仕事に向かう途中、朝ラーを食べる

仕事の関係で東京駅の東側、八重洲に朝からでかけた。

東京駅の地下は、東京の割には広大な地下街が形成されている。その地下街をてくてくと歩いて目的地を目指す。

東京は地下鉄がものすごく発達している割には、地下街が少ない。地下鉄駅に接続するための地下道は長いのだけど、その両側にお店を作ろうとは考えないようだ。例外的に、東京駅周辺と新宿駅、池袋駅に地下街がある程度だ。

八重洲地下街は碁板状に通路とお店が広がっていて、歩いていて楽しい。お店の数が多いので見ていて飽きないし、その日の気分で通るルートを変えられるからだ。

この日通ったのは、「東京ラーメンストリート」というエリアだ。ここは有名ラーメン店が軒を連ねていて、意欲とお金さえあれば、さまざまな種類のラーメンを徒歩数歩で食べ歩きができる。特にこのエリアを有名たらしめているのが、つけ麺のパイオニアである「六厘舎」が出店しているからだ。

この六厘舎、人気と知名度にあぐらをかいて商売をやることもできるはずだが、何を血迷ったか「朝つけ麺」という概念を持ち出して、朝7時半から營業している。朝ごはんとしてラーメンをどうぞ!というのは日本全国で見ても少ないので、この取り組みが始まったときはびっくりしたものだ。

朝からラーメンを食べる文化は、福島県の喜多方にもある。しかし、つけ麺という麺のボリュームがある料理で朝から食べるという発想は風変わりだ。

六厘舎としても、朝から濃厚なつけ汁で大量の太くて弾力のある麺を食べるというのは違うと思ったのだろう。朝はスープをあっさりめにして、デフォルトの麺の量が少なめになってる。

いつも行列ができてるお店なので、ここで食べようと思ったことはこれまでなかった。六厘舎の味そのものは知っているので、敢えて並んでまで食べようとは思わなかった。しかし今日、仕事前の朝の時間にこのお店の前を通ると、行列が全くないではないか。これにはぎょっとした。

一旦通り過ぎたけど、しばらくしてから立ち止まり、戻ってきちゃった。打ち合わせまでまだあともうちょっと時間がある。行列なしならば、サクッと朝つけ麺を食べていくことができそうな予感がしたからだ。

というわけで、朝ごはんを家で食べたというのに、その口が乾く間もなく今度はつけ麺を食べることになった。

一般的なつけ麺は、とても麺が太いという特徴がある。六厘舎もそうだ。なので、オーダーが入ってから麺を茹で始める厨房のオペレーションだと、僕の手元につけ麺が届くのはずいぶん時間がかかってしまいそうだ。しかしこのお店は、見込みでどんどん次の麺を茹で始めており、絶望的な待ち時間と戦うことなく、着席してからほどなくつけ麺が届いた。朝、忙しいときにこの配慮はありがたい。

そんなわけで、打ち合わせ15分前に180グラムのつけ麺を食べた。美味しかったかって?うーん、腹にドスンと重たいものが溜まったという印象が強くって、味についてはあまり記憶に残っていない。昼過ぎまで十分すぎる満腹感が持続して、ありがたいと思う一方で気持ちが弛緩しちゃって仕事への緊張感が若干薄らいだのは事実だ。

(2023.06.14)

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