鹿ひき肉を手に入れたので、恐る恐るハンバーグを作ってみた

ふるさと納税で鹿肉と猪肉が手に入った。しかもミンチで。

おかでん家基準では、ふるさと納税の返礼品選びは「ちょっとめずらしいもの」ということにしている。スーパーに行けば似たものが手に入るようなものは、単にお得感があるだけで面白くない、と感じるからだ。なので、「殻付き牡蠣」とか「ジビエ肉」とか、若干入手に手間がかかるものを好んで選んでいる。

今回は「鹿肉」、しかもミンチを使って料理を作ろうと思う。とはいっても、ノーアイディアだ。鹿肉って、猪肉以上に馴染みが薄い食材だし、食べるとすればローストやソテーといった調理法だ。ひき肉を食べるのは人生初かもしれない。

とりあえず、一袋500gをまるごと使って、ハンバーグを焼いてみることにした。鹿肉は脂身が少ないので、ハンバーグにして美味しくなるのかどうかは若干不安だが・・・。

でも、袋から取り出してみたら、若干白い脂肪分が見えた。バサバサにはならない・・・かな?

えいやっ

適当な性格なので、「たわら型に成形して、火の通りが良くなるように真ん中をくぼませて」なんてことはしない。えーい、とフライパンの中に肉塊を投入し、己の握りこぶしでグイグイと押さえつけて形を整えていった。どうだ。気合を注入してやったぜ。

最近は、ひき肉に一切混ぜものをしないでそのまま焼いたハンバーグが「肉の味がしっかりして美味しい」とネットで話題だ。今回、あれこれ混ぜないほうが鹿肉本来の味を楽しめそうだと思ったが、鹿肉ハンバーグが美味しく仕上がるかどうか不安だったのでつい、日和った。

玉ねぎを刻んだもの、パン粉、牛乳。それに塩コショウとナツメグを投入。

フライパンにふたをして、熱をできるだけ閉じ込める。どれほど効果があるかは不明だけど、これだけ大きくて分厚いとなると、まんべんなく火を通すのが難しい。

もちろん、プロがやっているように「表面に焼き色がついたら、オーブンでじっくり中まで火を通す」なんてことはできない。そんなフライパンじゃないから。ニトリで買った軽量のやつだ。

僕はもっぱら中華鍋で食事を作るけど、たまに軽いフライパンを使うと楽ちんだ。なにごともTPOだ。マッチョイズムで中華鍋一辺倒!フライパンよさらば!という時期もあったが、今は随分と性格が丸くなった。

しばらくフライパンの様子を見ていたが、どうもこの調子だとハンバーグの上にまで火が通らないっぽい。うっすら肉の色が白くはなったけど、これ以上劇的に変化はなさそうだ。

野生獣なので寄生虫リスクは排除しなければ。ちゃんと熱を通そう。

とりあえず頻繁にハンバーグをひっくり返して、熱を上下からまんべんなく加えていこう・・・と思ったが、アカン、肉がでかすぎてひっくり返せない。フライパンの蓋か、平皿に一旦退避させればひっくり返せると思ったのだけど、予想以上に脆くて身動きつかなかった。

仕方がないので、アルミホイルをハンバーグにかぶせて、さらにふたを被せてみた。これで熱効率は良くなるはずだ。もうあとは、ハンバーグの下が焦げないことを祈りつつ弱火でじっくり加熱し続けるしかない。

うーん、火が通っているようないないような。

なにやらキッチンから「ジュー」という音が聞こえているので、何事かと驚いてリビングから馳せ参じた我が息子。

ハイハイでキッチンのところまでやってきて、フェンスにつかまり立ちをして様子を観察していた。ニコニコしているので、何やら楽しいらしい。うん、お父さんは今楽しいことをやってるよ。でも、デカいのを作りすぎて扱いに困っているんだけれど。

子供がつい先日からハイハイ業界に本格参入するようになったので、慌ててキッチンにフェンスを立てた。キッチン周りはどう整理しても塞いでも、子供にとって魅力的であり大人にとって危なっかしいものばっかりだ。なんとしても立ち入らせたくない。

子供がフェンスにつかまり立ちしている様子を見て、「地獄の黙示録で、慰問ショーをフェンス越しに見ている地元民みたいだ」と思ってしまった。

焼き上がった(と思われる)あとも、大皿に移す余裕がない。なので、フライパンごとダイニングテーブルに運び込んだ。

一旦四等分にして夫婦で食べたが、いざ切ってみると火の通りが若干不安で、もう一度コンロにお戻りいただくこともあった。

肉汁はフライパンの底に溜まってはいるのだけれど、肉は若干パサついている。これが鹿肉ならではなのか、ダラダラと加熱し続けたせいなのかは不明だ。

1/4等分でこのサイズ。案外大きかった。

「いきなり!ステーキ」とかだと、平気で300グラムのハンバーグごときを撃沈できるのだけれど、自宅の食事で約130グラムくらいのハンバーグと対面すると、びびる。しかもこれが一人あたりあともう一枚だ。

ウスターソースを中心にあれこれ混ぜたグレイビーソースも作ったので、それをハンバーグにかけつつ食べる。

うん、肉を食べている実感はあるんだけど、何かが物足りない。スカスカした感じがする。旨味が全部フライパンの底の肉汁に溶け出してしまった感じ。豆腐ハンバーグを食べているようだ、という比喩は大げさすぎるけれど、珍味の部類に入り買おうとすると高い値段になる鹿肉でわざわざこの調理法はしなくても良かった気がする。

じゃあ肉汁を逃さないようにすればよいのか、となると・・・鹿肉餃子とか鹿肉シュウマイとか?

あと500グラムあるので、機会を見て試してみよう。ただ、あんまりガッチリ味付けをしてしまうと、せっかくの鹿肉感が失われてしまうんだよな。それが悩ましい。

(2021.12.19)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください