以前から「ベジ郎」というお店があることは小耳に挟んでいた。
名前のとおり、ラーメン二郎のインスパイアなのだけど、面白いのがラーメン屋さんではなく、「肉野菜炒め屋さん」ということだ。
なるほど、ラーメン二郎の特徴の一つとして、ラーメンの上にトッピングされた多めのヤサイという存在がある。この部分にだけ注目して、肉野菜炒めを出すというのは面白い。
ラーメン二郎のヤサイトッピングは、単にモヤシとキャベツを茹でただけのものだ。味はついていない。ラーメンのスープに浸しながら食べる。なので、二郎インスパイアとはいえ、単に「茹でたモヤシとキャベツ」を出すだけだと美味しくない。
どう味付けをするのか、が問われてくる。その点、とっても興味深い。
興味はあったのだけどずっと行きそびれていたら、テレビのニュースでこのお店が紹介されてはっとした。
物価高を取り上げるニュースだったのだけど、「安くてボリューム満点の料理を出すこのお店も、さすがに今の物価高には困っている」という内容だった。やばい、早くいかなくちゃ。
ということで、野菜炒め(醤油味)の定食。
味付けは醤油、味噌、ポン酢から選べる。もはや味が選べる時点で「二郎インスパイア」的ではない。でも、ボリュームが多い野菜、という時点でラーメン二郎を想起させ、僕みたいな二郎好きが吸い寄せられてくる。二郎という存在がB級グルメの世界でいかに偉大であるかがよくわかる。
野菜炒め | 580円 |
肉中盛り(100g) | 780円 |
肉大盛り(150g) | 880円 |
肉特盛り(200g) | 980円 |
野菜の量 少なめ300g | +0円 |
野菜の量 普通400g | +0円 |
野菜の量 マシ500g | +0円 |
野菜の量 マシマシ600g | +50円 |
定食 ご飯+スープ | +100円 |
背油 なし | +0円 |
中油20g | +0円 |
大油40g | +0円 |
鬼油80g | +50円 |
自動券売機ですべてのオーダーを完了させるので、ラーメン二郎初心者が緊張する「トッピングコール」(ラーメン提供間際に、トッピングの種類と量を店員さんに聞かれること)は存在しない。その点初心者でも気楽。
「人生最後の食事として何を食べたいか、と聞かれたら『肉野菜炒め定食』と答える」と考えていた時期があったくらい、僕は肉野菜炒めが好きだ。そんな立場からすると、この大量の肉野菜炒めは最高だ。しかも、定食にしても値段が680円から!!
・・・あれ?でもそれにしては肉の量が多いな?と思って改めて当時の家計簿を紐解いてみた。
あっ、「肉特盛、野菜マシマシ、鬼油」という全部の注文で一番多いやつを頼んでやがる。支払いが1,130円。
49歳にもなって、まだ物事の分別がついていなかった。何をやってるんだ一体。
でも、激しく満足した。ガッチリ肉も野菜も食べられたのは良かったし、卓上においてある唐辛子の酢漬け(通称:ベジの素)が辛くて旨くて、ついついたくさん食べてしまったのも良かった。
おかげで、数時間後にお腹を壊した。
大量の食事、脂、そして唐辛子。お腹を壊す条件は揃っていた。しばらくお腹が痛かったけど、それだからこそむしろ満足度が高かった。「俺様をここまでさせるほどの料理だった・・・ッ!」と。
ラーメン二郎の味なのかというと、そんなことはない。そっち方面を期待するなら、近くにラーメン二郎池袋店があるのでそこで食べるといい。「野菜炒めを心ゆくまでジャンクに食べたい」というアンビバレンツな気持ちがある方はぜひどうぞ。きっと満足できる。
(2023.01.11)
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