すかいらーくグループの飲茶食べ放題レストラン「桃葉」が巣鴨に出来たので行ってきた

以前、ファミリーレストランチェーンの大手、「すかいらーく」が展開する中華レストラン「バーミヤン」で飲茶バイキングがメニューに加わったことがある。テーブルオーダーの食べ放題だ。

食べ放題好き界隈では色めき立った話題だったが、お客さんが予想以上に大量に食べて店が儲からなかったのか、それともお店のオペレーションが回らなかったのか、理由は不明だがすぐに中止になった。

しかし、この経験を通じてすかいらーくは飲茶バイキングというビジネスに勝機を見出したらしい。ついに、飲茶専門店を出店し、そのメニューの中核として飲茶バイキングを据えたのだった。店名を「桃菜(とうさい)」という。

最初のうちは、東京都の中心からアプローチするにはちょっと遠い場所にこのお店は出店していた。しかし、いよいよ東京の真ん中とも言える巣鴨にもお店が出来たと聞いて、さっそく行ってみることにした。

お店は巣鴨の駅前にある。駅から徒歩1分もかからない。

「そういえば、すかいらーくグループのしゃぶしゃぶ食べ放題レストラン『しゃぶ葉』があるな。しゃぶ菜を閉店して、飲茶のお店に鞍替えしたのか?」

と思いながら現地に行ってみたら、ビルの2階が飲茶食べ放題の「桃菜」、ビルの3階がしゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ菜」だった。食べ放題のお店が駅改札の眼の前のビルに2フロア入居している、というのはちょっとめずらしい。巣鴨すごいな。昼間はとげぬき地蔵を参拝するお年寄りが多い場所というイメージの土地だけど、食欲旺盛な人たちもこの周囲にはたくさん住んでいる、ということなのだろう。天下のすかいらーくグループだから、緻密な商圏分析のうえで出店場所を決めているはずだからだ。

僕ら家族は平日の夜に訪れたのだけど、待ち行列が10組くらいあったと記憶している。

お店は、ビルの外観からイメージするものと全く違う小綺麗な作りで、予想以上に広い。食べ放題のお店だから薄利多売の商売で、客席はギュウギュウという作りではなかった。新しいお店ということもあって、居心地はとても良い。

配膳用の猫型ロボットがこのお店にも用意されていた。動いている姿を見かける機会はなかったのだけど、今どきの中~大規模飲食店ともなると、ロボットによる配膳を前提に店のレイアウトを考える必要があるのだろう。それはすなわち、通路を広く確保することを意味する。

結果的に、配膳ロボットが導入されたお店は、隣の席との間隔が開き、快適な空間となる。

このお店では料理を単品で注文することが可能だけど、やはり多くのお客さんのお目当ては食べ放題だろう。

食べ放題は3種類あって、

  • Aコース 24品/90分 大人2,419円(税込)
  • Bコース 36品/120分 大人2,969円(税込)
  • Cコース 49品/120分 大人3,519円(税込)

となっている。Aコースだけ時間が短いが、お酒を飲みながらゆっくり過ごすつもりでないなら90分(ラストオーダー20分前)で十分だと思う。ちなみに、このお店に飲み放題コースはない。

このお店に限ったことではないが、看板やメニューに大きく書かれている値段は「税別」だ。メニューには必ず小さく税込金額の表記もあるのだけれど、人間はどうしても最初に見た数字、大きな文字の数字に気を取られてしまう。なので、お会計をする際に「あれっ、案外高くついたぞ・・・」というのはよくある話だ。

このお店もそう。僕らはとても満足し、再訪したいと思ったのだが、とはいえ一人あたり2,400円ちょっとを払ってまで飲茶を食べたかったのか?と自問自答すると疑問が残る。

ちなみにこの「桃菜」の1フロア上に入居している「しゃぶ菜」は、ビルの外に出している看板には「小学生999円、幼児無料」と書いてある。大人の料金は書かれていない。

面倒くさいから、国の法律で商売をするお店は全部内税表示にすること、と決めて欲しい。いろいろ事情があって内税表示ができなかったことは僕は知っているけど、未だにお会計の際に「支払額が思っていたのと違って高い!」と悔しい思いをする。しかも毎回。いい加減勘弁してほしい。

飲茶は少量多品種を食べることができるので、楽しい食べ放題だ。

しかし、忘れてはいけない。飲茶の多くが、小麦粉の皮で包まれた料理だということを。

餃子も、シュウマイも、小籠包も、肉まんも、全部小麦粉が使われている。

そのため、食べているとあっという間にお腹がいっぱいになる。肉まんなんて、一人で一個を食べようなんてせず、仲間でシェアしたほうがいい。食べてみて美味しかったら、追加注文をすればいいんだ。

一皿の量は、上に掲載した写真のように少量だ。

こういうのを厨房は大量に用意しないといけないし、ホール係の人はオーダーが入る度にひっきりなしに配膳しないといけない。そして、大量の汚れたお皿が出るので、客席から下膳したお皿をどんどん洗っていかないといけない。たぶん、このお店のあらゆる店員さんは休む暇なく働いていると思う。ありがとう、とお礼を言いたい。

こういうビジネスモデルだからこそ、回転寿司店の特急レーンみたいな装置で各テーブルに料理を運ぶことはできないのだろうか?と思う。しかし、それが実現しないのは、レーンを作って維持するコストが採算にあわないからだろう。

はるか昔、お台場に本当の「回転飲茶」のお店があった。飲茶が回転寿司のレーンの上に乗って客席を巡回するというお店のスタイルで面白かった。でも今はそのお店は残っていない。

このお店が素晴らしいのは、どれを食べてもちゃんと料理の食感と風味が独立していることだ。安いバイキングレストランに行くと、あれこれ食べているうちに「何を食べてもどの料理も同じ味に感じてくる」ということがある。それは、おそらくあまり質がよくない冷凍食品が多様されていて、いくら蒸しても焼いても炒めても、食感が似てきてしまうからだと思う。

一方で、このお店の料理は、お腹がいっぱいになるまで食べ続けても、僕たちの味覚がマンネリ化しなかった。それだけクオリティが高い、ということだと思う。

食べ放題のコースは3種類あるが、どれが良いのか?というと、僕ら夫婦共通の見解は「初めてこのお店で食べるならAコースで十分。もう一度このお店に来ることがあるなら、次はBコース」というものだった。

Aコースでも満足できる。今回、十分にAコースを堪能した。でも、小麦粉や米を使った料理がどうしても多いため、「もっと食べたい!」という意欲と、胃袋のキャパシティとがミスマッチを起こしてしまった。また、Aコースは比較的オーソドックスな料理で構成されている。料理を注文するワクワク感なら、BコースまたはCコースの方がある。ただ、Cコースは3,500円を越えてくる値段なので、ファミリーレストランでそこまでお金を払うか?という疑問が湧いてくる。

そんなわけで、もしこのお店を我々が再訪する機会があるならば、Bコースを堪能したい。

(2023.06.23)

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