ラーメン家二郎を作ってみよう(その5)
「ラーメン二郎を家で作ろう」企画、最終回は番外編ということで市販ラーメンを使った家二郎に挑戦してみることにした。
ネット上の情報として、味車が出している「つけめん時代・とんこつ醤油味」が比較的二郎に似ている、という事を事前にキャッチしていた。幸い、近所のスーパーではこの商品を取り扱っていたので、購入してみた。
今回は、ブタを市販の焼き豚で代用。できるだけ市販のものを使うことによって、どこまで二郎に似せる事ができるか、というのが課題だ。
・・・まあ、キャベツとモヤシをゆでてどっさり載せれば、見た目を二郎っぽくするのは簡単なのだが。
一袋に、1人前150gで2人前入っていた。300gで、このボリューム。
そ、そうなのか。世の中一般的には、150gで1人前程度なのか!?二郎を食べ慣れてしまうと、300gで一人前、といってもあまり驚かなくなってしまった。これでも少ないと感じてしまう。
・・・飼い慣らされたなあ。
髀肉の嘆。
でも、つけ麺で150gって少ないと思うんですけどね、普通の人でも。つけ麺って、つるつるっと食べられちゃうから。
結局、2袋分=600gの麺をゆでてみる事にした。ドンブリに生麺の状態で盛ってみて、「あっ、これはヤバイかも」という事に気づいた。今まで、「うどん700g」や「沖縄そば500g」をやっつけてきた経緯があるものの、今回の量は「ちょっとやばい」という気にさせられた。なぜだろう。
ブタを厚めに切り分ける。400円ちょっとでこの焼き豚を買ったのだが、これで11切れ程度。大ダブルといった風情。
「つけ麺時代」の特徴は、液体スープの他に割りスープの素、というのがついている事だ。なるほど、つけ麺だもんな。最初は液体スープだけでつけ麺を頂き、最後に液体スープの素+お湯で薄くのばして、ごくごく飲めという事か。
液体スープをドンブリに入れてみる。
白く固形化した脂の量の多さが、期待させてくれる。これは結構こってりしたスープになりそうだ。
今回はつけ汁を作るわけではないので、最初から「割りスープの素」を入れる。加えて、味の素も入れる。スープの素には、既に化学調味料が入っているはずだけど、さらにだめ押しだ。ジャンクであればあるほど、二郎っぽいだろう。多分。
お湯で溶いてみた。スープの完成だ。
おや。醤油っぽい色ではなく、やや白みがかった色に仕上がったぞ。二郎っぽくはないが、こってり感は抜群。
今回、企画最終回ということもあって、ヤサイはモヤシを二袋投入してみました。「ヤサイ男盛り」を実現しようという算段だ。世のジロリアンは、「あの店はモヤシ比率が最近高くなった。キャベツほんの少しだもんなー」とか愚痴を言う事がある。店によっては98%がもやし、2%キャベツというもやし天国なヤサイも珍しくない。だからこそ、家二郎ではキャベツ比率高めのヤサイを作って、お店にはない楽しみを満喫していた。
しかし今回は、「やっぱりモヤシの量が多い方が二郎っぽい」という考えに至り、モヤシ増量となったわけだ。ここで、「キャベツの量を減らして調整」するのではなく、「モヤシの量を増やして調整」しようと考えた無謀な自分が激しく愛おしい。
麺がゆで上がった。太麺、と名乗ってはいるが、やはりやや細い印象を受ける。
いや、それよりもこれはちょっとヤバくないですかね。量、多いぞ。
盛ってみた。
あー。
これはやりすぎだ。ドンブリのすりきりより上にまで麺が盛りつけられてしまった。おい、この状態でどうやってトッピングすればいいんだ?
ブタダブルを盛りつけてみた。も、もうこの段階でギブアップしてくなってきた。何度も落ちてきそうになるブタをくい止め、ドンブリの縁になんとか押し込む。
押し込むと、反対側から麺がずるっとドンブリからこぼれ落ちそうになる。いっぱいいっぱいだ。
完成図。ヤサイ男盛りと言えるかどうかは微妙だけど、ものすごい盛りになったのは間違いない。こんなのが店で出されたら、恐怖と緊張のあまり失禁してしまうかもしれん、わし。ちょっと盛りつけが汚くなっているのは、台所でトッピング作業中、あまりの重さに土台にしていたまな板がシンクにぐらりと傾いてしまい、ドンブリがひっくり返りかかったからだ。危なくせっかくの家二郎が全滅寸前だったが、おかでんのゴッドハンドがファインセーブして、大惨事にはならなかった。で、その名残がドンブリからはみ出した麺やヤサイ。麺をドンブリに押し込んで、見てくれを直そうとしたのだけどもうどうやっても中に入ってくれなかった。上から相当な重さのヤサイがのしかかっているからだ。
食べてみる。
食べても、食べても、ヤサイ。なんとか麺をほじくり出すが、食べにくいったらありゃしない。かん水たっぷりでつるつるな麺は、「ドンブリの底から箸で引きずり出す」には向かない。やはり、もっと凶悪なまでに極太麺で、ごわごわしていないとダメだ。その点、二郎の麺ってのは良くできている。まるで、「上にドカ盛りのトッピングを載せても大丈夫なように」想定されていたかのようだ。
ブタは、あまりラーメンには合わなかった。焼き豚として、それだけで酒の肴になるような味付けになっているので、なんだか浮いていた。なぜアンタここにいるの、という感じ。やはり、ブタを煮て醤油っからく味付けないとダメだな。歯ごたえも非常にはっきりとした食感で、まあ、早い話ハムだ。二郎でいう「ブタ」とは住んでいる世界が違う。
結局、この段階でギブアップ。麺は半分も食べられなかった。
スープは・・・ええと、結局一口もすすれませんでした。スープまで到達できなかった。
この麺、食べ進むうちにどんどん伸びてきて、固まりになってしまった。スープもぐいぐい吸い込んでしまい、ますます迫る満腹感。これ以上食べてももったいない、ということで敗北宣言となった。残念。まあいいや、翌日、食べればいい。
翌朝、ドンブリをのぞき込んでみたら、食品サンプルのような麺があった。即ち、麺同士がくっついてしまい、ドンブリ型の一つの巨大な固まりになっていった。スープは当然すっからかん。・・・今晩、食べることは可能だろうか?大丈夫かなあ。
と、まあそんなわけで一連の家二郎企画は今回で終了。他にも、「ペヤングソース焼きそばのお湯をきらないで、醤油とニンニクを入れたら二郎っぽくなる」などの怪しげな情報があるのだが、追求し始めるときりがない。とりあえずここで終わりにします。
家でわざわざ二郎を作るなんて面倒臭いが、「転勤で地方勤務になったため、二郎を食べる機会がなくなった!」という人にとっては、中毒症状の緩和策として十分使える事が分かった。中毒症状でお悩みの全国のジロリアンの皆様、ぜひおためしあれ。
(2004.12.17)
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