イスラム中華を食べまくる

東京ムスリム飯店外観1

これだけネットが発達し、人々が日々膨大な情報にさらされていると、少々の情報じゃ「おや?」とは思わなくなる。「これ、ちょっと興味あるな・・・」と思った情報でさえ、すぐに別の情報に上書きされ、そっちに気を取られているうちに忘れてしまう。だから、「おや?」と目を惹くようにする「工夫」というのは何にせよ大事なことだ。

飲食店の店名も、しかり。

食べログなどでざーっとお店を検索する人にとっては、旨そうな料理の写真なんかより、怪しい店の名前の方がよっぽど興味深い。思わずクリックしてしまう。そんなお店が、錦糸町にある「東京ムスリム飯店」。


お店の看板

なんだこの店名。

いや、何らおかしいことはない。中国にだって回教信者は沢山いるわけで、そういう人たちが食べている料理をここ日本で提供したって、全く問題ない。

しかし、これまで「中国における回教」という概念を意識したことがなかったので、ちょっとびっくりした。面白いなあ、そんな人向けの料理店があるのか。

イスラム教といえば、言わずと知れた「豚肉は禁忌」の宗教だ。一方、いわゆる一般的な中華料理というのは豚肉を愛してやまない世界観。豚肉というエース級食材を欠く中華料理というのはどうなってしまうのか、気になる。肉食禁止を信条とする台湾の「素食」のように、「もどき料理」で迎え撃つのか、それとも別の肉を使うのか。

気になったので訪れてみた。錦糸町駅から徒歩5分程度。

店頭には、当たり前のように「ハラールキッチン認証店」の文字が。

メニューの数々1

メニューの数々2

なるほど、羊肉がよく使われるんだな。このあたり、ケバブなどの中東料理と似てくるのか。羊肉大好きな僕にとっては渡りに船だ。大歓迎!

東京ムスリム飯店店内

お店は階段をおりた地下にある。中に入ると一斉に中東系のお客さんたちがこっちを見たので、思わずたじろいでしまった。すっかりアウェイ感あり。日本人かな?と思ったお客さんは中国語を喋っている。日本人ではないようだ。

店内には、大陸の人が経営している中華料理屋にありがちな、甘ったるいチャイニーズポップが流れていた。なんだか不思議な世界。

お品書きには羊が多い

中国人経営による中華料理屋はメニュー数がやたら多いのがお約束だが、ここでもそう。アルバムみたいな冊子に、料理がびっしりだ。メニューに番号が振ってあるのも定番。

この日は休日で、お得なランチメニューはやっていない。レギュラーメニューから頼まなくてはいけないので、分厚いメニューをざっくり眺める。なにせ中華だ、大皿料理が基本なので、目移りするからといってあれこれ頼んだらとたんに喰い地獄になるぞ。

メニュー構成は、四川料理を主としたお店と類似している。辛いもの好きである僕にとって、四川料理!アンド好物の羊!というメニューは血湧き肉躍る。いいねこのお店。

釜飯とスープ

そんなわけで、ムスリムに敬意を表して(?)、「ラム肉入り釜飯」と「羊もつのスープ」を頼んでみた。釜飯って時点で、なんかもう和テイストで何がどうなってるんだか。で、実際にテーブルに運ばれてきたのは、固形燃料で熱せられてフツフツいってるお釜だもんなぁ。中に鶏五目ご飯が入っていてもなんらおかしくない。

羊釜飯と羊スープ

スープも固形燃料で温められており、ダブル固形燃料!こりゃまるで豪華旅館料理のようだ!と勝手に自分自身を鼓舞しつつ、箸を伸ばす。

おう、いいねこれ。ラム肉じゃなくてマトンらしい。羊肉ならではのくっさい癖のある風味が、むしろたまらんです。ご飯にしみこむ羊臭さ。日本人の感性からすると到底お上品ではないけど、でもそれがいい。で、お口直しにスープを含むと・・・これもまたくさいんだわ。そこまで臭いってわけじゃないんだけど、そりゃもう、羊の内臓肉ですから。

うひゃひゃ、と笑いながら全部食べた。一人で食べるには結構な量だったので、お腹いっぱいになったぜ。

平日ランチはお得

翌日、再度このお店を訪れてみた。今度は平日だ。二日連続同じ店を訪れるだなんてよっぽど気に入ったのか?と思われそうだが、実は本番は今日の方。前日は下見という位置づけだった。

このお店、平日ランチは唐揚げ、麻婆豆腐、サラダ、漬け物、杏仁豆腐、スープ、ライスが食べ放題になるという話を聞いていた。それを実際食べてみようというわけだ。

ライスおかわり自由、というのは中華料理店ではさほど珍しくないのだが、唐揚げとか麻婆豆腐が食べ放題というのはちょっと不思議だ。唐揚げも麻婆豆腐も、僕の10本の指の中に入る好物なので、こんな極楽あって良いのだろうか?そんなに世の中都合が良いわけがないぞ、と気を引き締めながら、お店を訪れてみた。

店頭の黒板

ああ、確かに。休みの日だった昨日にはなかった黒板が店頭に出ており、平日ランチをやっていることが窺える。サービス定食4種類、麺類・飯が5種類。これを選べば、あとは唐揚げなり麻婆豆腐なり食べまくってくれ、というわけだ。ひゃっほう。

セルフサービスランチメニュー

店内のメニュー。「何回でもおかわり自由!」と書かれているのがインパクトあるぜ。ビシビシと「お前はどうせモジモジして、追加おかわりしていいか不安になるんだろう?」と足元見られてる感じがする。はいその通りです、でもこうやって予めご配慮いただき、ありがたいです。

何にしようかと思ったが、こういうときは一番安いメニューを頼んでこそ、お得感をより強く実感できるというものだ。750円(外税)の肉と野菜炒めを頼んでみた。

肉と野菜の炒め

しばらくして届けられた、肉と野菜炒め。このお皿一つだけをごとり、とテーブルに置いて店員さんは無言で去っていった。箸も、その他お皿も何一つない。そのあたりは全部セルフでやれ、というわけだ。潔くてとても良い。なんなら、この料理が出てくる前に、勝手に鶏の唐揚げや麻婆豆腐で飯食い始めててもいいぜ、ということなのだろう。

この手の肉野菜炒めは、店によってはもやしばっかりでとてもがっかりすることがあるが、このお店はいろいろ野菜が入っていてよろし。さて、「おかわり何回でも自由」の料理を取ってくるか。

セルフサービスの料理

というわけで取ってきた料理。いや、取り過ぎだって。お昼ご飯だぞ?

思った以上に皿が大きく、麻婆豆腐を最初に入れたまでは良かったのだが、そこから先が困った。隙間を作るのはなんだかもったいないので、鶏の唐揚げをみっちり積み上げただけでなく、そんなに食べる必要のないザーサイまで沢山盛りつけてしまった。僕が激しくザーサイ好きだから、というわけではない。単にスペースの問題だ。

これで750円+税

で、これにご飯と羊もつのスープ、それに杏仁豆腐とマンゴープリンを足して、本日のお昼ご飯の完成。いやこれはすごい。しかも鶏の唐揚げとかはおかわり自由だし。

気がついたら、この日のお昼ご飯はスープを除いて全然ムスリムではなかったな。でも、がっつり食べる事ができたので大満足だ。今後も、腹が減ったら訪れたいお店。

(2015.04.27)




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