「俺の」と名乗られると、見て見ぬふりをしていられなくなる

「俺の麻婆豆腐」というお店があったので、ここでお昼ごはんを食べていくことにする。

足立区の住宅街の中にあるお店。なので、銀座界隈に多店舗展開する、「俺のフレンチ」などのお店とは全く関係がない。

「俺のフレンチ・イタリアン」などにあやかりたくてこの名前にした、というわけではないだろう。「俺の」という言葉はかなり普遍的だから。

他にも、JR神田駅周辺には「俺の肉」とか「俺の魚を食ってみろ!!」というお店が存在する。「俺の肉」というのはひょっとすると「俺のフレンチ」系列かな?と考えてしまう店名だけど、そういうわけではない。

それにしても、力強いよな。「俺の麻婆豆腐」ってバーンと店名に据えると。「僕の麻婆豆腐」だとインパクトが弱いけど、「俺の」という表現だと、胸ぐらを掴まれた感覚を覚える。

で、これが「俺の麻婆豆腐」。

店内は居酒屋的で、メニューは麻婆豆腐専門店というわけではない。とはいえ、ここで麻婆豆腐以外を頼むというあまのじゃくなことをする気はなかったので、順当に麻婆豆腐を頼む。

比較的辛く作ってあって、僕好み。きっとご主人が「俺が考える旨い麻婆豆腐はこれだッ!」ということで、辛くしてあるのだろう。僕は賛同する。

なお、卓上にはガーリックチップが置いてあって自由にかけてよい、というのもいい。ガーリックチップをふりかけて、ガリガリと噛んでいるとにんにくの味が口の中に広がって「ああ、俺は俺の麻婆豆腐を食べているんだな」と俺は生きているという実感を覚える。

(2024.01.14)

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