2017年04月07日 1日目

水を張ったトレイの上にフタをかぶせ、種を植える準備をする。
種を植えるべき場所、というのはマニュアルにちゃんと指定がある。逆に種を植えないところには育床フタをしておく必要がある。というのも、フタをしておかないと藻の一種であるアオコが繁殖してしまうからだという。
「ウワア!アオコ、おいしそうだよ!」とは多分ならないだろうから、謹んでフタはしめておこう。

水を含ませたスポンジを穴にねじ込み、その上にちょこんと種を載せる。
スポンジは深くねじ込んでもダメだし、浅くてもダメ。下の水槽から水を吸い上げて種に水分を供給できるようになっていないといけないので、高さ調整は大事だ。

というわけで、種植え完了。
GreenFarmの右脇に、なにやら釣りで使う浮きのような棒が見える。これは水位を示すもので、水位が下がってきた時の給水サインとなる。

そして、モードを「発芽」に設定して完了。
このGreenFarmは、タイマー機能によって毎日16時間、LEDが自動点灯・消灯する仕組みになっている。しかし、発芽モードになっていれば、このLED点灯が省略される。芽が出ていない種に対して明かりを照らす必要はないからだ。
発芽モードは、設定から72時間が経過したら自動解除され、自動的に16時間明かりが点灯するようになる。
ちなみにもう一つのモード、「花」だけど、これは鉢植えの花なんぞを愛でる際に使う。GreenFarmをお野菜生育マシンとして使うのではなく、鉢植えを中に入れておく。その際、LEDは点灯しっぱなしになる(はず。使ったことがないのでわからない)。

GreenFarmの側面にはデスクトップPCの背面のようなファンが付いていて、換気をしている。
わざわざケースを密閉するからこんな面倒な機能がついているのではないか、と思うが、密閉することにより野菜に虫が付かなくて済むのは大きい。とくにトマトなどはアブラムシがつきやすいので、フタが常時閉まっているというのはメリットが大きいだろう。

芽が出るまで暇なので、次に何を植えようか検討しておく。
ホームセンターで種を買ってくるのもいいけど、先ほど見た「緑色のコーティングがされた種」を見るとちょっと躊躇する。恐らく、公式サイトで売られている種は水耕栽培に適した魔改造が施されているに違いない。安定して生育させるには、公式サイトで買った方が無難なのかなあ、と思ったり思わなかったり。まあ、あと一ヶ月くらい悩んでみよう。
ちなみに種子は1袋で600円くらい。まとめ買いをすると単価は下がるけど、かなり高い。そりゃそうだ、送料込みだもの。やっぱり、ホームセンターで買ったほうがよさそうだ。
公式サイトで売られている種は、春菊、クレソン、バジル、ラディッシュ・・・といろいろ品揃えがある。これらを参考にしなくちゃ。うっかり、ホームセンターで「スイカの種」とか「大根の種」なんて買ったら、確実に枯れる。
2017年04月08日 2日目

種まきから2日経つと、いよいよ変化が現れた。
ジロジロ眺めていた甲斐があったというものだ。
緑色の種がぱっかり割れているのが見える。種が「あっ、もう芽生えていいんスか?」と即座に状況を理解したっぽい。いいぞ、そのまま育ってくれ。タケノコのように育ってくれ。
2017年04月10日 4日目

会社帰り、家の窓を見上げた時にキモを冷やした。あっ、家の電気が付いている!と。
こいつァ盗人に入られたに違いない。
朝、家の電気を付けっぱなしにした記憶はない。じゃあ誰が電気を付けたのよ、というと泥棒さんしか思い当たる節がない。
やばいなあ、と思いながらおそるおそる家の中に入ってみたら、こうこうと光っていたのはGreenFarmだった。なんだお前か。
GreenFarmの上に乗っかっている、二羽の野鳥こけし(松之山温泉土産)が、「なんだお前、びびってんじゃねーよ」という顔をしている。くっそー。
スタートから72時間が経過したので、発芽モードを終了したというわけだ。ここから先、一日16時間LEDが点灯することになる。
点灯時間やタイミングは手動調整することもできる。しかし、マニュアルによると「生育に一番良いのは1日16時間」だというのでそのままにしておいた。開始時刻と終了時刻は、7時~23時、という設定にしてある。23時にプツッとLEDが切れたら、「ああもうこんな時間か。そろそろ寝る準備を開始しなくちゃ」という自分へのきっかけになるのでちょうどよい。野菜だけじゃない、おかでんも同時に飼育されております。

種はまだまだこれから、といった感じ。全く微動だにしていない種もあり、とても心配だ。
これまでのガーデニングって、発芽してくるまではずっと土の中なので、その様子を見ることはできなかった。しかしGreenFarmだとスポンジの上に種があるので、最高にエロスと言える。隠れるものがなにもない。
2017年04月13日 7日目

一週間も経つと、ちょこんとした双葉が主張してくるようになってきた。
しかし写真左のように、アルファルファ以下の細い茎で、へたってしまっているものもある。やはり種は生き物なので、均一に育っていくわけではない。
ちなみに、このGreenFarmだが、寝室または寝室に近い部屋に置くことはおすすめしない。毎時0分になると、5分程度エアポンプが自動作動するのだけど、これがそれなりの音がするからだ。緑に見守られながら睡眠って素敵ィ!と思うかも知れないが、音のせいで多分睡眠不足になる。
あと、LEDの照明は容赦なく明るい。寝る時間とLEDのタイミングがぴったり合っていればいいけど、そうでなければまぶしくてとてもじゃないが眠れない。海外旅行帰りで時差ボケを治したい人ならば、むしろ適しているかもしれないが。
2017年04月15日 9日目

GreenFarm運用開始から9日目、「ヽ(^0^)ノ」といった感じで双葉が芽吹いている。
いいぞ、その調子だ。がんばれがんばれと声をかける。
頑張ったら、その分僕の胃袋に入る増えるんだ。きれい事じゃないんだ。しっかり育ってくれ。
2017年04月17日 11日目

11日目。まだ芽が出ていない種もある。どうやらこれは「不発弾」だったらしい。
元気がいいやつ、いまいちなやつ、本当に種ごとに個性があって面白い。
土で飼育するのと最大の違いが、この「個体差」がはっきりわかることだ。実は子供の自由研究なんて、鉢植えの植物成長期よりもこっちの方がためになると思う。最後は食べるわけだし、その調理方法についても子供に検討させりゃ、よりレポートが意義深くなる。
2017年04月19日 13日目

GreenFarmを俯瞰したところ。
15粒種を植えて、11粒がしっかり発芽し、残り4粒はなしのつぶてか、生育が著しく遅い。
そろそろ間引きをしなければいけないので、生育が悪いものについては踏ん切りをつけなくては。
2017年04月21日 15日目

15日目に、間引きを行った。
育ちが悪い種とスポンジを取り除き、芽が出ているものは均等に再配置した。この配置方法もマニュアルに載っているので、それに従って行う。
これで、10株になった。
間引きが必要かどうかなんてわからないじゃない!全部育てて、全部収穫しちゃおうぜ!・・・とも思ったけど、後になってみれば間引いて正解だった。アンタ、植物の生育を舐めちゃいけないぜ。
配置換えを行った際、スポンジを引っ張り上げたらずるずるっと長い根っこが出てきてびっくりした。地上部分はまだ若造でも、水面下ではかなり根が生長していたのだった。植物、油断ならねぇ。
2017年04月23日 17日目

17日目。だんだんレタスっぽくなってきた気がする。
どの葉っぱも、豪快にパカーンと葉っぱを広げ、LEDの明かりを最大限取り込もうとしている。27の穴全部に種を植えていたら、既にこの時点でお互いが干渉を始めていたはずだ。
2017年04月25日 19日目

白い部分よりも、緑の部分が増えてきた。
この頃が一番見ていて楽しい時期かもしれない。頑張っている様を眺めるのは、とても心地良い。癒やしになるか?と言われると、正直微妙だけど。
「こいつらはこんなに頑張っているのに、俺ときたら・・・」とむしろ気分が滅入ったりするかもしれん。メンタル不調の人には、ヒーリング効果がある人ない人、はっきりと分かれると思う。
2017年04月27日 21日目

21日目になると、野菜感が十分。
ぱきっとした葉のしなやかさと強さが出てきた。レタス独特の縮れもこの段階であるんだな。
2017年04月29日 23日目

これぞ農園!
一度育ち始めるとあっという間だな、ぐいぐいと成長していく。
2017年05月01日 25日目

25日目になると、容器の半分くらいまで育ってきた。早い早い。1日16時間、強烈なLEDの明かりを絶え間なく浴びせているので育つのが早いったらない。
そりゃそうだ、屋外だったら、曇りの日や雨の日だってあるけど、この水耕栽培にはそれがない。光合成が極限までできる環境を持っている。
さて僕は翌日から4日間、アワレみ隊の長崎ツアーに出かけるために家を留守にする。GreenFarmの場合、プランターの植物と違って水やりの心配がないから気が楽だ。不在にしている間、成長よろしく頼むぜ。
2017年05月06日 30日目

って、うわあ!
旅行から帰宅してみたら、ご覧の有様。もう、容器いっぱいいっぱいだ。
いや、まだ心の準備ってものが。
こんなに成長するとは思っていなかったので、全く収穫後の調理法なんて考えていなかった。ええと、レタスなんだから、サラダにするか、サンチュみたいに焼肉と一緒にして食べるか。どうしようか。
2017年05月07日 31日目

折角ここまで育ったものを刈り取るのは忍びなかったのだけど、一日置いておいたら状況が悪化してきた。
LEDに当たっていない、根っこあたりにある葉っぱが変色しはじめていたからだ。やばい、これは今日ちゃんと収穫しないと葉っぱが傷み出すぞ。今日なんとしても食べなくては。

というわけで収穫。
えっ、こんなに収穫しちゃっていいの?というくらい、ばっさばっさと刈り取った。

で、牛肉を炒めて食べましたとも、ええ。
さすが採れたて、葉っぱの歯ごたえが違う。収穫してわずか10分程度なので、葉がいきいきとしている。
味は・・・雑味がなくて、苦みもなくて、さりとてうま味もあんまりないような。そのまま食べてもさほどうまいもんじゃないな。でも、しゃっきりした食べ応えはとても満足いくものだった。

収穫後のGreenFarm。
葉が密集している中、間引きを行ったので若干バランスが悪い。残りの葉っぱも段階的に食べていかないと。
この日、二回収穫して葉っぱを食べた。
2017年05月08日 32日目

ああ!?
収穫の翌日、えらいことになっていた。
昨日までのしゃっきり感はどこへいったのか、全部くたーっとなっているではないか。起きろ!目を覚ませ!何をやってるんだ!
刈り取られたせいですっかり意気消沈してしまったのか?
野菜ってこういうものなのだろうか?と思ったが、よく観察してみると葉っぱの一部がかさかさに乾燥していることに気がついた。水不足?
フタを取り外して中を覗き込んでみると、確かに水がほとんど無くなっていた。いかん、急いで水を足さないと。
水位フロートが備わっていて、こいつは「まだ大丈夫」と宣言していた。しかし実際は、フロートが水中に育った根っこにひっかかってしまい、まともに作動していなかったのだった。
2017年05月09日 33日目

水を足して2日後、だんだんと倒れていた葉っぱが復活してきた。
2017年05月11日 35日目

そして最新の状況がこちら。完全には復活しなかったものの、一部の葉っぱはピン!と立ち上がった。
こうやってしおれた後に復活する様を見てしまうと、いじらしくて収穫する気がすっかり失せてしまった。このまま観賞用として眺めつつ、しばらく様子を見ようと思っている。
楽しいし、一ヶ月くらいで収穫できるのでお手軽だ。カネがかかる趣味ではあるけど、バルコニーや庭に置いておくプランターと違って在宅中は常に鑑賞ができるといのがいい。これから寒くなるまでの間、いろいろな植物と出会おうと思う。
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