海南鶏飯を日本橋で食べる

この日、日本橋(三越前)で仕事をしていたのだが、お昼どきになって「あれっ、ご飯はどうしようか?」と考えてしまった。

せっかく平日昼間に訪れることが少ない日本橋なんだから、それなりのお店でご飯を食べたい。しかし、この界隈の物価はとても高く、果たして1,000円札一枚でランチが食べられるかどうか怪しい。

帰り道がてら、神田に立ち寄ってお店を探せば安くつきそうだ。さらには、秋葉原まで行けば値段はさておいてガッツリ食べられる系のお店がある。

しかし、それじゃ面白くない。

山手線でビューンと行ける駅の近辺でご飯を探すのは、なんか損した気分だ。せっかく山手線の重力から少しだけ離れているんだから、現地でお店を探したい。この感覚、東京界隈に住んでいる人ならわかってもらえるだろうか?

でもどうしたもんかなあ、コレド室町とか商業施設はいっぱいあるけれど、どこもお上品かつお値段が大変によろしい。午前中僕が稼いできたお金の何割かが昼食に消えるのは悔しいので、「1,000円より安くて、それでも『おっ、なかなか満足感があるね!』と思えるお店と料理」がいい。

とか思いながら、特にアイディアもなく地下鉄の駅に向かっていたら、ちょうど自分が働いていたビルの地下に海南チキンライスを出すお店があった。

海南鶏飯。鶏の脂で炒めたライスを炊き込んで、そこに茹でた・または蒸した鶏肉を添えたもの。あっさりした味わいだけどうまみが深く、とても美味しい。名前のとおり中国の南の端、海南(ハイナン)島由来とされているが、華僑の伝来によりシンガポールやマレーシアの名物料理になっている。

今回頼んだのは、鶏肉を蒸したものと揚げたもののハーフ&ハーフ。お値段1,050円。予算をオーバーしてしまったが、これくらいならセーフ。

味はもちろん美味しかったし満足なんだが、最近だんだん外食がしづらくなってきた。昔はあちこち外食をしていたものだが、最近はすっかりなりを潜めている。お金をケチりたいから、というよりも、「パートナーを差し置いて、自分ひとりだけ高い飯を食べるのは気が引ける」というのと、「外食をして支払うお金と、自分のワクワクや満足の気持ちが釣り合わない」と感じているからだ。

特に後者は顕著で、自分自身の加齢によるところも大きいのだろう。あれが食べたい!とかこいつァうまい!というエモーショナルな感覚がずいぶん減衰した。なので、2022年度版おかでんにおいては「昼飯なら800円までがいいところ」というのが気持ちと食費の均衡点だ。

僕がもっと稼いでいたら、この均衡点はもっと高いところになるのだろうか?

(2022.08.03)

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