2024年、食べ物の値ごろ感がわからなくなってきた

経済ニュースによると、資源高はやや落ち着きを取り戻してきているようだ。しかし、インフレは引き続き継続中で、飲食店が提供する料理の値段はどんどん上がってきている。

いや、「どんどん上がって」はいないのだろう。どのお店だって、売価を上げてしまうと客が離れてしまうことをよく知っている。なので、もうこのタイミングしかない!エイヤッ!という渾身の値上げを、たまにしているのだろう。

でも、僕のように特定のお店ばかりに入り浸らず、あちこちのお店に行く人間にとっては、「あっちもこっちも値上がったなあ」と、どこもかしこも値上がり続けているような錯覚を覚える。

ましてや、値上がりが随時発生しているので、ネットの情報があてにならない。1,000円だと思って訪れたお店が1,100円だった、なんてことはザラで、想定よりも100円高くついたからといって今更諦められず、1,100円を支払ってご飯を食べるようなことが増えた。

その結果、これまで培ってきた「値ごろ感」、「自分の経済力にふさわしいメシ代金」という概念が崩れてしまった。

たとえばこのうどん。700円。

ずるずると食べながら、「うどんが700円かー」と思っていた。僕にとっては正直言って高く感じる。「それだったら、家で作って食べればいいや」という気持ちになる。

こういう値上がりは、僕の観測範囲においては、お手頃価格のお店に顕著な気がする。もうちょっと小洒落たお店で、ランチ価格が余裕で1,000円オーバーのお店というのはそんなに値上がりの影響がない印象だ。というのも、元々それだけの値段をとっていたお店なので、お店の雰囲気が良かったりして、料理以外の付加価値があるからだ。

一方、1,000円を下回るお店というのはメシを食うための店という要素が強く、そういうお店が値上がってしまうと「うーん、自宅で自炊しようかなぁ」という気になってしまう。もちろん、お店で食べたほうが美味いんだけど、コストパフォーマンスが悪く感じてしまう。

結果的に出費はかさむものの、現在の僕は1,000円以下のランチにはほとんど行かなくなった。そして1,000円以上2,000円未満のお店に行くことがほとんどとなった。これは僕が小金持ちであることをアピールしたいのではない。「高い料理を食べたほうが安く感じてしまうという錯覚」で錯乱していることを言いたい。

飲食店の値段がグラグラと揺れ動いたのはここ2年程度だろうか。まだしばらく値上がり傾向が続くと思うが、その過程でまた新しく僕の中で「値ごろ感」の秩序が形作られていくはずだ。そうなると、もうちょっとランチ代が抑制されてくると思っている。さすがにこの値段をお昼ごはんに支払うのは高い。

(2024.02.02)

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