「いきなり!ステーキ」にとってかわるお店を見つけた

所要のため、秋葉原にあるヨドバシカメラに行った。

ここは巨大すぎる家電量販店で、建物の上層階にはレストラン街が形成されている。20年前、30年前に秋葉原に数多く存在した大小様々な家電量販店とは全く違う世界が、ここにはある。デパートの延長線上にあるお店ともいえる。

秋葉原駅前にこの巨大家電量販店ができた結果、電気街としての秋葉原は息の根を止められたといっても過言ではない。そして今では通り沿いにメイドカフェの客引きが数メートルおきに並ぶような、不思議な空間になっている。

この日の僕は、ここでトンテキを食べるつもりだった。三重県の四日市市周辺の名物料理だ。「よーし、肉を食べるぞ!」という気持ちでお店に入ったら、店員さんから「お肉が売り切れたので、今日はもう閉店です」と言われてがっかり。えー、トンテキ屋さんで「豚肉切れ」ということって起きるんだな。

途方に暮れて、何かかわりのお店がないかと店内を歩いていたら、見つけたのがこれ。「ステーキ ロッヂ」という名前のお店。よし、ここにしよう。

僕は3日後に、新潟県の巻機山に登る予定があった。山の中の避難小屋に一泊する予定になっていて、そのための荷造りをしている最中だった。なので、「ロッヂ」という店名にはとても心が惹かれた。

メニューには「ロッヂの3大名物」と書かれていて、

ジューシーステーキ
ハラミステーキ
チキンステーキ

の3つが大きく紹介されていた。

ジューシーステーキの場合、200gで1,250円、300gで1,640円、400gで2,130円、500gで2,620円(いずれも税別)。

せっかくなので、3大名物の中で一番最初に紹介されているメニューである「ジューシーステーキ」を頼んでみた。量は、300グラム。

お肉はレアで提供する、とお店の方が言うので仰せの通りにすると、到着したのは見事に断面が生の分厚い牛肉がやってきた。これは迫力がある。

これを見ると、「いきなり!ステーキ」に似たお店だとわかる。「いきなり!ステーキ」よりももうちょっと色気があるお店のインテリアや料理の構成なのだけど、値段は「いきなり!ステーキ」より安い。

「いきなり!」の場合、定番メニューである「ワイルドステーキ」の300gは1,890円(税込)。税別価格で比較すると、100円ちょっと高い。

あと、「いきなり!」は元々「ワイルドステーキ」が1,000円だったことを客はよく覚えているので、今の値段が高すぎるという印象は一生つきまとう。そして、様々な迷走を繰り返したことによって、すっかりこのお店に対するロイヤルティが失われてしまった。いっとき、「いきなり!」に熱狂し、愛着を感じていたからこそ、なおさら。

ただ、「しっかりとした量の肉を、気軽に食べたい」というニーズが僕の心の中から消えたわけではない。この「ステーキ ロッヂ」はちょうどその心の穴を埋めてくれる存在になる気がした。

レアの肉厚肉は、咀嚼して飲み込むのに時間がかかる。なので、400g、500gと量を追求しなくても300gで十分満足できた。良いお店だ。

ただ、お会計をしてみて、「おっと・・・」と思った。「山小屋セット」と名付けられたライスとスープのセット(320円)をステーキに付けたのだけど、そうすると支払いの合計が税込み2,156円だったからだ。さすがに2,000円オーバーというのは僕の財力からすると払いすぎだ。

こうなってくると、「肉が食べたいなら、家のキッチンで焼いて食べればいいじゃないか」という当たり前すぎる結論にたどり着く。しかし、それだと風情がないんだよな。やっぱりお店で食べるステーキは、美味しい。

(2023.06.15)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください