わんこール!わんこール!

(2004.05.07/岩手・花巻)

登場人物
師匠:最近、孫ができました。・・・うそです。
おかでん:わんこそばが可能ならば、わんこうどんも可能だよなと思ったが、あのコシと太さだと窒息することは確実であることに気がついた。

おかでん「華々しく復活!土下座バイキング!・・・というわけで、ご期待にお応えして、土下座バイキングが華々しく復活しましたよの巻。ご無沙汰してました、師匠。」

師匠「ご無沙汰だねえ。何カ月ぶりだったっけ」

おかでん「このコーナーの連載としては半年以上ぶりですし、最後に実際にお逢いしたのはもうかれこれ・・」

師匠「やめよう。こういうあいさつをしていると、それだけで長話になる。大体、その話はさっき逢った時にしたじゃない。何でまたICレコーダーで録音をはじめたら同じあいさつを繰り返す?」

おかでん「いや、時系列ってモンがwebサイトのページにもありましてですね。ここでいきなり連れなく『では今回チャレンジしたメメニューですが』って本題に入ったらすっげぇ違和感あると思うんですよ」

師匠「知らないよ、そんなの。適当にそんなのは加工しておいてくれよ。で?いかにもモテなさそうな風貌だよね、と2ちゃんねるに顔写真を晒されたおかでんくん、今回のチャレンジは?」

おかでん「うへー、つい先日アワレみ隊BBSに書き込まれたたれ込み情報をよくご存知で」

師匠「そりゃまあ、チェックしてるから。で、私までそのモテない奴の片割れと思われるのは非常に不本意だ。おかでん君、今後は写真にモザイクをかけてはどうだろう」

おかでん「どうだろう、じゃないですよ。そりゃ顔には自信ないですけどね、いちいちそんな面倒な事やってたら毎日の更新なんてできないです。というか、アンタ!モテない奴の片割れと思われたくないって何じゃそりゃあ」

師匠「すまん。言い過ぎた。・・・正確には『モテない奴の片割れ』じゃなくて、『モテなさそうな奴の片割れ』だったっけ」

おかでん「どっちでも一緒ですよ」

師匠「いや、意味は大きく違うぞ。モテない、というのは事実関係を述べている言葉だけど、モテなさそう、というのは外見からみたその人の主観だ。結果的におかでん君がモテてるのかどうかは不明だ」

おかでん「いいですよもう。そんな言葉遊びしなくても。で!今回はわんこそばです」

師匠「うん、知ってる」

おかでん「いや、そこで驚いてくださいよ。知ってる、って言われちゃわざわざ聞き役を立てている意味がないですから」

師匠「1年前のやつだよね?東北道の駅の途中に立ち寄ったってやつ」

おかでん「・・・そうですけどね。やりにくいなあ。そもそも1年前ってばらさなくってもアンタ」

師匠「聞いてるもんなぁ、以前逢った時に。その時にすぐ収録すれば良かったのに。なんだったら、今ここで挑戦結果まで公表しようか?えっと、確かひゃく」

おかでん「こらー。企画潰しをするのはやめろ。でも、写真はまだ見てないでしょ」

師匠「まあね、結果だけしか聞いてない。そのときおかでん君、『この前のGWでわんこそば食べてきたんですよ。ですから、土下座バイキング最終回ってことでまた収録しますからよろしくお願いしますよ。そのとき食べた杯数はひゃく・・・』」

おかでん「おい!また結果をしゃべろうとしている。笑福亭鶴瓶みたいな芸風やめろ」

師匠「了解」

おかでん「じゃ、結果はとりあえず忘れてもらって、写真を見ながら一喜一憂してください」

おかでん「今回のわんこそば挑戦場所は、岩手県花巻市。東北道の駅106カ所完全制覇企画の真っ最中で、しぶちょおと2名で訪れました」

師匠「わんこそばといったら、盛岡市っていうイメージがあるけどね。何で花巻市なの?」

おかでん「たまたまです。丁度通過地点にあったのと、お昼時だったからですね。で、以前この地を訪れた時に立ち寄った蕎麦屋『やぶ屋総本店』がわんこそばをやっていたのを覚えていたので、じゃああそこで食べてみようか、ということになったんです」

師匠「私もわんこそばは食べたことがないんだけど、後ろに給仕してくれる人がいて、次々とお椀に蕎麦が投げ込まれる料理だよね?」

おかでん「そうです。お椀の蓋をするまで、蕎麦が投入され続けます。だから、もうギブって時はすばやく蓋を閉めないと、盛られてしまう」

師匠「もうギブ!やめて!って言えばいいじゃないか」

おかでん「お店によっては、お茶目な店員さんがいて蓋をしめようとする前にわざと蕎麦を放りこむらしいですね。お椀に入ってしまった以上あともういっぱい頑張れと」

師匠「スパルタだねえ。ところで、あれってつゆはどうなってるの?すでに蕎麦にからまってるの?」

おかでん「そうです。店員さんが手にしている蕎麦が入ったお椀には、少量の麺とつゆがすでに入っています。それを、食べる人が持つお椀にぱっと移すんですね。だから、お客は麺で喉をつまらせることなく、ずるずるっとすぐに食べることができる」

紙エプロンをまずは装着するのだ

おかでん「お座敷に通されると、まずは紙製のエプロンを装着しました」

師匠「よだれかけ?」

おかでん「エプロン、って今言いましたよね、僕」

師匠「そんなに垂れるものなのかい?わんこそばって奴は」

おかでん「いえ、そんなことは無いですけど。ただ、念のためにって奴でしょうね。あり得るとすれば、店員さんがお客のお椀に蕎麦を入れた際につゆが飛び散るとか」

師匠「ちょっとした焼肉屋に行くとこういう紙エプロンがついてくるけど、わんこそばは意外だったな。ええと、名物めんそば?」

おかでん「よく読んでください、わんこそばって書いてありますから」

師匠「ああ、確かにそうだ。こ、が読みにくかった。麺蕎麦だったら当たり前すぎるからね」

おかでん「こうして、座して待つわけです、わんこの登場を」

師匠「向かい合わせの席なんだね。てっきり、お客は横に並んで、背後に給仕さんがつくのかと思っていたけど」

おかでん「二人で来訪して、四人がけのお座敷テーブルで肩を並べて座っているっていうのは何だかヘンな構図ですよ。とりあえず向かい合わせで問題なかったです。給仕さんは、格闘技のレフェリーみたいに二人の間で身構えていて、右へ左へとわんこを振り分ければいいわけです」

師匠「ふーん」

おかでん「考えてみれば、お座敷に座り込んで大食いをするのは初めてだったんですが、しぶちょおが『お?正座すると胃袋が圧迫されない感じがする』ということに気づき、二人とも正座して待機でした」

師匠「なるほどね、正座したほうが姿勢がいいもんな。実際どうだったの?」

おかでん「ああ、これは断然正座の方が良かったですね。大食いのコツ、それはまず姿勢を正すことからっていうことに今更気づきました」

いろいろな味で楽しんでもらおうと趣向を凝らしているけど、箸を全くつけることはなかった

おかでん「で、これです」

師匠「お?これは何だ。お酒のつまみセットみたいなものが並んでいるじゃないか。おいおかでん君、わんこそばを食べるんじゃなかったのか?」

おかでん「いや、これがわんこそばを注文したときにデフォルトで出てきます」

師匠「驚きだな。お蕎麦を腹いっぱい食べようというのに、これだけあれこれと出てくるの?」

おかでん「まあ、わんこの杯数を限界まで積み上げたいというお客さんも居ますが、大半は『おいしく楽しくわんこを食べたい』って人ですからね。蕎麦だけじゃ味に飽きますので、こうやっていろいろつまめるものもセットになってるんです」

師匠「それにしても、いろいろあるな。客単価を上げたい店の思惑なんじゃないかって勘ぐるけどね。そういえば、わんこそばって幾らするの?」

おかでん「確か3,150円です」

師匠「ほー。お昼ご飯の値段としては相当高いな。でもこれだけおつまみがつくと値段が高くなるのは仕方がないのか」

おかでん「このお店ってざるそばが420円なんですよ。だから、ざるそば8杯分わんこそばを食べることができたら、それだけで元がとれてしまう。そういうことを考えたら、決して高くはないと思いますよ。小さな椀に取り分ける手間、給仕のために店員さんがつきっきりになる人件費、大量に発生したお椀を洗う手間。普通の蕎麦と比べて、めっぽうお金と時間がお店には必要となりますから」

師匠「それはそうだな。でも、結局は『たかが蕎麦』なわけだけど」

おかでん「まあ、そうですね。でも、そのたかが蕎麦、が岩手を代表する観光名物になってるわけですからね。大食いなんて普段しない女性でも、岩手に来たら『わんこそば、挑戦してみたい!』って言うくらいですから。大食いと一般人が交わる、数少ないターミナル駅がわんこそばと言えます。そういえば、この日僕らがチャレンジしている隣の席では、東京から来たという女子大生娘が4名、チャレンジしてましたっけ」

師匠「なるほどね。確かに私も、わんこそばだったら試してみたいと思うもんな。同じ皿数を増やす行為としても、かっぱ寿司でお寿司をぐいぐい食べてお皿を積むって事はしようと思ったことすらないけど」

おかでん「そこが、歴史であり、観光であるわけですよ。ところで師匠」

師匠「何だい?」

おかでん「先ほど師匠、お酒のつまみセットって喩えをされていましたが、確かに言われてみればそうですね。これだけあれば、その日の飲みは十分です。お酒と焼酎、ぐいぐいいけますね。あとは最後に焼きおにぎりでもあれば問題なし」

師匠「で、この大げさな突き出しは何があるんだ?」

おかでん「ええと、ほたてと鮭の刺身、イカソーメン、筋子、大根おろし、とろろいも、塩からですね。あとは、葱、きざみ海苔、鰹節、もみじおろしの蕎麦用薬味です」

師匠「大げさだねえ、やっぱり」

おかでん「僕は、わんこそばを何十杯も食べたっていう人よりも、このつまみ類を全部食べたっていう人がいるほうが驚きますね。どうしてもわんこそばに目が行ってしまうので、こんなにたくさんのおつまみ、食べられる訳がないです」

おかでん「さて、しばらく待つと店員さんが台車でわんこそばを運んできました。お盆で2段重ねだったかな、とりあえずは20杯くらい持ってきていました」

師匠「店員さんも考えるんだろうね、『このお客さん、多分50杯も食べられないだろうから麺ゆでは少な目でOKです』なんて厨房に指令出したりして」

おかでん「でしょうね。無駄にゆでても捨てるだけですから。ひょっとしたら、お座敷には隠しカメラがあるかもしれないですよ。店長が厨房からモニタでお客さんをチェックして、『うーん、とりあえずこれくらいゆでておくか』とかなんとかやったり」

師匠「ははは。それは大げさだな。でも、厨房と接客担当がうまい具合に連携できないと、テンポが悪くなってガタガタになるね」

おかでん「多分、その辺りは長年の経験で培ったカンってものがあるんでしょうけど。さて、食べ始めです。今回は、しぶちょおとコンビを組んでいるので、何だか競い合うような形になりました。二人が同時にお椀の中を平らげて、店員さんにおかわりを要求するという流れ。店員さんが次のわんこを持って待ちかまえているわけではなく、こっちが店員さんの準備ができるのを待ちかまえる状態でしたね。なにしろ二人とも早い早い」

師匠「店員さん重労働だね」

おかでん「だと思いますよ。腰を曲げながらお客のお椀に蕎麦を入れ、そしてすぐに振り向いてトレイから次のわんこを取り出して、お客の方に姿勢を戻したら既に『おかわり、よこせ』の状態ですからね。休む暇が全くない。ただ、腰は常にツイストしているので、ウェストシェイプは確実にできる職種だと思いました」

師匠「二人がかりで良かったね、おかでん君くらいの人が4人がかりで訪れていたら、店員さん目を回しそうだ」

おかでん「わんこを真剣にやるなら、お客は二人までがいいと思いました。テンポがいいんですよ。お椀を出したらすぐに次を入れてくれる。食べて、お椀を出して、次がきて、食べる。この1周期で5秒足らずですから。ありがたいことに、しぶちょおも同じペースで食べていたので、このテンポはしばらく続きました」

師匠「5秒か。ははは、早いね。1杯あたりの量って、一口サイズなの?」

おかでん「やぶ屋のサイトで確認したら、10-12杯でかけそば1杯分、と書いてありました。それくらいの量です。仏壇にお盆の時にお供えするそうめんくらいの量です」

師匠「そのたとえ、よくわからないぞ。ところで、つゆは飲んでたのかい?」

おかでん「飲みませんね。たとえ少量だとしても胃袋に負担がきますし、塩辛いですから。お椀に入った蕎麦を即座に飲み込むんですが、できるだけつゆは飲まないようにしました」

師匠「でも、そうしたらどんどんつゆがお椀にたまってくるわけだが」

おかでん「それ用に、机の真ん中には『つゆ捨て用の器』が用意されていました。つゆがたまってきたら、そこに捨てれば良いです」

師匠「あ、なるほど、そういう配慮があるのね」

おかでん「でも、製造ラインのマシンのように機械的な、テンポの良い動きでわんこそばを食べているわけで、つゆを捨てるタイミングがなかなかつかめなかったですね。つゆがたまってくると食べにくくなるんですが、捨てたくてもすぐに次の蕎麦を入れられてしまうのでそれどころじゃない。店員さんが蕎麦を切らしてしまい、厨房に取りに行っている間にあわてて捨てていたような状況でした」

師匠「蕎麦は十分に用意されていたのかな」

おかでん「やはり最初は様子見、だったんですかね。そうですね、二人で20杯程度食べる都度「厨房に蕎麦を取りに行く」ための小休止が入っていたんですが、さすがに二人とも70杯を通過した辺りで大休止がありましたね。厨房もそこまで食べるとは想定していなかったようです。数分間、二人ともぼけーっとしながら待つ羽目になりました。厨房の入口では、店員さんが数名がかりで、ゆで上がったばかりの蕎麦を小さなお椀により分けていました。まるで戦場でしたね」

師匠「途中でテンポが崩されるとやりにくいでしょ」

おかでん「ええ、すっごくやりにくいですね!しぶちょおは、この大休止のせいでテンポが崩れてガタガタと一気に食べられなくなったと後で語っていました。こちらも同じです。機械的にわっせ、わっせと食べ続けていればどんどん杯を重ねていくことができるんですが、途中間があくと一気に体が重くなります」

師匠「それも、あまり食べさせないお店の策略?」

おかでん「そこまで高度な策略はないと思いますよ。単に、見込み間違いだったということでしょう。この辺、お店側は難しいですよね。最初はどーんと数十杯分をゆでておけばいいでしょうけど、お客さんがだんだん衰弱してくるわけですから、そのペースにあわせて『今度ゆでるときは20杯分』『まだ食べるようだったら次は10杯分』『えっ、まだ食べるの?じゃあ、5杯分ずつこれから先はこまめにゆでよう』なんてやっていかないと、ロスが出る」

師匠「ロス疑惑」

おかでん「・・・古いですねえ。その言葉、耳にするのって20年振りくらいなんですけど」

師匠「まあいいよ、言ってみたかっただけだから。それにしてもしぶちょお君も頑張ってるじゃない。おかでん君と同じペースとはね」

おかでん「確か、80杯目くらいで『俺ペース落とすわ』って言って、共同歩調から離脱したんじゃなかったかな。さすがに苦しくなってきたらしい」

師匠「おかでん君はペースダウン無しだったのか」

おかでん「いや、僕だってペースは落ちてきましたよ。100杯過ぎたあたりだったかなあ」

師匠「ちょっと待て。このお店って平均で何杯わんこそばが食べられているかっていうデータはあるの?」

おかでん「ありますよ。男性で平均50杯、女性で平均30杯だそうで」

師匠「100杯突破か。平均男性の二人前を食べたってことになるわけだね。十分に元は取れた」

おかでん「やっぱ50杯ですよねー、普通の人は。そりゃ、あの筋子やらお刺身を食べたら、蕎麦は適当でいいやって気持ちになりますもん。ましてや、自己の胃袋の限界に挑め!なんていう闘争心溢れるマインカンプをやってる奴なんて滅多にないわけですし」

師匠「何だい、マインカンプって」

おかでん「ドイツ語ですよ。我が闘争、って意味です」

師匠「ああ、ヒットラーの著書ね。おい、あの本とわんこそばチャレンジを一緒にするとは冒涜だな」

積み上がるわんこ。地震が起きませんように・・・と願うしかない

おかでん「積み上げられたお椀です」

師匠「へぇぇぇ。凄いねえ。並んだねえ、これは」

おかでん「札束を積み上げたことはないし、今後もそういう経験をする機会はないんでしょうが、その代わり庶民なら頑張り次第でわんこを積み上げる事は可能です。みんなも諦めずに頑張ろう!」

師匠「誰に対するメッセージだよ」

おかでん「いや、読者の皆様にたいして」

師匠「今ここには私と君しかいないんだから、怪しいメッセージをいきなり言い出すのはやめてくれ。気持ち悪いぞ」

おかでん「へへえ。さて、食べ進めているわんこそばですが、しぶちょおは123杯で終了。おかでんは130杯を過ぎたあたりでがぜんペースが落ちてきました」

師匠「やはりキリがいい数字でギブアップ、ってことになるのかな」

おかでん「そうですね。いっぱいそのものの蕎麦の量ってたかが知れてますからね。『もうおなかいっぱい!』といっても、じゃあ目の前のこのたった一口が全然食べられないのか、といえば無理すれば食べられるんです。だから、当面の目標は『キリのいい数字まではなんとか頑張ろう』って事になるわけですね」

師匠「なるほど。たとえば129杯で本当はギブしたいんだけど、あともう1杯食べれば130杯になるんだから、もうちょっとだけ頑張ろうっていう気になるわけだな」

おかでん「そういうことです。で、僕は140杯を過ぎた時点であ、こりゃもう駄目だと思ったので、当面の目標を150杯にしたわけです。店員さんがニコヤカにわんこを持って待ちかまえているのもプレッシャーでしたし」

師匠「そうだよね。マイペースで食べる事ができるんだったら、もう少しいけるかもしれないけど」

おかでん「店員さんを待たせるのは悪いなあ、っていう気になるんですよ」

師匠「それに、店員さんに『ああ弱ってる弱ってる』と思われるのが、おかでん君の性格からしたら凄く悔しいんでしょ?」

おかでん「そうですね。師匠の仰る通りですよ。悔しくてしょうがない」

師匠「苦しくなってくると、食べ方ってどう変わってくるの?」

おかでん「飲めないです。わんこそばって、噛むんじゃなくて、飲む食べ物なんですよ。噛んでいると満腹になるので、口に入れると即飲み込み。でも、苦しくなってくると、胃が受け付けたがらなくなるんですね。ですから、もぐもぐしてしまう。噛んだからどうなるというわけでもないのですが、一種の時間稼ぎですね、これ」

師匠「なるほどねえ」

150杯+123杯=273杯のわんこが並ぶ

おかでん「150杯目、最後のいっぱいを食べる際に、大量のお椀を前に、記念撮影です」

師匠「壮観だね。蕎麦しか食べていないのに、二人とも顔が脂汗噴いちゃってるのも見物。でも、比較的ぐったりしていないようだけど?」

おかでん「そうですね、言われてみるとニコヤカですね。もう限界ギリギリまで食べましたウップ、っていう顔ではないです」

師匠「何だ、余裕じゃない」

おかでん「とんでもない!この後、企画途中だったということもあって食後すぐに車で移動となったわけですが、微妙な車の揺れと加減速からくるGで胃袋が悲鳴を上げて、二人とも吐き気で真っ青になりましたから。実際、しぶちょおは具合を悪くして次の道の駅でトイレに駆け込みましたし」

師匠「そうか、麺類だから後から水分を吸って、胃袋の中で膨れるんだったな」

おかでん「胃袋許容量100%まで蕎麦を詰め込むと、後で確実に悲劇が起きますね。あまりの苦痛に、人によってはもう二度と蕎麦はごめんだ、って思うかもしれないです。限界まで食べるぞ!といっても、若干の余裕を残しておかないと駄目な食べ物だと思います」

大食証明書と商品のてぬぐい

おかでん「150杯で終了・・・敢えてギブアップとは言いませんよ、人並み以上に食べたわけですから・・・したのち、お店の人が認定証をくれました。150杯、と書かれた『わんこそば大食証明書』です。文面は、『あなたは、当店に於いて、名物わんこそばに、勇気を持って、且つ豪快に挑戦され、優秀な成績を収めたことを、ここに証明いたします。』だ、そうで。で、『横綱』に認定されました」

師匠「相撲ランクみたいなのがあるのか」

おかでん「60杯で小結、70杯で関脇、80杯で大関、100杯で横綱らしいです。僕は150杯ですから、何場所も連覇している大横綱クラス、といったところでしょうかね。で、横綱記念ということで手ぬぐいを頂きました。ありがたいことです」

師匠「土下座バイキング最終回にしては悲壮感のないチャレンジだったとは思うけど、でも良かったじゃない。最後の最後で、大食い証明書がもらえたなんて」

おかでん「ああ、言われてみればそうですね。東京ドームシティからランチ1年間無料パスを貰ったりしましたけど、表彰状チックなものを貰うのは今回が最初で最後でしたね。これ、土下座バイキングの卒業証書ってことにしましょう」

師匠「これにておかでん君の大食いチャレンジも終了、ということか。寂しくなるね」

おかでん「まあ、チャレンジメニューに玉砕覚悟で取り組むのはもうやらないと思いますが、『美貌の盛り』コーナーを後釜としてやっていきますんで、そちらの方をお楽しみ頂ければ・・・」

師匠「ではこれにて土下座バイキング、終了ということで?」

おかでん「ですね。多分復活は無いと思います。もう胃袋は大きくないですから」

師匠「大食い選手権がテレビ東京で復活してるよ。第二弾放送の参加者が募集されているらしいけど・・・」

おかでん「絶対にイヤです!これ以上体重は増やしたくないので、食事はほどほどに」

師匠「そんな事言いながら美貌の盛りを連載してるんだから、この男はよくわからんなぁ」

(土下座バイキング・惜しまれつつ(自称)完)

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