味噌、醤油、酢は今でも地域特性が強い

東京に住んでいると、「地のものをいただく」という感覚が薄れてしまう。そういうものはどこか旅行に行った時に堪能するものであるという認識だ。

以前僕は北千住の近くに住んでいた。「千住葱」というブランド葱が存在することは知っていたが、実際に畑に植わっているのを見たことは一度もない。

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なぜなら、千住界隈に牧歌的な畑なんてほぼ存在しておらず、今や埼玉県で生産されているからだ。

また、小松菜の発祥の地・小松川の近くに住んでいたこともあるが、やっぱり畑に植えられた小松菜は見なかった。「小松菜発祥の地」を顕彰する石碑は見たけど。


しかし、味噌・醤油・酢といった日本を代表する発酵食品は今でもご当地性が強い。旅先のスーパーでこの手の売り場に行くと、「おっ、見たことがないぞ」というブランド名の商品が売られていることが多く、けっこう面白い。

スーパーは画一化しているようで、案外そうではない。厳しい流通小売業を生き抜くために、相当なローカライズを行っている。だからスーパーの売り場を見るのは楽しい。

つい、生鮮品コーナーに目がいきがちだが、店舗中央くらいにある何の変哲もない味噌醤油なども地域性が出ているから侮れない。

これは実家で見かけた酢。知らなかった、「マンネン酢」というのがあるのか。岡山県瀬戸内市のメーカーによるもの。

我が実家ではこれが常用されているようだ。

酢なんて、ミツカンかそれ以外か、くらいの認識しかなかったので、「あ、なるほど各地に酢のメーカーってあるんだな」ということを今更ながら気がついた。そういえば広島のオタフクソースももともとは酢のメーカーだったっけ。

ちなみに実家の醤油は「とら醤油」だ。

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その名の通りトラの絵がバーンとラベルに描かれている、インパクトがある醤油。これは岡山県倉敷市のもの。

東京に住んでいると、「キッコーマンかヤマサか、それ以外か」という程度の認識なので、これもまた新鮮。

(2022.12.31)

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