栃木県は茂木市にある「ツインリングもてぎ」に行ってきた。ここは、オーバル型(トラックコース型)のサーキットを中心に、ホンダミュージアムやセーフティドライビング教室がある総合施設だ。
ちょうど、サーキットコースではFJ1600とロードスターが交互に走っていたが、今日はレース非開催日。特に目的があって来たわけではない。ドライブがてら、いろいろな施設を見て回った。
キャンプ施設もあるので、1日でも遊んでいられる場所だ。
ちょうどお昼時だったので、施設内で食事でもしようということになった。
そんな折り、目に付いた看板がこれ。「ブリックヤード」というハンバーガー屋のものだった。
ハンバーガーを前にニッコリのお父さん、もろ手をあげて歓喜の意を表明しているお子さま。何がそんなにうれしいのだろう。・・・どうやら、目の前のハンバーガーにかぶりつけるのが楽しみで楽しみでしょうがない模様だ。
・・・当たり前だ、ハンバーガー屋の看板なんだから。我ながら見たまんまな推測をしているな。
子供の前に置いてあるのが、「キッズバーガーセット(600円)」で、まあ見た目普通のハンバーガーだ。この程度で万歳しているとは随分おやすいガキだな、なんて言ってはいけない。自分の過去を振り返ると、幼稚園児だったおかでんの最大の楽しみは、マクドナルドでハンバーガーを食べることだったもんなあ。ピクルスだけは丁寧に除いて。
それはともかく、人生酸いも甘いも体験しつくしたオトーサンがなぜにっこりとしているかというと、「マーベラスダブルバーガー(1,200円)」なるハンバーガーが手元にドン、と置かれているに他ならない。
Marvelous=不思議な、最高な
という意味。何がどう最高なのかというと、ハンバーガーの中にはフォアグラ、トリュフがぎっしりと入ってい うわ何をするやめろ
良心の呵責がただいま、おかでんのタイピングを妨害いたしました。すいません、うそ言いました。
ええと、まあ要するに、えらくデカいバーガーらしいんですな、これが。あまりのデカさにマーヴェラスだ、と。こんなバーガー食べるんだったら、事前にまぁ(腹を)減らすようにしておけよ、という意味でマーヴェラス。
うわ、慣れない駄しゃれをやるんじゃなかった。不発。
激しく興味を抱いたので、そのマーヴェラスを体験してみることにした。
こちらは連れの人間が注文したマーヴェラスバーガーセット。ファストフードチェーン店では見かけなくなった、発泡スチロールの容器に入っている。トマト、ポテトフライが同じ容器で添えられているのが特徴。なるほど、こういうパッケージングなら、観戦のお供に向いているだろう。
なるほど、確かにデカいハンバーガーだ。「握り拳サイズ」が通常のハンバーガーとすれば、「ゴリラの拳」くらいはありそうだ。って、言ってもゴリラの拳を実際に見たことはないのだが。
で、おかでんが注文したのは、当然「マーヴェラスダブルバーガー」。最上級のヤツをためしてみないことにはコメントのしようがないではないか。
ドリンクとのセットで1,380円。相当高いなあ。でも、毎日食べるモンでもないから、許す。それに見合っただけのマーヴェラスを頼みますぜ。
しかし、こちらの期待を全く裏切らない形で注文の品が出てきた。まず、容器が違う。なんだ、この「高さ」は。上のフタがぱっかり開いて中が見えるから、「ハンバーガーが入っている」ということが分かるが、フタがしまっていたら何の入れ物だかわからない。紙容器ということもあって、食品が入っているとはお釈迦様でも気づくまい。
上から見た図。
ダメだ、でかさが理解できない構図だった。
おや、僕のバーガーにはポテトは無いの?
あまりにバーガー自らがデカいから、「ポテトなんて食べられるわけないっしょ。だから最初から入っていません」っていう事か?
と、思ったら、なんとハンバーガーの底に格納されていた。ポテトの上に乗っかるかたちで、マーヴェラスダブルバーガーが配置されていたという構図。
これでも、あまりデカさが実感できないな。
かぶりついてみる。
わ。で、でかい。口に入らないぞ。
そういえば、ビックマックでさえも、口に入れるのって難儀したっけ。ああいう「チェーン店のデカいバーガー」でさえ苦労するというのに、こういう「単発のお店にある名物デカバーガー」が口に入るだろうか。入るわけがない。
写真で見て貰えば分かるとおり、口を最大限広げた状態でも、まだ上下数センチずつほど、パンに余りがある。ヌゥ、これは強敵だ。
ソースやナプキンが設置されていたコーナーに、プラスチックのナイフとフォークが置いてあったが、なるほどこのハンバーガーを食べようと思ったらそういった「文明の利器」があった方がいいかもしれない。
しかし、こんなハンバーガーを刻もうとしたって、うまく切断できるとはとうてい思えない。ぐちゃっと中身がはみ出してしまい、結局「パンつきハンバーグ定食・レタス付き」を食べる事になってしまうのは目に見えている。
大体、あの紙容器の状態で、どうやってナイフとフォークを使えばいいのやら。
そんなわけで、覚悟を決めて、両手でヤツを鷲掴みにして口元へぎゅーっ。なんとかかぶりつくことに成功。こりゃ、男性でも狂的・・・じゃなかった、強敵なメニューだ。女性は間違っても注文しちゃ、いかん代物だな。
かみついたマーヴェラスダブルバーガーの断面図。こんな感じ。中は、レタスとトマト、そしてハンバーグとピクルス。
何とかしてかぶりつこうと思わずバンズを握りつぶしたため、哀れミートはバンズにめり込んでしまっていた。なんか、なれ鮨を思い出してしまった。
しっかしこのハンバーガー、デカさは確かにマーヴェラスだったのだが、味はイマイチマーヴェラスだった。ダメダメマーヴェラスだった。・・・味が、しない。バンズとミートのデカさに比例して、ケチャップやマスタードを投入すべきなのに、全然物足りないのであった。おかげで、味がほとんど無い状態で巨大なバーガーと格闘する羽目になってしまった。
なるほど、だからか。
ナプキンが置いてあった場所に、でかいハインツのケチャップ/マスタードボトルが置いてあったのだが、これを使え、ということか。
早速、ケチャップとマスタード、そしてハラペーニョのボトルをテーブルまで運んできて、ばさばさと投入。オーバルコースのレース場だから、味付けまでアメリカンにしたのかなあ、なんていいながら、いくら投入しても味が濃くならないマーヴェラス君としばしの格闘。
食後、サーキット周辺をうろうろしていたら、フードコートに「オーバル焼き」なるまんじゅうらしきものを売っているお店を発見。さっそく冷やかしに行ってみた。
オーバル焼き屋。名前が最高にイカす。
肝心の商品は、まさに二重焼きだった。
二重焼きは、地域によっては「大判焼き」「今川焼き」などと名前をころころと変えるが、この地もてぎでは「オーバル焼き」と呼ばれていたとは。
名前にふさわしく、楕円形の二重焼きなのかと思ったが、ごくごく普通の丸い二重焼きだった。普通と違うのは、もてぎの焼き印を押すくらい。
あまりに普通だったので、買うつもりだったのだが、やめた。味のレポートをしたって、「あんこがおいしいです。でも普通の味です」でお仕舞いだもんな。
ピットに向かう通路の途中で発見した、広告。
「直径130ミリのビッグバーガーは、もう体験した?」
はい。もう体験しました!
・・・そうか、あのマーヴェラス野郎、直径13センチもあったのか。
(2004.07.25)
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