500円で食べ過ぎを買う

「#0163 500円居酒屋ランチの実力」で、税込み540円の居酒屋ランチを紹介した際、同様の激安ランチ提供店として「さくら水産」を紹介した。

500円居酒屋ランチの実力
御徒町の裏道を歩いていたら、「居酒屋釧路」というお店を発見した。昼間だというのに、赤ちょうちんの明かりが灯っている。おや、ど...

さくら水産は東京都心では結構メジャーなチェーン居酒屋だが、日本全体で見ると局地的な存在だ。21世紀初頭、「全品290円の居酒屋」など激安居酒屋が隆盛し衰退していったが、そのブームがくる前に「安く飲める店」として目立つ存在だったのが、この「さくら水産」だ。一時はかなりの店舗数があったようだが、今では首都圏と京阪神、愛知県だけの展開に縮小している。

もうこのお店について詳しく説明すると、だいたい都心の雑居ビルの地下や上層階に店を構え、家賃を安く抑えている。また、昔はテーブルに紙と鉛筆が用意されていて、注文はこの紙に書いて店員さんに手渡すスタイルだった(今はタッチパネル式の端末)。店内には、吉野家を彷彿とさせるU字型のカウンター席があるのが特徴で、一人客または二人客くらいなら、このカウンター席でさくっと飲むことができる。もちろんお座敷席もある。お酒も料理も安く、海産物系で今日は気軽に飲みたい・・・と思ったときには手ごろなお店だった。

恐るべきはこの激安居酒屋、銀座3丁目にもお店を構えている。いくら地下深く階段を潜った先にあるお店とはいえ、地価が高い銀座に似つかわしくない業態で、むしろ「銀座で安く飲みたい」ときには重宝したものだ。でも、お店単体で見たらあんまり儲かっていないと思う。固定費がかかりすぎるからだ。

店頭看板

このお店に、コアなファンがついているのは夜の部だけではない。今日の本題、500円ランチが提供されるということで一部の人から熱狂的支持を受けている。2ちゃんねるには専用のスレッドが立っていて、毎週さくら水産の公式webサイトに公開される一週間のランチメニューで一喜一憂している。

ここで言う「500円」とは、税別500円などという生ぬるいものではない。額面どおり、きっちり税込み500円だ。これぞワンコインの鏡。お釣りも出やしない。店頭にはランチ専用の自動食券機があり、そこでランチの食券を買って店内に乗り込む。ちなみにランチは平日限定であり(店によっては土曜日もやっているところがある)、オフィスの近くにこのお店があればラッキーだ。

本日の日替定食

ランチメニューは毎日必ず日替わりでAとBがあり、そのどちらも500円。このほか、固定メニューとしてさば味噌煮定食(580円)、刺身定食(680円)があり、サイドメニューとして「奴」「野菜サラダ」「梅干」「納豆」が60円~150円で存在する。このお店を訪れる人は、やはり激安でメシを食べたいと願っているわけであり、殆どの人が日替わり定食AまたはBを食べているように見える。サイドメニューを頼むなんて、どこの金持ちだ!?という気になる。

というのも、この日替わり定食の売りは、そのお値段だけでなく「食べ放題」であるからだ。店頭には誇らしげに「ごはん・おみそ汁おかわり自由!」「板のり・生たまご・お新香食べ放題!」と書かれている。居酒屋ランチは男性客が多いこともあって、割とこの手の「ご飯食べ放題に付随して生たまごもおかわり可能」というところがある。

しかし、このお店が他店よりも素晴らしいところは、これらのおかわりがセルフサービスだということだ。「居候 三杯目には そっと出し」という句があるように、度重なるおかわりというのは恥ずかしいし、はばかられるものだ。でもセルフサービスならその遠慮がいらない。盛りたい量を盛りたいだけゲットし、おかわりしたいだけすればよい。ご飯だけでなく、玉子ものりも、全部そう。ランチバイキングだ!と思えば、ちょっとは贅沢な気分になれる。バイキングと呼ぶほどのものではないのだけど。

まだ僕がやんちゃだった頃は、ここでご飯を3回はおかわりしていたものだ。どんぶりに近い、おおぶりなサイズのおちゃわんに山盛り。そしてソイツをスムーズに食べるための、生たまご。おかわり1回につき、生たまごは2個がデフォルトだ。

「最初の一杯目はシンプルな白米。二杯目には海苔。三杯目は生たまごで・・・」なんていう「ひつまぶし方式」を試みたことがあるが、あんまり意味はなかった。遠慮せず、最初から生たまごいっちゃえばいいんだよゥ!TKG(たまごかけご飯)に海苔とお新香乗っければ最高ォォォゥ!ということで。変に遠慮されても、さくら水産としては不本意だろう。ガッといっちゃってくださいよモウ、と思っているに違いない。

さくら水産日替定食A

この日の日替定食Aは、「カツオのたたき玉葱風味」だった。食券機で買った食券をそのまま店員さんに渡すと、冷蔵庫からカツオのたたきが乗ったお皿を渡してくれる。あとは自分でやれ、というわけだ。ご飯をどれくらい盛ろうか、お新香は塩分を気にして控えるか、それともガッといっちゃうか、自分のさじ加減。

玉子、2個とりました。海苔、2袋とりました。多いんじゃないかって?いやだって、ご飯の量を結構盛ったので、これくらいいっとかないと。おかず自体はさほど多くないので、あとは周辺系の食べ物でいかに飯を食らうか、これに尽きる。おかずはあてにしちゃいかん。

そもそも、玉ねぎの姿がない。あれっ、玉ねぎのかわりにわけぎが乗ってるぞ?と思ったが、そういえばメニューには「玉葱風味」って書いてあったっけ。玉ねぎが乗っているとは一言も言っていない。「風味」だけだ。OH、なるほど。

おかでん42歳、コイツでご飯をしっかり2杯食べた。生玉子は4個、海苔は4袋。お新香も同じ量だけおかわりした。喰ってやったぜ。

しかし、いざ満腹になってみて思った。なんだか無理矢理腹一杯になりました感があって、充実感とはちょっと違う気がする。あれっ?昔は何の疑問も抱かずに、ひたすらご飯を食べていたのに。

これが加齢、ってやつなのかもしれない。「折角腹を満たすなら、ご飯をおかわりではなくてもうちょっと違うもので・・・」と考えるのは、決して間違っていないと思う。しかし、そういう「ありふれた発想」に自分が落ち着いてきているのが、なんだかちょと悔しい。

悔しいので、近々自分に罰を与えなくては。わんこそば、今年中にチャレンジしてみようと思う。ひたすら同じものを喰って喰って、喰いまくってみよう。




ソーシャルリンク

広告