撃たれる前に撃て【サバイバルゲーム1】

登場人物(1名)
おかでん:あらかじめ言っておきますが、戦争賛美すると偏った政治信条は何もありません。単なる胃袋至上主義者です。

2002年11月30日(土)

それっぽい服着用のおかでん

祝:おかでん、サバイバルゲーム初参戦。

サバイバルゲームとは何ぞや、と言われると、まあ一言で言ってしまえばエアガンを撃ち合う疑似戦闘ゲームのこと。子供でもやっていることだが、それがもう少し大人らしく、より痛くなったものと考えればそう大差はない・・・って言うと、サバイバルゲーム愛好者から怒られるか。

他人からみれば、「戦争ごっこ」に見えて、非常に野蛮で陰険な遊びに見られがちなレジャーだが、実はその裏には非常に知的な性質も持っている。何しろ、動かぬ的を狙うわけではなく、動き回っている人間を狙わないといけないのだ。どこで待ち伏せするのか、どうやって相手に気づかれないようにするのか、そしてどうやって射撃するのか。知恵と体力が要求される、高度な遊びだ。

おかでんは、この度サバイバルゲームのチームを持っていて、自らゲームの主催をしている隊長とお近づきになり、その縁で志願兵としてこの度戦線に加えていただくことになったのだった。

初回参加なので、銃などは貸してもらえる。しかし、せめて服装だけは自前で固めておきたいものだ、という事で上野アメ横の中田商店にて物色。この中田商店は、世界各国の軍服類を扱っている事で有名なお店だ。最初は中國人民解放軍スタイルにしようと思っていたのだが、アメリカ海兵隊の迷彩服を発見して一目惚れ。上下及び帽子を購入。

アメリカ海兵隊の新制式迷彩服は、なんとデジタル迷彩。ホルスタイン牛のような柄の迷彩服ではなく、細かいモザイクがかかっているデザインになっている。すごく格好良い。これは、きっと一般ファッションとしても流行るに違いない・・・

と思って、買ってきて早々に鏡の前で試着してみたのだが、思ったよりはるかにイマイチだった。何しろ、もともとが迷彩服。上下共に迷彩服を着ていたら、ものすごくのっぺりとした感じになってしまうのだな。ファッションとしての服が持つメリハリ感が全くない。なるほど、だから迷彩なのかと当たり前の事を感心してしまった。

ちなみに、写真に写っている上着は、中田商店にてお買いあげの際にただでもらったもの。こんな格好で車を運転するのもどうかと思うが、まあ現地までノンストップで行くのだから、問題ないでしょう。

戦士が続々集結

本日の戦場は、富士の裾野の樹海。

予定時間より相当早く着いたので、「死体置き場」と呼ばれる場所づくりをする。

サバイバルゲームの場合、戦闘中に撃たれたら「ヒット!」と叫び、その時点で戦場から退散しなければならない。そして、1ゲーム終了するまで、フィールド外にある「死体置き場」にて待機することになる。

しばらくすると、だんだん人が集まって来だした。みんな、めいめいに迷彩服を着てきている。右側にいる隊長は、腰に水筒を装備したり、ニーパッドをはめるなど完全にコスプレに走っていた。

・・・っていうか、隊長その格好はデルタフォースではないですか。ブラックホーク・ダウンっすか。

銃器市場

本日使用する武器類。サブマシンガン、アサルトライフルがずらり。

手前が、おかでんが貸してもらったM16A1。

ほぼ全て、東京マルイ製の電動ガンだ。バッテリー駆動で0.2g6mmBB弾を発射する。

電動ガンとは、ギアとモーターを内蔵し、バッテリー(電池)の力でピストンを後退させてBB弾を発射させる方式。

(東京マルイのwebサイトより引用)

しょせんオモチャだろう、といってナメてはいけない。照準さえきっちりあっていれば、数十メートル先の木の葉を撃ち抜く事くらいは容易にできる。しかも、アサルトライフルなので本物同様、1分間で数百発近くぶっ放す事ができる。うかつに狙撃されたら、大変だ。

めいめい準備に余念が無い

死体置き場の周辺に車を配置し、あまり道路から見えないようにする。やましい事をやっているわけじゃないのだが、さすがに迷彩服を着て銃を持って走り回っている姿を他人に見せるわけにはいかないんで。

一歩間違えると、勘違いした人に通報されかねない。

弾込め中

めいめい、自分の銃に弾ごめをする隊員たち。

顔をぼかしているのは、やましい事をやっているからでは決して無く、本人達にweb掲載の了解をもらうのが面倒だったから。

間違っても、「人様に顔向けできない」やばいことをやっているわけではないことを強調しておきたい。

とかいいながら、この写真はどう見てもヤバい。

おかでんのフル装備

おかでんのフル装備。

サバイバルゲームをする際は、ゴーグルは必須アイテムとなる。間違って目にBB弾が入ってしまうと、失明してしまうからだ。

あと、顔に弾があたると非常にイタイので、フルフェイスマスクを使っている。これは別に必須ではない。おかでんの場合、頬の肉が溢れてしまっているので、あまり意味がないかもしれない。

装備をそろえる際、隊長から指示されたのは「Gパンとか肌にぴったりと張り付く服はダメ」というものだった。曰く、膝を曲げていて、腿が張っている時に狙撃されたら、飛び上がるくらい痛いからだとか。

同じ理由で、帽子は必須らしい。頭蓋骨に弾がヒットすると、これまた悶絶するくらい痛いとのこと。

ブリーフィング中

ようやく全員の装備が完了し、第一試合が始まろうとしているところ。

今回のサバイバルゲームのルールは次のとおり。

・敵味方2チームに別れる。
・敵兵を殲滅するか、敵陣地にある風船を割ることができたチームの勝ち。
・弾に当たった場合、「ヒット!」と自己申告で叫び、速やかに戦場から退去する。
・自分の装備に弾が当たった場合、別の場所に当たって跳ね返った弾が自分に当たった場合もヒットとなる。
・1ゲーム最大20分とする。

陣地に向かう

まずは各自自軍の陣地に移動する。

もう12月も間近、ということもあって木々は枯れてしまって辺り一面茶色の世界。緑色の迷彩服を着てきた意味があるのか、とまずこの時点で不安になる。逆に目立つのではなかろうか。

さらに、こんな細い木々の間で撃ち合いをやったら、隠れる事ができる場所がないのではないか、という不安もある。銃の一斉掃射で全員死亡、開始数分でゲームオーバーになってしまうのではなかろうか。

星条旗と風船が目印

こちらが、第一ゲームの自陣となる場所。敵陣と比べてやや高いところに位置している。青い風船が木に貼り付けてあって、あれを撃たれたら負けとなる。写真には写っていないが、星条旗を挟んで2つ、風船は設置されている。

風船と木の間に段ボールを挟んでいるのは、陣地をぐるっと回り込んで、背後から狙撃されるのを防ぐため。この段ボールのおかげで、裏からこっそり忍び寄っても、最後は必ず正面に出てこないと狙撃できない仕組みだ。

ゲーム開始を待つ

敵チームと「もう大丈夫かー」「もうちょっと待てー」というやりとりを交わしつつ、出陣を待つ。敵本陣まで、約70-80m。まっすぐ走れば10秒もかからない距離なのだが、途中ブッシュがあったり木が邪魔しているので、とてもじゃないがそんなに早くは到着できない。

われわれは、協議の結果正面2名、側面1名、守り2名で進軍することにした。おかでんは正面突破を狙う。

ゲーム開始。有利なポジションを確保するため、そして少しでも前に陣地を構えるためにダッシュ。

・・・しているうちに、正面からタタタタという発砲音がして、その全てか自分の体に突き刺さった。

「いて、いってててて!ヒット!ヒット!」

開始30秒で、死亡。あたりをきょろきょろしてみたが、一体誰にどうやって撃たれたのかもわからなかった。あまりにあっけなさすぎるサバイバルゲームデビューの一戦だった。

弾、一発も撃っていないんですけど。

死体置き場

首を捻りながら死体置き場で待機する。死体置き場は、ちょうど戦場を見渡す事ができる場所で、どのように戦っているかを見ることができて勉強になる。

てっきり、このサバイバルゲームというのは始終発砲音がしまくっているものだとばかり思っていたのだが、実際は全然違い、至って静かなものだった。お互い気づかれないように匍匐前進したり、物陰に隠れているからだ。

発砲が始まる、ということは相手を目視で捕捉し、なおかつ狙撃が十分にできる距離になった場合にかぎられる。うかつに発砲してしまうと、敵に自分の居場所を教えてしまうことになり非常に危険。目の前の敵が全てとは限らない、実は側面や背後に敵がいるかもしれないからだ。

20分近く経過したところで、ぱーんと風船が割れる音がして、ゲームオーバー。敵の勝ちだった。

ソ連の旗が目印

第2ゲームはサイドチェンジしての闘いとなった。こちらはソ連の旗が目印。

アメリカ陣地は目の前にブッシュがあるので、守りやすく攻めにくい。対してソ連陣地は、下草が少なく開けている場所にあるため、攻めこみやすい代わりに守るのに苦労する。

このゲームは、おかでんは守りについた。風船のすぐ側の木に身を潜め、敵の侵入を阻止する役目についた。

・・・のだが、20分経過してゲームオーバーになるまで、敵は誰もやってこなかった。

やっぱり、まだ弾を一発も撃てていないんですけど・・・。

白い靴が目立つ

第3ゲーム。

また攻めのチームに入り、木に隠れながら進軍する。「3歩以内で次の隠蔽物まで行ける場所を探せ」という事を学び、少しずつ進んでいった。

すると、数メートル先の地面に何やら白いものが見える。枯れ草の色からすると、えらく目立つ。不自然だ。よく見てみると、そこから何やら人間の姿が浮かび上がってきた。白いものとは、スニーカーだった。腹這いになって寝ている敵の靴だけが見えたのだった。(写真の男)

喜び勇んで、狙撃。

しかし、白い靴を狙ったためなかなか当たらず、かっとなって隠蔽物から飛び出て銃を乱射したら、相手も立ち上がって同様に乱射し、ダブルで死亡してしまった。物陰に隠れて撃っていれば大丈夫だったのに、経験不足が仇となった。

白い靴の兵士に、「靴、丸見えだったよ」と告げたら、彼は非常に慌てて白い靴にガムテープを巻き付けていた。これで少しは隠蔽ができたようだ。

撃たれてしまったが、初めて弾を撃つことができて、満足。

フィールドに向かう

第4ゲームは、裏から回り込んでやろうということで、試合開始早々ぐるっと迂回し、敵背後に回り込む事に成功。

風船を割る機会をうかがったのだが、例の段ボールが邪魔をして何もできない。正面に出ようとしても、守備兵が守っていて身動きがつかなかった。

どうしたもんか、と思案している間に、正面突破してきた味方が風船を割ってゲーム終了。

風船背後であぜんとして立ちすくむおかでん。結局、また一発も弾を撃てなかったよ・・・。

アメリカから見たソ連

アメリカ陣地からソ連陣地方面を見ると、こんな感じ。

そんなに距離は離れていないのだが、敵の旗や風船は見えない。

これだけ遮蔽物がまばらな戦場だけど、じっと潜んでいるとその姿を確認するのは容易ではない。さすがは迷彩服。

相手を判別できるのは、身動きした際に足下の枯れ木がばきっと音を立てる時だ。あと、不自然に木の根本が膨らんで見えた時。

日が傾いたてきた

日が西に傾いてきた。第5ゲームで最後。

今度は、風船を撃つのではなく、お互いを好きなだけ撃ちまくる事ができるルールに変更となった。撃たれても、死なない通称「ゾンビ」。本人があまりの痛さに戦場から逃げ出すか、撃つ側が弾切れになるかバッテリー切れになるかするまで撃ちまくるというルールだ。

みんな「最後なんだから、派手に撃ち合いをやろう」と横一列になって、隠れもせずにずいずいと進んでいく。しかし、おかでんだけは「裏に回り込んで、背後から狙撃して驚かせてやろう」とまたもや遠回り。全速力で走る。

しかし、肝心の敵陣裏側に回ったときには、もう既に誰もいなかった。死体置き場の方で何やら談笑する声が聞こえる。・・・既にゲーム終了になっていた・・・。

がっくし。またもや弾を一発も撃てなかった。戦場のど真ん中で、プラトーンのようにのけぞってひっくり返ってしまった。

隊員全員集合

結局この日、5ゲーム中弾を一発も撃てなかったのは3ゲームにも及んでしまった。こういうのは、撃ち合いをやってナンボの遊びなので、次回参戦の際はもっと考えないと・・・。

最後、記念撮影をして終了。お疲れさまでした。

いやぁ、サバイバルゲームは面白い!

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