2018年11月15日(木) 4日目
のんびり、しいたけの成長を観察しようと思う。「ああ、今日は少し大きくなったかな?いや、気のせいかな?」とニッコリ微笑みながら、やきもきしたい。そういうのを期待して、この菌床を買ったのだから。
なので、1日目に開封と下ごしらえ、2日目から飼育開始なのでここから先数日間は、放置期間だと思っていた。いきなりニョキニョキ生える筈がない。生えもしないしいたけを、パラパラ漫画のように毎日写真撮影するほど僕は暇じゃない。
と、思っていたら、なんだこりゃー。

4日目朝、つまり飼育開始から実質3日で明らかにこれまでと違う状態に。もう、しいたけの笠の部分が大きく膨らんできているんですが、これは気のせいではなさそうだ。
いや、待って待って、まだ早いって。心の準備ってもんが。
家に菌床が届いて、ビニール袋を開けた時点で既に白い「ポツポツ」は見えていた。でも、笠の形にはなっていなかった筈だ。これは勘違いではなさそうだ。おい、しいたけだぞ、おい。

新たなる生命の息吹に喜びを感じるか、というと、むしろ逆。
「早い。早すぎる」
という気持ちしかない。
付き合い始めて間もない彼女に、「お腹に赤ちゃんがいるの」と言われたときの衝撃というか。嬉しさと、困惑とが混じった気分。いや、「彼女に赤ちゃんがいる、と言われたこと」がないので、これは相当な妄想の部類なんだけど。
2018年11月16日(金) 5日目

5日目にもなると、もう「見間違い」では済まされない大きさになってきた。

なにしろ、これだもの。
これはきのこ以外の何物でもない。うっかり、松茸が生えてくれれば最高なのだけど、おそらくそんな突然変異はなく、しいたけが育つ予感。
いやあ・・・愛着がまだ湧いていないんだよなあ。早すぎるって。
「単刀直入に言おう!実はしいたけでした!」
と言われても、
「お、おう・・・」
としか答えようがない。「待ってました!そうこなくっちゃ!」と言うだけの、心の準備が、まだ。
2018年11月17日(土) 6日目

ただただ、唖然としているしかないまま、しいたけは育ち続ける。
6日目にして、これ。菌床てっぺん周辺だけでなく、続々と脇からもしいたけさんがコンニチハを始めている。それを見て、僕はただただ戦慄するしかなかった。
何しろ、昼間は会社に行っているわけで、このしいたけとのご対面はせいぜい一日数時間だ。その間に、何勝手に育ってんねん、という気持ちの方がむしろ強い。
2018年11月18日(日) 7日目

7日目になると、丼から平皿にお引っ越し願った。
というのも、菌床の下の部分のきのこが育ち、丼の側面と押しくら饅頭を始めたからだ。
ヤマザキ春のパン祭りで貰ったお皿の上に、菌床。お皿がパン祭りで、お皿の上はしいたけ祭りだ。えらいこっちゃえらいこっちゃ。

一番槍が武勲だ、とでも思っているのか、ひときわ生育が良いてっぺんのしいたけ。
取扱説明書を読むと、しいたけの裏側にひだひだが見えるようになったら、収穫時なのだそうだ。
裏からそっとパンチラ・・・ならぬ、しいたけチラをしてみたら、まだひだは見えなかった。
ちょっとほっとする。もう収穫って、早すぎるから。
でも、この調子だと、どんどん収穫していかないと、後続のしいたけが押しつぶされてしまう。
ゲームセンターにあるメダルゲームを思い出した。どんどん後ろから押し出せ!というスタイルが、メダルゲームっぽい。
(つづく)
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