
パートナーのいしから、「ご高齢のマダムが一人で営業している喫茶店がとても良いので、行ったほうが良い」とずっと言われ続けていた。なんでも、既に80歳を超えたお年なのだという。
ご高齢ということもあって、いつまでお店が続くがわからないという。
今回、そのお店の近くに行く用事があったので、僕ら家族はそのお店に行ってみた。
住宅街の中にある、さりげないお店だ。しかし、中は広く、肩を寄せ合うようにして珈琲を飲まなければならない駅前のカフェとは違う。
年季の入ったフローリングの床が光っていて、静かで心が落ち着く雰囲気だ。最近のニューウェーブカフェは、無印良品のブランドイメージが好きな人が作ったのかな?という、シンプルなデザインのお店が多い。悪く言えば、殺風景ともいえる。
一方、このお店は適度に温かい空気感があり、それが心地よさを生むのだろう。
ご高齢の方が営む喫茶店というと、僕がイメージするのは「ごちゃっとしたインテリア」「いろいろなカップを取り揃えていて、むしろ店内の情報量が多すぎて落ち着かない」というものだ。その点、このお店は目や耳に入ってくる情報量が適度で、それが心を落ち着かせてくれるのだと思う。
珈琲一杯700円。住宅街の古い喫茶店にしては強気の値段だと思うが、その値段に見合った味だったと思う。
これから、日本の人口はどんどん減少していく。ボリュームゾーンである団塊世代が商売の第一線から退いていくと、こういうお店は急速に減っていくのだろう。
(2023.11.05)
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