気晴らしプリン

気まぐれで、プリンを自作することがある。

冷蔵庫に玉子が大量にあって、その割に全然消費されておらず「んー、このままだと消費期限が心配だな」という予感がしたときにえいやっと作る。

我が家の料理番である僕が食材を仕入れてくるのは、主に「肉のハナマサ」と「楽天西友ネットスーパー」だ。ハナマサは安いかわりに量が多いし、ネットスーパーはついまとめ買いをしてしまう。その結果、料理を作る予定はちゃんと立っているんだけど、食卓の上が渋滞を起こしてしまい冷蔵庫がいっぱいになる。出来上がった料理はどんどん保存容器に入れられ、食材はその隙間に入っているという有様だ。

そんなわけで、フードロスは出ないけれども「おっと、これはそろそろ・・・?」という食材が出るのは必然だ。我が家では、というか僕の食習慣や嗜好のせいでか玉子をあまり使わない。生玉子を冷凍するわけにもいかないので、じゃあ一気に使い切ろうぜ!となるとプリンになる。

そういう「ハッハッハ、大量消費したぞ!」という開放感と満足感を得るための料理なのでチマチマした容器になんて、入れない。家で一番大きなガラス製の保存容器にドーン、だ。

これで玉子何個分だったっけ。5個だったかな。「なんだ、1パックの半分しか消費しないのか」とさらに玉子を割り入れようとしたけれど、このあと牛乳が入ることを思い出してやめた。危ないところだった。たまにしか作らないので、段取りを忘れる。

卵液の重さもさることながら、グラニュー糖の消費量もえぐい。洋菓子作り全般に言えることだが、「砂漠に水を1滴たらす」たとえの逆だ。卵液にドバドバと砂糖を溶かし入れても、全然まだ余裕。もっと入れろ、と言ってくる。

このガラス容器に入れた卵液を、お湯が入ったフライパンに入れて蓋をして弱火で30分以上煮る。フライパンに直にガラス容器を置いたら、運が悪いと割れるかもしれない。なので、ふきんをフライパンに沈め、それを挟んで容器を乗せている。

出来上がり。

こういうのは、妻子が帰ってくる前にこっそり作るものだ。で、冷蔵庫で冷え固まったころにご帰宅となり、「うわあ!プリンがある!」と喜ぶところまでが調理のシナリオとなる。味はこの際どうでもいいので、実食の結果は大して気にしていない。

その証拠に、バニラエッセンスを入れそびれた。プリンを食べながらバニラエッセンスをふりかける、という人生初の食べ方となった。

このバニラエッセンス、死ぬまでに使い切れるのだろうか・・・。ごくごく小さな瓶に入っているヤツにもかかわらず、自分の死まで想起させる、なかなか減らない存在だ。いや、そんな保存する前に賞味期限がくるでしょう?と言われるけど、お腹を壊さない限りは使い切るぞ、たとえ10年かかっても20年かかっても。

ガラス容器に入り切らなかった卵液は、冷凍ご飯を電子レンジでおいしく解凍できるんやで、という容器に入れ、電子レンジで加熱してみた。するとまあ、案の定だが超絶沸騰し、下手くそすぎる茶碗蒸しみたいにすが立った。味は一緒でも、食感が悪いので美味しく感じない。

うん、食感が違うとこうも味に影響を与えるのか、と良い勉強にはなった。

(2022.01.30)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください