駄菓子「にんじん」ならぬ「だいこん」

駄菓子の思い出を語ろうとすると、地域差と世代間ギャップが大きくて話が噛み合わないことが多い。

たとえば僕が小学生のとき、遠足のおやつは150円までだった。この金額の話をしただけで、下の世代の人には驚かれる。

逆に、下の世代に「どういう駄菓子に親しんでいたのか?」ということを僕がヒアリングすると、聞いたこともない商品名を挙げてくることが多く、僕は曖昧な笑みを浮かべて「へえ、そうなんだ」と相槌をうつのが精一杯だ。

そんな駄菓子の中で、「にんじん」というものが存在する。僕自身は一度も買ったことが無かったが、その存在は駄菓子屋でよく見知っている。

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いわゆる「ポン菓子」だ。米と砂糖をシリンダーに入れて、熱と高圧をかけると米がポップコーンのように弾ける。そうしてできた、ひなあられのようなお菓子だ。

「にんじん」という名前なのは、単ににんじん風の円錐形ビニール袋に詰められているからだ。味や原材料とはまったく相関関係はない。

うまい駄菓子か?というと、そうではないのだが、素朴な味で面白い。

そんな「にんじん」は知っていたのだが、茨城県のサザコーヒーに行った際、店頭で「だいこん」なる類似品が売られているのを発見して驚いた。こんなものがあるのか!と。

高い買い物じゃないし、ものは試しに買ってみた。

食べてみてまたびっくり。

おでんに入っている大根の味、という風情だからだ。つまり、甘くない。若干塩気がある。

つまり、「にんじん」が人参とは似て非なる駄菓子なのに対し、「だいこん」は大根に似た味なのだった。

パッケージ裏の原材料名を確認すると、米、脂、塩などのほかに、「昆布エキス」や「ホタテ貝エキス」といったものが入っていた。道理で、旨味を感じさせる味付けなわけだ。

いや、旨味を感じはするんだけど、これを「やめられない、とまらない」とばかりに食べ続けるか?と言われると・・・その場にいた仲間全員、あまり手が伸びなかった。少なくともコーヒーのおともにはならなかったからだ。

じゃあ酒のつまみになるか?というと、これだけ軽い食感だとそれも難しそうだ。これは一体どんなシチュエーションのときに食べればよいのだろう?残った「だいこん」はお吸い物に浮かべてみようか?

(2024.02.23)

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