なんて豪快!新宿歌舞伎町「KIBORI」でジンギスカン食べ放題のランチを一人で満喫する

新宿歌舞伎町といえばボッタクリのお店があったり、猥雑な雰囲気の飲み屋が多く、割高なお店が集まっている場所という印象の人が多いと思う。

もちろん、そうではないお店も多くある。でも、なにせ地価が高い場所柄なので、「美味しくて、雰囲気が良くて、安い」という客にとって都合の良いお店はなかなか見つからないのが実情だ。お店の賃借料、店員さんのお給料を支払うためには、相当稼ぎ続けないとやっていけないからだ。

そういう場所柄なのに、ジンギスカン食べ放題のランチがある、という知らせを聞き、そのお店にやってきた。

店名を「KIBORI」という。

北海道料理を出すお店のようで、雑居ビルの2フロアにまたがっている。雑居ビル、といっても狭いペンシルビルではなく、それなりの広さだ。なにせ、新宿通り沿いで、無印良品新宿店がある向かい側に位置する。かなりの好立地だ。

KIBORIの6階が海鮮料理中心の「UMI」で、7階が鉄板料理中心の「DAICHI」と名付けられている。

両方ともディナータイムの居酒屋營業がメインのようだが、昼間はそれぞれのフロアがビュッフェレストランとなる。UMIの方なら、朝9時から營業しているので遅い朝食としても利用できるくらいだ。貴重な存在のお店だ。

偶然なのか、同じ系列店なのかはわからないが、KIBORIと同じビルの中には「くるり串食べ放題 2,000円」を売りにするお店があった。

このビル、食べ放題だらけだ。

海鮮食べ放題が売りの、6階にある「UMI」は特に人気のようだ。9時の開店時間前に1階のエレベーターホール前に人だかりができることもあるという。

エレベーターに乗ると、エレベーターの行き先ボタンが丁寧にパネルで覆われていた。停止することができるフロアだけ、パネルに穴が空いていてボタンを押すことができる。

僕が今回目指す「DAICHI」は7階なのだけど、受付は6階にあるらしい。「ランチ入り口6F」と書かれていて、7階のボタンは押せないようになっていた。

6階に到着すると、出迎えてくれた店員さんから6階か7階かを聞かれた。僕は7階だ、と店員さんに伝えると、それでは階段を登って7階に向かってください、と言われた。

店内にKIBORI専用階段があって、その階段で上の階に移動できる。

7階に上がると、そこには大きな木彫りの熊がお出迎え。

平日の11時半過ぎ。客は僕だけだった。このあと2組ほどお客さんがやってきた程度で、比較的空いている。

テーブル席はかなり余裕がある作りで、窮屈な思いをしなくて済む。これはありがたい。

まだ新しいインテリアで、木目だらけの店内は快適だ。

とはいっても、棚に並んでいるのはいろいろなデザインの木彫りの熊なんだけど。

最近見かけなくなったなあ、と思っていたけど、ここでこれからの自分の人生で一生分の木彫りの熊を見ちゃった感じがする。

KIBORIには公式webサイトがあるのだけど、UMIもDAICHIも、ディナーメニューの紹介しかしていない。お店の最新ニュースを伝える「TOPICS」というコーナーを探せば、そこにひっそりとランチビュッフェのことが書いてある程度だ。

ランチメニューはあくまでもお店の認知度向上のための施策で、夜の営業だけで収益が立つようになったらランチ営業をやめるのかもしれない。そう思えるくらい、「このお店、本当にランチ営業をやってるのかな?」と心配になるwebサイトだ。

ましてや、僕としては食べ放題を期待しているので、ランチ営業の有無だけでなく食べ放題の有無も貴重だ。お店に到着して、店員さんから「ああー、食べ放題は期間限定サービスだったんですよ。今はもうやっていません」と言われたらショックだ。なので、疑心暗鬼になりながら着席した。

改めて、KIBORIが出しているプレスリリースを確認する。うん、たぶん大丈夫だと思う。でも、このサービスメニューの終了日が書かれていないので、そこが心配だ。

だって、ランチでジンギスカン食べ放題ということ自体が驚きなのに、このお店は何を血迷ったのか生ビール・ハイボール・レモンサワーも飲み放題にしている。それでお値段が2,500円。冗談でしょう?と目を疑ってしまう。だからこそ、僕は心配で心配でたまらないのだった。

・・・あれっ、2,500円?僕がこのお店のことを知った「ロケットニュース24」では、ランチの食べ放題は2,000円だと書いてあった。サービス開始をしたのが5月頭で、ロケットニュースに記事が出たのが5月末。そして今は7月上旬。サービス開始からわずか2か月で500円、値上がりしちゃったのか。

最初の値付けが安すぎて失敗したと思ったのか、それとも客寄せのインパクト勝負でワザと安い値段にしたのか、または物価の高騰が激しくて値上げせざあるをえなかったのか、理由は不明だ。

生ビール飲み放題ができることを考えれば、それでも2,500円という値段設定は安い。とはいえ、僕はお酒を飲まないので、お酒については正直どうでも良い。「お腹いっぱいになるまでジンギスカンが食べられる。しかも値段は定額。」という心理的安全性に対して2,500円を払うのが安いのか高いのか、ちょっとわからなくなってきた。

店員さんからは僕がベテラン客だと思われたのかもしれない。

何の説明もないまま、ドンとテーブルの上に肉と野菜の盛り合わせ、そしてキンキンに冷えたジョッキがやってきた。

ジョッキ!

いやぁ、もし僕が10年前に断酒をしていなかったら、この後仕事があるとしてもビールを飲んじゃったと思う。お酒をやめていてよかった、と思う。それくらい、この霜がびっしり付着したジョッキは迫力がある。

追加オーダーは、自分のスマホから卓上のQRコードを読み取り、スマホの画面から注文をするスタイルだ。

あ、良かった。ちゃんと追加オーダーの料理が全部「¥0」と書いてあった。食べ放題で間違いなさそうだ。

食べ放題の肉と野菜が守られた、木箱型の器。こういう器を使うセンスが嬉しいし、「俺、いい歳して一人でジンギスカン食べ放題をやってるんだぜ。」という罪悪感を緩和してくれる。

とはいえ、肉も野菜も量が素晴らしい。「食べ残されたら困るので、少量ずつ提供します」というお店の人間不信感がそもそもない。「食べ放題に来たんでしょ?だったらバーンと食べて行ってよ!」という心意気を感じる。

なお、肉をよく見るとどうも見慣れた肉がある。あっ、豚肉さん、牛肉さん、こんにちは。

三種類の肉が盛られていて、豚、ラム、牛という構成になっていた。まず最初にこれを食べて、そのあとは自由におかわりができるようになる。なので、僕は追加注文の肉は全てラムにした。

お店の片隅に、ご飯が入った大きな保温ジャーと、水、そして生ビールサーバーが置いてあった。

すげえええ。自分で生ビールを注いで、好きなだけ飲めるんだな。

おかわりするためにはいちいち店員さんを呼ばなければいけないルールではなく、マイペースで、好きなだけ生ビールが飲める!これはテンションが上がる。お酒が飲める人なら。

一方の僕はと言うと、生ビールサーバーの横にある水タンクからジョッキに冷水を注ぐ。お冷用のグラスは用意されているのだけど、僕なりの意地というか、このジョッキをどうしても使いたかったのでジョッキで水を飲むことにした。

ご飯、たっぷり。

ジンギスカンは食べ始めてから最初の10分程度は楽しい。しかしだんだん単調な味に飽きてくるのと、しょっぱくて水分補給を繰り返すのでお腹がいっぱいになってくる。

だから、適度にご飯を食べて口の中のワンサイドゲームをチェンジさせることが大事だと僕は思っている。

「せっかくのジンギスカン食べ放題なんだから、ご飯を食べる余裕があるなら肉を食べたほうがいいよ!」とは僕は思わない。肉をたくさん食べるためにも、ご飯は必需品だ。

一人で肉を焼きまくって、食べる。肉質はとてもよく、柔らかくて美味しかった。

ランチに2,500円を払う、ということについては僕の身の丈に合っていない越権行為だと思う。もうちょっとアッパークラスの人たちがやることで、僕には値段が高すぎる。しかし、ビールを飲みたい!ジンギスカンも食べたい!という要望に対し、ちゃんと満足行くクオリティと値段を提供していると思うので、このお店は素晴らしいと思った。

仕事場がこのお店の近くにあるので、再訪してもいいな・・・と思うが、できれば家族や友人と一緒に訪れたいお店だ。平日お昼限定メニューなので、かなり難易度が高いけれど。

(2023.07.05)

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