とてもとてもお上品なおかき、「こしあんおかき」を買う

オープンして間もない「麻布台ヒルズ」を家族で探検。

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最新の商業施設は、最新のトレンドが導入されているので見ていて面白い。僕はそんなに物を買わないので、商業施設に行っても見ているだけだけど、施設内を歩き回るのは大好きだ。

麻布台ヒルズには高級スーパー、「成城石井」がある。これ自体はべつに珍しいものではなく、都内でも結構な数のお店が存在する。しかし麻布台ヒルズの成城石井ともなれば、客層がダントツで違ってくる。何しろ、上の階には一説によると200億円とも300億円とも言われる分譲レジデンスがある。そういう人たちの食欲と知的好奇心を満たすラインナップでなくてはならない。

そういえば、この成城石井には「ストロングゼロ」のような安酒が売られているのかどうか、商品棚を見ておけばよかった。店舗のブランドとして、客層として、どこまでのチープさが許容されるのか、その限界点を知りたい。

それはともかく、成城石井を歩いていたら、上品なマダムが買い物カゴにお菓子の袋を5袋もドサドサと詰め込んでお会計に向かっているのを見かけた。買い物はそのお菓子だけ。何だあれは?

いしがその異様な光景に興味を示し、商品を特定して自分もその商品を持ってきた。

ワイン色をしたその商品は、「こしあんおかき」だった。

これを・・・あのマダムは、まとめ買いしたのか。

「きっと美味しいんですよこれ。だってあんなにまとめて買ってるんだから」

といしは言う。確かに。

「我が家でも試してみたい」といしが言うので、買ってみることにした。で、値札を見てびっくり。500円。ギョッとするお値段。えっ、想像よりも倍くらい高い。だってこれ、ちっこい袋だぞ?徳用袋じゃないぞ?

そしてさらに、いしは「同じ系列で『濃厚プレミアムチーズあられ』という商品も見つけました。こちらも美味しそうですねえ」と言う。じゃあこれも買おう。・・・えっ、こっちは600円?まじか。さすが成城石井。

なお、お会計の段になって、この金額に別途消費税8%がかかったため、余計参った。高いなぁ。

普段、コストコで買った巨大なチーズおかきの大袋を1ヶ月から2ヶ月かけて食べている身としては、こんなサイズでこのお値段というのには驚愕を禁じ得ない。

そもそも、おかきの上にあんが乗っているというのはちょっとめずらしい。そりゃー、良いあんこを使うと値段が高くつくのは理解できるけど、本当に美味しいのだろうか?

食べてみる。

あー、うー、えーと。

味はすごくあっさりしている。おかきの部分も、あんこの部分も。薄味で、醤油っ辛さや、砂糖の甘さなどぜんぜん感じさせない。とにかく、まろやかな味。

一言で言えば「薄味」なんだけど、退屈な味ではない。

とはいえ、くどい味の安いおかきやせんべいに慣れすぎた僕の舌では、このこしあんおかきは上品すぎた。背筋をシャンとして、チビチビと味わいながら食べないといけない。コーヒーを飲みながら食べるだなんてもってのほかだ、おかきの味がわからなくなる。

こんなおかきは初めて食べた。僕はジャンキーな味のおかきで十分満足だけど、「美味しいものを、少量食べたい」とお考えのマダム層の受けはさぞや良いことだろう。これは手土産としても良いと思う。そんな珍しい味の逸品。

もう一方の「濃厚プレミアムチーズあられ」。

3種類のチーズあられが入っているアソートパック。そのいずれもが、あられの上にちょびっとチーズを塗っただけ、といった分量。とてもチーズが少なくて二度見してしまう。

僕だったら、あられがU字型なんだから、その溝をびっしり埋めるくらいチーズをたっぷり載せる。

でも、そうしないのは、製造元が味、特にチーズに対して自信を持っている証拠なのだろう。

こちらもすごくあっさりした味わい。バリバリ食べて満足しよう!という勢いのある食べ物ではなく、しんみりと食べる食べ物だ。そういう食べものだとわかった上で食べると、とても美味しい。でも、何も聞かされずにこれを食べると、単に「薄味」だと感じる人もいるだろう。

偶然見かけたマダムの買い物カゴのおかげで、面白い食べ物を体験できた。良い一日だった。

(2024.04.07)

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