食べるのも飲むのもシメるのも米

ごはんcafe看板

職場の関係で有楽町界隈で飲み食いすることが比較的多い。いや、多かった、というのが本当のところか。昔は、夜たら「この後いっぱい飲んで帰るか?」という、お誘いというよりもむしろ強制連行に近いお言葉を諸先輩方から賜り、有楽町あたりによく繰り出したものだ。

しかし、最近じゃもうみんな仕事が逼迫しすぎ。終電までにはなんとか帰りたい、くらいの勢いだ。もし職場の誰か一人が「今日は早く帰るんで、誰か食事でも」と言ったって、「ごめんなさい今日は仕事が片付かないんで」「私も」なんて事ばかり。そんな状態が、攻守交代しつつ常にオフィスでは展開されている。

アフター5の飲みニケーション(いずれも死語)は時代遅れ、と今時だったら言われそうだが、それ以前に業務配分もっと考えようや。これだけ仕事やっても、日本のサービス業は生産性が先進諸国で最低って一体どういうことだ。バカンスで一カ月休みますHahaha、とかいうヨーロッパ人とか、「週末は自宅のプール掃除と芝刈り」なんてのたまうアメリカ人とどうしてこんなに違うのか。

話がずれた。そんなわけで有楽町はよくうろついてはいたのだが、お店選びが少々難しい。昨今の不景気でハードルは下がったとはいえ、費用対効果で考えると割高すぎる店がまだまだ多い。「おっ、このお店いいんじゃない?」と飛び込みで入って、お会計見てギャース、というのは大変後味が悪い。しかもうっかり終電逃しちゃってタクシー帰りなんかなったら、一体どこのお大尽だという散財。

大人しく、銀座にもある「さくら水産」で50円のつまみでもかじってろバーカ、というありさまではあるが、しかしこの界隈、ちょっと探せば値段そこそこで結構イイカンジなお店があるのも事実。そういうのを足を使って調べ、発掘したときは結構うれしいものだ。

今回はそんなお店の一つ、「ごはんcafe」を紹介したい。おかでんお気に入りのお店であり、わざわざこのサイトのBBSで参加者を募り、オフ会にまでしてしまったくらいだ。

ごはんcafe。JAの外郭団体かどっかがやっている「ごはんミュージアム」に併設されたカフェレストランであり、場所は有楽町国際フォーラムの中にある。ガラス張りの外観であり、窓際のカウンター席に座るときは通行人のさらし者になるという、マジックミラー号の逆をいくような店ではある。

JA系列がやっているというだけあって、ごはんには絶対の自信があるようだ。そりゃそうだ、JA、しかもごはん食啓蒙の店がまずいメシ食わせたら、面子丸つぶれだ。今回はそんなメシを食おうじゃないか、というオフなのだった。

酒飲みおかでんにしてはやけに大人しい内容ではないのかねキミィ、と言われそうだ。いつからそんなチキン野郎なオフを志向するようになったのか、と糾弾されそうだが、ちょっと待って欲しい。米というのは何も、銀シャリの事だけを指すわけではないのですよ。僕は米のドリンクを飲む。それでいいじゃないか。

そう、健康米飲料、清酒。このお店は、清酒もそれなりのラインナップを誇っており、しかもお値段が相当安いのだった。ここでは飲みたい奴は大いに飲む、食べたい奴は大いに食らう。左党も下戸も双方ニコニコのオフができるというわけだ。

しかも、このお店、酒肴・・・って言ったら店の人に怒られるか?・・・ええと、おかず。おかずが和食中心の憎いセレクトになっており、それもまた魅力の一つだ。「うちはご飯がメインだ、おかずばっかり食ってるくらいならご飯おかわりしろこの野郎」と言わんばかりに、おかずの量はあまり多くない。正直、「定食を食べる」用途としてこのお店を使うと、値段の高さにびびるし、明らかにコストパフォーマンスが悪い。

しかし、酒飲みからすると、ちみっとした塩辛くて渋い酒肴(いや違った、おかず、だ)を箸の上に少々載せ、それで清酒を頂くというのはなんとも魅力なのだった。だから、おかでんとしてはこのお店を「単に定食を食う場所」としては使う気はさらさらなく、滅多に飲まない清酒を飲む場所としてのみ利用している。普段、居酒屋では清酒には見向きもしないのだが、ここだったら歓迎。というか、積極的にここに行って清酒飲りてぇ、と思わせてくれる。そんな場所。

ごはんcafe看板

確かに店内はcafe的な空間

ごはんcafe、とちょっと小しゃれた名前にしているように、このお店の内装はいわゆる「定食屋で作業着を着たおっちゃんがどんぶり飯を食らう」雰囲気とは違う。女性お一人様でも入りやすい雰囲気になっている。天井の高さやシンプルな店の作り、そしてガラス張りの外壁などから薄ら寒いイメージがあるが、国際フォーラムとはそもそもこういう建物。その他のテナントも等しくみんなガラス張りの薄ら寒いお店だ。居酒屋も、イタリアンも。ポストモダンだかなんだかしらんが、この建物ができた当時はこういうデザインが超格好いい、という時代だったんだな。

でもそれがちょうど良いと思う。なんかわざとらしいまでに、土壁にしてみたりおくどさんを展示してみたり、店員は作務衣やもんぺ姿っていうのは将来性をまったく感じない。オサレにご飯を食らう・・・じゃなかった、いただく、というスタイルを提案していかないと、この先米食文化はじり貧だ。

一応、壁際には大きな羽釜が据え付けてあり、来店者の目を惹く。あれで実際飯を炊いているのかどうかは不明だが、多分お店で粗相をしたらあの釜に入れられて石川五右衞門のようにゆで殺されるんだろうと思うと、身がすくむ思いだ。

店内は女性の一人客ないし二人客が比較的多い。あとは、仕事帰りのサラリーマンがこれまた一人から三、四名程度で軽く飲んだ後ご飯を食べている。あまり本格的にここを居酒屋用途で使っている人はいないし、そんな雰囲気の店内でもない。間違って、7,8名で「さあ今日は飲むぞ」と鼻息荒く来店すると、場違いなので注意。飲むなら、騒がしくないようにしみじみとどうぞ。麦酒と違って、清酒ならそういう飲み方もOKなのでちょうど都合がよい。

なお、店内は広く客席数は十分にある。だから空いている事が多いのだが、国際フォーラムでコンサートや講演会があった直後は大混雑するので注意。21時頃、「ごはんcafeだったら空いているだろう」と思ってふらふらと行ってみると、コンサート終わりのおば様達がわらわらとホールから出てきて、このお店に見事なまでに吸い込まれていくのを目の当たりにすることになる。稀に発生する「イナゴの大群」なので、そういうのに巻き込まれてしまわないように来店は21時前が望ましい。

米の銘柄は時期によって変わります

さてそんなお店だが、オフ会として数名が集まった。

やっさん、Cofyさん、わたし。さん、そしておかでん。

6日前に「故郷味オフ」で狗肉を食べたばかりだというのに、なんで二週連続で・・・と我ながら思うが、日程調整の余波だ。

本当は「狗肉を食べるオフ」に参加したい人の日程を調整していたのだが、都合が付く日というのが二派に別れてしまった。片方の日程希望の方にご免なさいまた今度ね、とばっさり切り捨てを敢行する勇気が無かった自称・良い人のおかでんは、「だったら二週連続でオフやって全員救済すればいいじゃん」という事にしたのだった。

頭いいなお前。いずれ、将軍様から「屏風の中に入っている虎を捕まえてくれ」って依頼がくるんじゃないか?

ただ、さすがに二週連続で狗肉はうれしくないので、じゃあ後日程の方のオフは「ごはんcafe」にするべえ、となった次第で。

幸い、参加者の一人「やっさん」はお酒が飲めない。これまでも、「いや全然気にしなくていいですよ?私はジュース飲んでますから」と平気で飲み会オフに参加しており、酒飲んだ奴と均等割り勘になっても全然厭わない聖人君子ではあった。しかし今回はラッキーデー。われわれ飲み助は酒飲んでるんで、やっさんは心おきなくご飯食べちゃってくださいよモウ、と。

なおそのお米だが、月替わりで銘柄が変わる。われわれが訪れた2010年5月は、宮城県産の「ひとめぼれ」だった。「ごはんcafe」を標榜するなら、利き酒みたいにご飯の食べ比べができればいいのにね、と思うが、そうするとご飯の廃棄ロスが多くなるのでやらないのだろう。また、優劣をつけるかのごとき「利き飯」ってのは気に食わん、と各地のJAから非難が出るからかもしれない。

いずれにせよ、自信がある上手いご飯を食べさせていただければ、それで満足です。

なお、このお店では「白米」の他に「雑穀米」が選べるのだが、大抵品切れになっており、過去にお目にかかったことはない。しかし、せっかくおいしいご飯が食べられるのだから、わざわざ雑穀米を選択する必要はないと思う。

料理選びに難航

メニューはCDを保存するためのバインダーを利用していて、こちらもおしゃれ。ただし、サイズの関係で1ページあたりに記載できるメニュー数が非常に少ない。そのため、ページをあっちこっちめくらないと全体像が理解できず、品定めに大変苦労する。

さらに、レギュラーメニューとは別に、短冊状の紙に手書きでかかれた「本日のメニュー」というのも渡されるので、それらをまんべんなく見ながら、何を頼むか検討しなければならないのだった。

ここで結構手間取る。いつもそうだ。おかでん一人で来たときがまさにそうだったのだが、それはてっきり「有限の自分の胃袋サイズと相談しなくちゃいけないから」吟味するためだとばかり思っていた。しかし、人数が増えても状況は大して変わらず。頼みたいものを適当に目に付いた順にばーっと頼んでしまえばいいのに。

これには訳がある。というかおかでん、宴席の途中で気がついた。これは参加者からも賛同が得られた意見なのだが、とにかくこの店、「ご飯をおいしく食べさせる」ための料理に徹底しているのだった。だから、全部同じ方向性・・・即ち、お茶碗の中の白米を引き立たせるための脇役・・・であり、メニュー数の割には「とりあえずここら辺頼めば文句はあるまい」という決定打に欠けるのだった。

「決定打に欠ける」と書くと批判的に読めるが、そういうわけではない。ご飯を食べるという観点からは非常に正しいので、よくぞここまで絞り込んだもんだぜ、と思う。

居酒屋に行ってみ?「じゃあまず、揚げ物のジャンルから・・・ごぼうスティック。あと、串焼きのジャンルから、串焼き盛りあわせ。それから魚でほっけ。サラダもいる?ああそう、だったらシーザーサラダを」なんて、各ジャンルからとりあえず一品ずつくらい選ぶじゃないですか。そういうジャンル分けがこのお店の場合は存在せず、あるのは「ご飯に合うおかず。」以上。こういうところでお酒を飲む機会なんてなかなかないので、さあて選択に困ったぞと。

日常的に清酒を飲んでいる人なら、塩辛だけで十分だぜ、なんて悟りの境地だろう。しかし普段もっぱらビールばっかり飲んでいるおかでん含めその他の皆様は、さてどうしようと一瞬躊躇するのだった。たこわさとか塩辛で一献やるのがいいというのは分かっている。頭では分かってはいるのだけど、でもなんか口寂しいよね、と。

さらにこのお店でオーダーを戸惑わせるのが、単品メニューがずらりと並び、「ご飯セットは+350円」というシンプルな組合せになっていないということ。もちろんそういう頼み方もできるのだが、メニューの多くが「定食」としてお盆内で完結してしまっている。そしてその定食のメインディッシュは、単品メニューにはない。さあここで悩め悩め。定食メニューを頼んで、ご飯とみそ汁はお酒を飲まないやっさん専属にし、おかず類は酒肴にしたほうがいいのか・・・とか、考えだすときりがない。

また、定食類には単品でも頼める「おばんざい三品」が大抵付いてきており、だったら単品でおばんざいを頼まない方が・・・とか。

なんだ結論出てるじゃん、YOU、とっとと定食頼んぢまいなYO!となりそうだが、この定食のお値段が大抵1400円とか1600円とかであり、ぱらぱらっとメニューを見ている限りだと「高い。スルー。」となってしまうのだった。定食の中身を詳しく吟味してりゃ、この値段でも妥当性があったのかもしれない。しかし、とっとと注文しなくちゃいけないという状況下において、そこまで冷静な吟味と判断はできんて。

清酒がいろいろあって、一杯380円

このお店、清酒だけで10種類が用意されている。いっぱい380円で、量は1合弱といったところ。とてもお安い。しかも奇を衒った銘柄ではなく、既に一定の評価がある有名酒蔵のものであり、かつ純米酒以上のグレード。これで380円とは、日本全国の清酒ファンが泣いた。

ワイングラスで供されるのが面白い。cafeのイメージを考えて、お猪口と徳利で飲むのではなく洋風を取り入れたのだろう。お酒を並べると、微妙に色が違ったりしていて、それを見るだけでも楽しい。

Cofyさんが大の清酒好きだという事なので、おかでんと二人で清酒を頼んでいくことにする。方やわたし。さんは本日二日酔いのため調子わるし。珍しく梅酒を注文していた。こちらはウィスキーグラスに、オンザロックで出てきたので、「うわなんかウイスキー飲んでるみてぇ。女性が、しかも1杯目からすげー」とおかでんから言われた。

ちなみにビールは相対的に値段が高い

ちなみにこちらは、別の日におかでんが頼んだ生ビール。確か650円だったと思う。なんじゃそりゃあ、というくらい高い。あと、グラスも非常に素っ気ない。

多分、このお店自体、ビールに対して素っ気ないんだと思う。うちは居酒屋じゃねぇんだ、というわけか。米食え、飲むなら清酒飲め、と。清酒が380円という廉価なのに対し、ビールの値段のギャップが凄すぎる。

このお店はcafeを名乗っているだけあって、「お通し代」は発生しない。しかし、お酒を頼むと突き出しが出てくる。蕎麦屋の突き出し同様、これには追加料金は発生しないというありがたい配慮。

で、出てくるのはコメッコ。これは毎度変わらないので定番らしい。コメッコとは、グリコが出している米で作ったスナック菓子。煎餅・・・とはちょっと違う。おにぎり型をしているのが特徴。

突き出しにも米を使う徹底ぶりには好感。

ごはんセットA350円

やっさんはもちろんごはんとおみそ汁。この店はご飯とおみそ汁のおかわりが無料なのが凄い。酒飲みどものチンタラした飲食ペースでは間が保たない、という下戸の方も安心。

写真は「ごはんセットA」、350円。

単品おかずメニューにこれをつけて定食形式にすることができる。

いっぱい目からご飯の量は多い。飲みのシメ、として考えていると、思わぬご飯の量に圧倒されてしまうので注意。
でもよく考えたらコレ、松屋の牛めし並(おみそ汁付き)よりも高いんだよな。それを考えると大層ぜいたくなごはんセットだ。

ちなみにこれに「おばんざい三品」が付く「ごはんセットB」は600円。おばんざいが単品で450円することを考えると、ごはんセットBは相当お得になる。というかお得すぎて、この価格の根拠が揺らぐんですけど・・・。あんまりお得だと、逆に客の信用を失うので注意。

「うちのみそ汁は、出汁中心で、みそは色をつけて味をちょっと付ける程度の薄味」というわたし。さんがこのおみそ汁を一口飲んで「辛い」と言っていた。

やっさんは「いやでも、ご飯とみそ汁で食事として完結できるようにしたと考えればこれくらいの味でも良いのではないか」とお店側をフォロー。おかでんも、おみそ汁ってそういうものだと思っているのでやっさんに同意。どうやら、がっつり飯を食うぜという人と、ご飯は少々・おかず中心の食事という人とでは、みそ汁に求める塩分濃度というのは違うらしい。

こういう話ができるのも、ごはんcafeのメリットだ。多分、企画運営している側も、ご飯のある食卓でいろいろ話題に花咲かせて欲しいと思っているだろう。

おばんざい

本日のおばんざい三種。450円。

なぜか四種類盛られている。多分、このお店は「3までしか数の概念がなく、それ以上になると『いっぱい』と表現する先住民族」が運営しているに違いない。実際はJAだけど。

定食を頼むと必ずこのおばんざいがついてくるし、ごはんセットBにしても付いてくる。また、酒を飲む人は大抵このセットを注文せずにはおれないはずであり、そんなわけで「ごはんcafeの隠れた主役」に鎮座している。

内容は日によって違うようだが、この日は

数の子松前漬け、竹の子土佐煮、梅干し蜂蜜漬け、柴漬けなどのお新香

という組合せだった。日によっては薩摩芋やがんもどきが入っていることがある。「乾燥したワカメが器に張り付いて、箸でこすってもとれない」ような居酒屋突き出しとは次元が違う。憎い組合せで、ご飯食いでも酒飲みでもニコニコのプレートと言える。

ただ、昨年上海や台湾に行った経験を振り返ると、こういうので飯や酒を飲み食いしている日本人って、ホント「質素を旨とする」食文化の国だったんだなと思う。多分、これら中華文化圏の人がこの料理を見たら、「なんて貧乏くさいんだ」って言うに決まってる。その後、「塩辛くて食えねぇ」と続く。馬鹿をいえ、こういう辛い料理でがっつり銀シャリを頬張るのが日本食の美学よ。今、世界で日本食ブーム?いやいやいや、「白米をいかにがっつけるか」というこの日本食スピリットまではマネできていないだろ。

とはいえ、よく考えるとこれで450円って微妙に高いな。1品あたり110円ちょっと、か。

このお店の価格水準を現す、典型的な値付けといえる。この店、ご飯と清酒を除くとどの料理も一般常識的な値段よりもいずれも100円程度高い。

こうやって4人がかりで訪れた場合、おばんざいや本日の酒肴に関しては、二人につき一皿くらいがちょうど良い。飲食スタート直後、さすがにこの少量を前にみんな箸が遠慮がち。「こんなものは早い者勝ちだ!誰も文句は言わぬ!足りなければ追加すれば問題はない!」と煽って、ようやくみんな箸を伸ばす状態に。

おかでんは梅干しを強奪し、余勢を駆って一口で頬張ったのだが、大変に酸っぱくござました。「おかでんは梅干しの食べ方が分かっていない、もっとちびちび食べるものだ」と一同から非難を浴びる。

本日の酒肴

こちらが「本日の酒肴セット四種」(480円)。

おばんざいと違って、塩分濃度が違うぜ、と血圧と戦う気満々。角材を持った全学連を前にし、奮起してやまない機動隊員の心境になった。・・・といういい加減な比喩を使うと、学生運動世代の皆様から怒られるからやめとく。冗談です忘れてください。

この日の酒肴セットは、

いかの塩辛、たこわさ、海苔のつくだ煮、鰯のつくだ煮。

ご飯食いなら、これだけで一体僕ご飯何杯食べればいいの、と笑顔で悩むだろう。多分、アワレみ隊のしぶちょおあたりはそのクチだ。

逆に、普段はビール飲みであるおかでんは、さてどういうペース配分でこれらをつまむのがベストなのか、と思案中。

とりあえず、たこわさで飲んでみる。ううむ、美味いな。

お酒はさすが全国からセレクトしただけあって、美味い。しかも、純米酒だし、よく冷やされているしですいすい飲める。これはいかんな、380円という値段の安さも相まって、どんどん飲めそうだ。そのかわり、おかずってあんまりいらない飲み物なんだな、清酒って。今更ながら知ったよ。その点ビールって、飲み物自体の値段は高いし、塩や油の料理とやたらと親和性が高いし、あれって非常に財布にも体にも悪い飲み物って気がしてきた。

この調子だったらお店にある清酒全部(この日は10種類)飲めるんじゃあるまいか、ということでおかでんは南から攻め上がって行くことにした。トップバッターは大分の「西の関」。九州で清酒というのは気候風土の関係であまり醸されていない。焼酎文化なのは言うまでもない。しかし、熊本の「美少年」という銘柄が有名なように、大分にも隠れた銘酒有り。味の方向性は美少年に似た、飲みやすくてさわやかなお酒だったと思った。

Cofyさんはこのお酒が気に入ったとのことで、この後西の関を追加で注文していた。おかでんのように「とりあえず全種類飲んでみないことには」という、スタンプラリーコレクター型の生き様とは逆だ。

魚も美味しい

肉も美味しい

写真上は、「本日の焼き魚」として手書きメニューにあったもの。

「めぬけ(あこう鯛)の梅味噌漬け焼き」700円。

写真下は、「豚の角煮」780円。

「さて何を頼むかねえ?」と最初に思案した際、真っ先に(酒飲みではない)やっさんが「豚の角煮!」と宣言したという一品。それまでは、「ここに来たからには和食系を頼むんだろうな」と勝手に頭の中でイメージを作っていたので、角煮という、和食とはいえ肉肉しいメニューが出てきたのでちょっとびっくりした。

そうか、そうだよな。もっと自由な発想で、頼んでもいいもんな。

こういう場にいると、「そうか、そういう頼み方があったか」と感心させられると同時に、自分の考えがいかに凝り固まっていたかという事に気付かされるので良い。大変に勉強になる。

ちなみにおかでん、「なるほどねえ」と感心ばかりしていて、結局この角煮は食べそびれた。「和食における角煮と、沖縄のらふてーと、中国のトンポーローの違いについて」なんて話をしているうちに、肉片が皿から消えていた。あらー。「中国の八角の匂いは嫌い」なんて挑発する発言があったので、「いやあれはアレでいいデスヨ?」なんてしゃべっていたのがいかんかった。

それ以前に、テーブルの対面に料理皿があると大変に箸を伸ばしにくかったのも事実。なにせ、清酒が足の高いワイングラスに注がれている。腕を伸ばした時にひっくり返しそうで危ない。まあ、おかでん自身は目の前の魚と酒肴で清酒征服のため着実に日本列島北上中。

納豆もたまらないものがあります

TKG!TKG!

酒飲みどもが日本列島を千鳥足で迷走しながら各地の銘酒を頂いている間、やっさんは宮城県にひとめぼれ。ご飯のおかわりを重ねていた。

おかずでご飯というのも大層美味いのだが、そろそろ変化球が欲しいということでご飯そのものの味つけに着手。

最初は、国産納豆(写真上)、100円。次は国産赤玉子(写真下)150円。

なにせおかわり自由のご飯だ、食べたい人には味つけには不自由させないぜ、とばかりにいろいろなパターンがあります。さすがに「ふりかけ」というのはお店として商売にならんと思ったのか、取り扱ってはいなかったが。

カツも揚げ具合が上手

蒸し餃子など

本当はこの後、蒸籠蒸し野菜なんぞを注文しようと思っていたのだが、これまでが塩辛やらおばんざいやらあまりに渋い注文だった。もう少し派手目のやつにしようや、となって、「燦然豚のロースカツ」なるものを頼んでみた。写真左、750円。本当は「本日のお勧め御膳(1,380円)」という位置づけだったのだが、単品注文もできるということだったのでお願いしてみた。

燦然(さんぜん)豚、なるブランドはまったく知らないのだが、どうやら岩手県のものらしい。他と比べてどう違うのかは不明。ただ、調理法がよく、細かめの衣でかりっと揚がった料理が届けられた時は一同歓声をあげたくらいだ。うまそう。実際、美味かった。

・・・豚肉の味?いや、美味かったんですけど、衣の美味さに気を取られちゃって、コメントできんです、はい。あいすいません。

豚カツも今や和食のカテゴリに入るのだろうが、やっぱり「油でパン粉を揚げる」というこの食感は素晴らしい。それまでが、たこわさとかつくだ煮とかでまったりしていたので、この変化球は素直にうれしかった。そして、案外カツでも清酒は飲めるモンだと再認識。

アルコール臭くない純米酒をよく冷やして飲むと、案外いろんな料理に応用が利くぜ?今日はそれが発見だった。

いままでもさんざん清酒は飲んできたけど、小さなグラスまたはお猪口で、和風デザインの居酒屋で、小難しい顔してちびちび飲んでたもんな。ワイングラスを器に採用したのは、新しい試みとして正解だったと思う。

写真右は、名前は忘れたのだが生餃子とシュウマイの蒸籠蒸し、みたいな料理。560円。シュウマイをせいろ蒸しするのは分かるのだが、生餃子って何だよって気になって注文。ちなみにこれを頼んだのは、梅酒を飲んでいる最中のわたし。さん。ううむ、面白いもんで、清酒飲んでいる時とそれ以外のお酒を飲んでいる時では、目をつけるメニューの質が違う。そもそも、清酒飲みどもはあまり食事に箸を伸ばしていない。

さてその蒸籠蒸しなのだが、なるほど名前のとおりの蒸籠蒸しですね、という内容。そりゃこういう料理になるわなあ、と今更ながら一同納得。「生餃子」っていったって、蒸せばシュウマイみたいなものだ。それだったら、表現をそろえるためにシュウマイにも「生」をつけるべきではないか、と思うが、それは言うまでもないって事なんだろう。ホカホカの蒸籠の中から焼き餃子が出てきたら相当びっくりだが、そういう勘違いを防ぐためにわざわざ「生餃子」という名前にしているのだろう。

スパークリング清酒もあるぞ

若干濁りのある、軽やかなお酒

体調不良のため、一人梅酒を飲んでいたわたし。さんだったが、今度は米の発泡酒を頼むという。あくまでも体調重視で清酒は忌避するようだ。その割には、オフ会当日になって飛び入りしてきたという謎な行動パターン。

注文したのは、奈良の「春鹿」が出している「ときめき」というお酒。さすがに発泡酒なので、グラス売りはせずにボトルで。300mlで1,000円なので他のお酒と比べると随分高い。こればっかりはJAの意地をかけて安くするということはできんかったらしい。

小さなグラスに注いでみると、若干白く濁っていることがわかる。飲み口は炭酸のせいでとてもさわやか。

「ああ、これなら公式行事のときの乾杯に使えるねえ」

と感心した。

ただし、スパークリングワインのように黄金色に輝くでもなし、泡も細かいものが一筋しゅしゅしゅと上がる、という美しさがあるわけでもない。それを踏まえれば、シャンパンが乾杯に多用されるのはよくわかる。

ろどりげすさん遅れて登場

もう一人、飛び入り参加あり。

先週の狗肉オフの際に初参加だった、ろどりげすさんが二週連続の登場。わたし。さん同様、先週オフ参加者が連チャン登場でそろった。企画した側としては光栄なことです。
さて、遅れてきたろどりげすさんだが、単品でたこわさび、イカの塩辛、本日の焼き魚を頼みつつお酒を楽しんでいた。彼は山形の「大山」が気に入ったようで、3杯立て続けに飲んでいた。

他には、写真はないがしらすおろし、あさりつくだ煮など100円-150円の小鉢なども頼みつつ、酒飲みたちは飲む。

結局このお店、定食などを頼むと相当お高くつくのだが、お酒+酒肴となる小鉢+最後のシメにごはんセット、とやれば案外安いのだった。このバランス感覚がよくわからない。

食わず嫌いが治ったかもしれない

ラストオーダー時間は事前に確認してあったので、米食いであるやっさんに「せっかくだから土鍋炊きのご飯を頼むといいですよ。あれは、オーダーストップ直前に頼んでも『今日はもう終わり』と断られるので、早めに頼んだ方が良いと思いますよ」と入れ知恵してあった。

それを踏まえて、ラストオーダーに十分に余裕を持って、土鍋ご飯(単品500円)を頼んでみたのだが、やっぱり「今日はもう終わりました」とのコメント。おい、どうなってるんだそれは。

「恐らく、普通に炊いたご飯が相当余っていて、そっちをできるだけハケさせたいもんだから、土鍋ご飯はオーダーストップにしちゃってるんですよ」

なんて邪推をする。だったらそれはそれで、土鍋ご飯はもう終わりです、と告げるべきなんだけどね。この辺り、オペレーションの細かいところにアラがあるのがごはんcafeクオリティ。

おかでんがお手洗いに行ってから席に戻ってみると、「きいてくださいよおかでんさん、わたし。さんがこのお店を根本から否定するような暴言をさっき吐きましたよ!」と笑いながらのちくりが入った。

「何だろうそれは。メニューにカレーがあるから、私はご飯じゃなくてナンで食べさせろと言ったとか?」
「あー、ほとんどそんな感じです」
「私、ぶっちゃけご飯あんまり好きじゃないし」
「おい!」
「いや、おかゆさんは好きですよ?でも白いご飯はそれほど好きじゃないんで」
「何を言うかねキミは。温泉旅館に泊まった時のことを思い出せ。朝起きて、ああ昨晩はちょっと飲み過ぎたかな、なんてむくんだ顔で朝食会場に行ったら、白米としじみのおみそ汁があったときの幸福感!」
「えー。クロワッサンでいいです」
「貴様。東横インかどっかのビジネスホテルに行って、ロビー脇にある無料朝食コーナーでパンかじってなさい」

そんなわたし。さんだが、ラストオーダー時に頼んでおいたごはんを頬張り、

「あ、うめ!」

と思わず口走っていた。そりゃそうだ、米は確実にうまいんだから、この店。

「でもやっぱりパンの方が好き」

とか言い出しそうなので、「ご飯とパン、今の貴女はどっちの心境?」なんて突っ込んだ話をするのはやめておいた。

この日飲んだお酒一覧。純米吟醸とかそういうグレード表示は割愛。

一乃蔵、西の関×3、浦霞×2、嘉美心×2、澤ノ井×2、大山×4、司牡丹、真澄、春鹿、新政、春鹿ときめきボトル、造り酒屋の梅酒。

お会計総額は5名で13,311円だった。途中参加した人や、酒飲まないでご飯をおかわりしていた人がいるので、一律に頭割りした金額がこのお店のポテンシャルというわけではない。一人や二人といった少人数でお店を訪れた場合、ついついあれこれ頼んでしまい、案外高くつくこともあるので注意。会話を楽しみつつ、その間に小鉢の酒肴をちょいとつまみ、軽く飲む・・・それができればコストは押さえられる。ただし、一人で行くと、間が保たないのでついつい飲み食いしすぎて金額が跳ね上がる。

【おまけ】

究極のごはん御膳

このオフから遡ること数カ月前に、おかでんは単身このお店を訪れている。その際、どうしても目に焼き付いて離れないメニュー「究極のごはん御膳」を頼んでみたので巻末付録?として報告しておく。お値段は1,600円。相当高い。こんな値段をつけていたら、海原雄山に「女将を呼べ!」と言われそうだ。

お盆の上に乗っているのは、焼き魚とちょっとしたおかず類、そして納豆、生玉子、おみそ汁。醤油ボトルが一瞬「これもおかずの一つか?」と勘ぐってしまうくらい、シンプルなおかず類。

でも、値段の問題はおいといて、うまい飯を食え、というコンセプトならこれくらいのおかず類で十分なのだろう。そう解釈しよう。

土鍋でご飯なのだ

この料理が「究極の」と大仰な名前を名乗っているのは、おかずに自信があることもさることながら、ご飯が客前で炊かれる土鍋ご飯だからだ。

目の前で七輪のようなコンロに土鍋がセットされ、ガスストーブが点火される。20分だか25分だかで自動的に火は消えるので、後は店員さんがしゃもじでご飯を混ぜ、5分ほど蒸らして完成。「いいか、その間にちょっとでもフタをあけたらぶっ飛ばすぞこの野郎」と店員さんに脅される。究極に怖い。・・・というのは冗談だが、着火されたが最後、あとはでき上がるまで店員さんにお任せ。

今回のオフ会で気がついたのだが、これ単品で500円、という注文も可能。1,600円の「究極のごはん御膳」におけるおかずパートは1,100円という計算になる。そりゃどう考えても割高ではないか、と思うなら、単品で土鍋を頼み、あとは好きなおかずをこれまた単品で組み合わせるのが良いと思う。

ご飯が炊けたよー

でき上がり。

このでき上がりを待っている間、待ちきれずにおかずを食べてしまい、いざご飯が炊けた時点で「さて・・・どうしたもんか」という事になるので注意。土鍋ご飯を頼む場合は、場つなぎ用のおかずを別途用意した方が良い。

これが銀シャリっすか、と感嘆するご飯の仕上がりであるよ。つやつやと美しい。味もこれまたよろし。

ただ、あまりに瑞々しく(水っぽい、という意味ではない)、おかでんは「もう少し時間が経ってこなれたご飯の方がむしろ美味い」と思った。これは好みの問題。ご飯の固さうんうんで趣味嗜好って大きく分かれるからな、日本人の場合。

いずれにせよ、おかずは既に食べてしまっており、手元に残っているのは生玉子と納豆。どっちもご飯の上に載せてしまうタイプのものであり、せっかくのご飯の味が誤魔化されてしまって、大変に勿体ないと思った。

値段はさらに上がるが、2,200円の「究極の小箱重御膳」の方がご飯を楽しめるかもしれない。こちらは、四段重におかずがいろいろ入っている。納豆や玉子はない。おかずでご飯を、という向きにはこっちが正解かも。

そんなわけで、ご飯には普段見向きもしないおかでんでさえ「おおっ?」とチラ見したあと、ガン見してしまうようなご飯がおいしいお店。価格相応の満腹感と満足感を得るにはちょっとした工夫が必要だが、それでもこういうお店は貴重な存在だ。今後も、機会があれば飲みの場としてだけでなく、食事の場としても使っていきたい。

ただ、難しいんだよな・・・「飲んで、食べて、最後のシメまで完結できるお店」としてこのオフに臨んだんだけど、結局オフ時点では会話に夢中になっていて、あんまりおなかが空かなかった。で、家に帰った頃になって急におなかが空いてきた。結局、家帰った後ラーメン食べちゃったよ。ダメじゃん。

(2010.05.13)




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