どじょっこ

同じ大学の後輩と、月イチペースでいろいろなお店に出向いて飲食をしている。「その季節の旬、を食べる」というテーマを課しているのだが、特に厳密な運用はされていない。「ちょっと飲みにいこうぜ」程度のひらめきでは行かないようなお店、をあえて選ぶ、というのが唯一絶対のテーマとなっている。

今回、後輩は「くじらが食べたいんです。」ときっぱりと事前通告してきた。なるほど、くじらか。それは確かに悪くない選択肢だ。しばらくするとその後輩から続報が入り、「町屋にどじょっこ、というくじらが食べられるお店を発見しました。今度はここにしませんか」と提案があった。町屋?いやー、場所は認識しているけど、立ち寄った事はないし、そもそもお互いにとってオフィスからも、家からも遠い。えらくチャレンジャーな場所を選んだもんだ。

「くじら、といったら渋谷のくじら屋が有名じゃないですか。でも、あそこは有名すぎてイヤだったんですよ。今更くじら屋なんて、というのがありましたし、値段も高いですし。その点、このどじょっこは安くて良いです。しかも、どじょうとかなまずとか、いろいろ風変わりなメニューがありますし」

なるほど、そういう事か。面白い。ということで、町屋の裏通りにひっそりとあるお店、「どじょっこ」に今回はお邪魔することにした。

どぜう鍋。美味しいと思うが、生理的に受け付けない人が多い

細かいでき事については説明を割愛する。

今回は純粋に、食べた料理の写真だけを紹介しておく。

まずは、最初にでてきたどぜう鍋1,155円。「駒形どぜう」などでもおなじみのタイプだ。小振りな、底が浅い鉄鍋にだし汁とどぜうがいっぱい。これをぐつぐつ煮たところで、上からこまかくスライスした長ネギをふりかけて、さあ召し上がれ、と。

どじょうの顔がコンニチハしているのがグロテスクでイヤだ、という人が結構多いと聞くが、これくらいなんということはない。シシャモがOKでどじょうがNGというのは矛盾していませんか、食べられない方々。

鯨竜田揚げ。ミンク鯨とツチ鯨の2種類

本日の最大のお目当てといって良い、くじらの竜田揚げ。

ミンク鯨とツチ鯨がそれぞれ2切れずつだた。確かこれでお値段は530円だったと思う。鯨料理を食べさせるお店の相場からすれば、これでも安いと思う。

おかでんと7歳違いの後輩は、「いやー、くじら食べるの、初めてなんですよー。こんな味なんですねぇ」と骨董品を鑑賞するかのような慈しむ目で竜田揚げを眺めていた。

あらためて食べてみると、「うほっ、これは美味い!」というほどのものではない。ただ、子供の頃は給食でこれがでると幸せだったんだよなあ。時代は変わる。人の嗜好も変わる。

生牡蠣

生牡蠣があったので頼んでみた。

なまずの竜田揚げ。案外高いもんだな、なまずって。

こちら、なまずの唐揚げ。2,100円もする非常に高額な一品だ。

「なまず!おまえそんなに高級魚だったのか!」

と驚きを禁じ得ない。なんとなく、安い魚だとばかり思っていたのでこれは意外だった。そういえば、なまず料理を出すお店ってあまり見かけないな。総需要が少ないから、値段も高くなってしまうのだろうか。

「唐揚げに2,100円か・・・ふぐの唐揚げ並に高いな」と思っていたが、いざ食べてみるとこれが結構おいしい。真っ白な白身で、味わいは淡泊そのもの。だからこそ、唐揚げにして若干こってり感をコーディネートするととてもおいしい。ほくほくさくさく。

ほやのお造り

なまずで気を良くしたので、ほやも注文してみた。

ほやは、明らかに季節じゃない(このお店に訪問したのは、2005年4月10日)。しかし、おかでんが唯一「こいつぁ食べられない」と箸を投げた料理であり、この際苦手克服するのも悪くない、と思って注文してみた。

ぬーぅ、ぬめりの中からにじみ出る、くどいまでの磯臭さ。たまらんのぅ。

でも、おいしくちょうだいすることができました。

これにて、おかでんが「苦手」とする料理は皆無となった。「食わず嫌い王決定戦」には絶対でられないな。ネタがないから。

巨大しいたけ。グロテスクだけど味わい深くて美味

しいたけ。確か、岩手県産だかなんだかで、ものすごく肉厚で大きいという。いざ、実際に頼んでみたがいや確かにでかいでかい。大の大人の手の甲サイズくらいはあるんじゃないか。

ここまで巨大で肉厚だと、しいたけをかみしめたときに口の中にうまみがじんわりとひろがってくるのがよくわかる。これは小さいしいたけを食べてもわからない感覚だ。さりげなくのお勧めだ。

くじらベーコン

「せっかくだからくじら料理、もう一品いっときますか」ということでくじらベーコン。

現役くじら世代であったおかでんだけど、せいぜい給食で竜田揚げを食べる程度だった。だから竜田揚げ以外のくじら料理は食べたことがない。このくじらベーコン、昔はメジャーなくじら料理だったと聞くが、食べるのは今回が初めて。

・・・うーん、脂っちいねえ。添えられたからしをつけて食べると引き締まった感じになるが、この脂っぽさはちょっと。でも、興味深く食べる事ができた。面白い面白い。

巨大なあさり。はまぐりよりでかい!

最後、「デカイことはいいことだ」と言いながら、大あさりを頼んでみた。確か、三河湾あたりで大あさりが採れると聞いたことがあるが、実物をみるのは今回がはじめて。

・・・うわっ。でかい!

はまぐり並のでかさを想定していたが、実際ははまぐりよりさらにでかい!ここまでくると、何だかグロテスクだ。あっけにとられながら、貝にかぶりついた。

普通、あさりというのはおみそ汁のお椀に入っていたり酒蒸しにされていて、1個を食べるときはつるん、と一口だ。しかしこのあさりときたら、三口、四口でようやく食べることができるジャンボサイズ。いやぁ、何がどう間違ったらこんなにすくすくと育つんだろう。感心させられた。

と、まあこんなかんじで町屋「どじょっこ」で各種料理を満喫した。お店の立地がやや不便だけど、いろいろな「へぇー」と感心させられる料理がいっぱいある、お勧めの店舗だった。

(2005.08.28)

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