韓国料理も選択肢にある、ビュッフェ

神奈川県にある、「八景島シーパラダイス」に行ってきた。水族館を中核としたレジャーアイランドだ。

島内に立ち入ること自体は無料で、水族館や遊興施設に入る際にお金がかかる。

来場者は団体のツアーバス客以外は対岸から橋を歩いて渡ってこなければならず、一風変わった不自由さがある。この人工島の最寄り駅となる八景島駅から水族館があるエリアまで、だいたい10分程度歩くことになる。

完璧なピクニック装備を用意してこの島に渡れば、お金はかからず一日を過ごすことができる。島そのものは横浜市が整備した公園だからだ。しかし、現地のレストランでご飯を食べようとすると、どのお店も結構なお値段となる。場所柄、これは仕方がない。

いろいろあるレストランをざっと見て回ったが、内容と値段とを見比べてどうも満足しなかったので、結局ビュッフェレストランに入ることにした。このレストランも値段は高いが、お腹いっぱい食べられることが保証されてこの価格なら許容範囲だった。

あと、弊息子タケには食物アレルギーがあるので、お店によってはNG食材が多く使われている場合があった。その点、ビュッフェは便利だ。タケが食べられる料理だけを食べさせることができる。まだ2歳児の彼は、外食代がかからない。なのでビュッフェレストランに行くメリットは大きい。

いくらビュッフェとはいえ、店員さんにアレルギー食材について確認をするようにしている。タケにとってNGな食材を店員さんに伝え、それが使われている料理を教えてもらう。ただ、大抵の場合、店員さんは若干困った顔をして「一応その食材は入ってはいないんですが・・・」と言葉を濁す。というのも、「コンタミネーション」と言われる、食材製造工程や調理過程でのアレルギー物質混入の可能性までは排除できないからだ。

これはもう仕方がないことなので、親としてはコンタミネーションの可能性は了承している。それを疑いだしたらきりがないし、何も食べられなくなる。なので、僕たちが彼に料理を与える際は少量ずつで、彼の様子を見ながらということを意識している。

彼がご飯を食べている様子を僕らはじっと観察する。それは僕らが彼に対して愛情があるから、というよりも皮膚の状態や呼吸に何か変化が起きないか、注意を払っているからだ。

このビュッフェが面白かったのは、韓国料理の品揃えが豊富にあったということだ。

このお店の経営元は様々な飲食店をチェーン展開で営んでおり、その中に韓国料理店が含まれている。その韓国料理店のノウハウがビュッフェに活かされているのだろう。

ここでふと気がついたが、そういえば韓国料理がたくさんあるビュッフェってこれまで食べたことがない気がする。だから、夫婦揃ってこのお店の品揃えにワクワクした。

そう考えると、世の中にビュッフェ形式のお店というのはたくさんあるけれど、意外とパターンが少ない気がする。

ビジネスホテルや温泉旅館の朝食ビュッフェは、独特の世界観がすでに構築されている。オムレツ、ベーコン、茹でたソーセージなど。

街中にあるビュッフェ形式のレストランは、なんとなくいろいろな料理があります、という感じで、品揃え豊富だけど記憶に残らないものが多い。値段が安い分質があまりよくないのか、食べているうちにどれも同じ味に感じてくるようになってくる。冗談みたいな話だけど、僕だけでなくパートナーのいしもそう言っているのであながち間違いではないようだ。もちろんずらりと並ぶ料理の味はどれも異なるんだけど、僕らの空腹が満たされてくるとだんだん味覚も触覚も嗅覚も鈍化してきて、味の違いを見いだせなくなってくるのだった。

最近どんなビュッフェに行ったかな?と自分の記憶を振り返ってみると、しゃぶしゃぶ食べ放題のお店とインド料理店、ピザ店だった。なるほど、だから今回訪れたお店で韓国料理が多くある!ということに僕らは新鮮な驚きと喜びを感じたのだろう。

韓国料理という選択肢があるのは楽しい。しかし、あまり韓国料理を取りすぎるわけにはいかない。韓国料理の場合、こってりと甘辛い味付けのものがいくつもあるし、チャプチェやチヂミ、トッポギは気をつけないとすぐにお腹がいっぱいになってしまう。いろいろな料理を食べつつ、韓国料理も食べるようにしたいところだ。

いろいろな国の料理を前面に押し出したビュッフェレストランがもっとあったら楽しいのにな、と思う。たとえばスペイン料理とか。

でも、ずらりと並ぶ料理のなかの1品として登場するならともかく、ビュッフェレストランのコンセプトに影響するほどその国の料理を前面に出す、というのはなかなか難しい。そのためには、街のあちこちにその国の料理店が存在するくらい、メジャーな存在でないといけないのだろう。

前述のスペイン料理の場合、日本にはそこまでお店の数がない。もっとスペイン料理にニーズがあるならば、ビュッフェ形式のお店ではなく、普通のスペイン料理店が増えるのが先だ。そしてその先に、テーブルオーダーのビュッフェとなる。自分で料理を取りに行く、セルフスタイルのビュッフェにたどり着くのは相当難しいことだ。

僕は、自分の目で確認しながら自分で料理を取りに行くセルフスタイルのビュッフェが好きだ。今後、いろいろなジャンルの料理でどんどん増えていって欲しいと真剣に願っている。

(2023.05.28)

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