ隊のミーティングみたいになってしまって、気が付いたら当たり障りの無いものを食べてしまっていました」
師匠 「馬鹿だね君は。で、一切京都名物は食べなかったのかい?」
おかでん 「いや、食べることは食べましたよ。まずはお昼ご飯におばんざいを食べに行こうということになって、先斗町に行きましたし」
師匠 「いい出だしじゃないか」
おかでん 「でも、気が付いたら普通の定食屋に入ってしまい、鶏の唐揚げ定食を」
師匠 「はぁ・・・君的にはそれでよかったのかい?」
おかでん 「すいません、鶏の唐揚げという文字列を見るともう我慢できなくって」
師匠 「まあいいや、それから?」
おかでん 「祇園の外れにある甘味処で、くずきりを頂きました」
師匠 「なんだ、きっちりと京都の名物を食べてはいるのだな。いいじゃないか」
おかでん 「とってもおいしかったです。京都の夏っ!って感じがこれまた最高」
師匠 「うむ。いいじゃないか。それで餃子の王将に行ったのかい?」
おかでん 「いや、この後甘味処の近くにあった『ひさご』っていう飯屋で親子丼を食べました」
師匠 「おい、食べ過ぎだぞ。何で親子丼がいきなりそこに出てくるんだい」
おかでん 「同行していたジーニアスが、『ここの親子丼はうまいらしいよ』と囁いたもんで。卵とだしと鶏肉で作るシンプルな親子丼がうまいと評判とは一体どういう事だ、とほっとけなかったんです」
師匠 「で、親子丼、か。くずきり食べて親子丼ってどうも順番が逆な気がするが・・・って、おい!親子丼の横にビール瓶が置いてあるぞ。」
おかでん 「ええ、置いてあります。ビール飲みましたから」
師匠 「そうか、そうだよな、君の性格からいったら、飲むよなこういうシチュエーションでは。まあいい、味の方はどうだったのかい?」
おかでん 「さすがでした。美味でした。玉子の塩梅がグレイトなのは当然として、山椒がいっぱいかかっていてスパイシーに仕上がっているのも目からうろこでしたし。あ、あと、ビールもおいしかったです」
師匠 「ビールについては聞いておらん。で、ようやくこれで餃子の王将、か。」
おかでん 「すんません師匠、まだあります。この後、伏見に行って利き酒できるお店で塩辛と豆腐サラダをつまみにお酒を6種類ほど」
師匠 「うーん、京都グルメツアーには間違いないけど、なんか君の生きざまって間違っている気がしてならないんだけど・・・」
おかでん 「いやあ、気にしない気にしない。で、利き酒を楽しんでいざお店から出てみたら、そこにあったのが餃子の王将」
師匠 「やっと登場か。危うくこのコーナーの趣旨を忘れるところだった」
おかでん 「Round#01でお伝えした『ふざけたにぎり』完食の話題がまださめやらぬ時期だったからですかね、気が付いたら『餃子の王将で餃子を10人前食べることはできるか』なんて話題で盛り上がってまして」
師匠 「で、君としては『待ってました』と」
おかでん 「のんのん。当然それまでは大食いチャレンジなんて考えてもいなかったので、飲み食いを相当やってましたし。餃子なんて無理だと腰が引けてました。でも、ネタ的にはオイシイのは確かで、お店の前で悩むこと5分」
師匠 「また時間をかけたもんだね」
おかでん 「優柔不断ですから。みんなから呆れられてました」
師匠 「でも、結局お店に入ったわけだ。ルールはどうなったの?」
おかでん 「最初、餃子10人前という話もあったのですがそれまでの食べっぷりを勘案して却下。じゃあ餃子5人前にしようということになって、最終的に決まったのは15分間で餃子4人前+餃子定食(2人前餃子+ご飯+みそ汁)になりました」
師匠 「親子丼とか食べてなければ、どう考えても楽勝な量と時間じゃないかい?」
おかでん 「でも、リスク高いですから。完食できれば、その日のうちの新幹線で東京に帰る事ができるんですが、もし賭けに負けたら『ムーンライトながら』、すなわち東海道本線の夜行快速でごとごとと一晩かけて東京に戻る事に」
師匠 「翌朝から仕事があるんだろ?この日は日曜日だし」
おかでん 「そう、だから是が非でも完食しなくちゃならないんです。夜行列車でよれよれになったまま週明け、会社に行くなんて絶対に避けたいですし」
師匠 「ちなみに聞くけど、もし完食できたらそのご褒美は?」
おかでん 「食事代がタダに」
師匠 「おい、餃子の王将って餃子一人前180円だろ。4人前+餃子定食だって、せいぜい千円ちょいじゃないか。それを同行した人数(3人)で割ったら、一人頭400円弱。まーた君は割に合わない賭けに出たもんだな」
おかでん 「まあ、それを勘案してチャレンジする量と時間がゆるめに設定されているんです、文句は言えません」
師匠 「で、やって来た料理がこれか。見た目大したことないな」
おかでん 「いや、でも最初は顔がひきつりましたよ。写真で見ると餃子が小さく見えますけど、ご飯の丼と見比べてみると結構一個一個がでかいのが分かると思います」
師匠 「しかしそれにしても、実際のところはどうだったのかい。楽勝だったんじゃないの」
おかでん 「へへへ、正直言って楽勝でした。ただ、それは結果論であって食べている最中は夢中でしたね。早い段階で満腹シグナルが出るのは目に見えていたので、超特急で食べるのに必死で」
師匠 「殊勝だねぇ」
おかでん 「でも、すんません、場を盛り上げる為に途中で苦しそうな演技をしたのは事実です。餃子の場合、ご飯と違って食べているうちにもったりとしてこないので、結構気楽に食べることができました」
師匠 「うその演技してたのか!呆れたヤツだな。で、完食タイムは?」
おかでん 「6分40秒。さすがにこれくらいの量では、事前に食べた食事の量の大小にかかわらず余裕のようです」
師匠 「やあ、相変わらず早いな。で、晴れて新幹線で帰京できたわけだ」
おかでん 「おかげ様で。しかし、熱い餃子を勢い良く食べていたので、口の中が火傷してしまい数日間不自由しました」
師匠 「体傷つけてまでやる事かねぇ、全く・・・」
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