テレワーク三昧の日々を送っていると、刺激欲しさにお昼ごはんにビュッフェレストランに行く事が多い。
「大してお腹は減っていないんだけどなぁ」とぼやきながら、それでもあれこれ食べて、体重が増えて、「なんだよふざけんなよ」と一人怒っている日々だ。
東京広しといえども、ビュッフェをやっているお店というのは実はとても少ない。東京23区内で昼食を提供しているお店は何店舗あるだろう?数千店舗?それとも1万店舗オーバー?だとしても、ビュッフェ、ハーフビュッフェといったスタイルのお店は、おそらく数百店舗よりもっと少ないはずだ。
そのうち、「ランチで5,000円オーバー」するようなホテルの豪華ビュッフェは対象外なので、店はますます少なくなる。
どこかお店がないかなあ、できれば2,000円以内だといいなあ、と非常に虫の良いことを考えながら、お店を探す日々だ。
今回見つけたのは、水道橋と飯田橋の中間くらいにある商業施設内のお店、「スフインクス」というエジプト料理店だ。
店の外観が怪しいが、お昼は気軽に利用できるビュッフェレストランになっている。ただし、お客さんの数が多く、開店時間の段階で長蛇の列ができていたし、開店後もなかなか入店待ちの列がさばききれていなかった。それくらい、人気。
確かに、世の中数多あるレストランの中でも、「エジプト料理」を前面に打ち出しているお店は少ない。ましてや気軽なビュッフェともなれば、ますます希少だ。人が大勢やってくるのも理解できる。
店内は黄金色に輝くファラオの棺があちこちにディスプレイされている。
美術工芸品とも言えるが、実態としては「棺桶」なわけで、棺桶を見ながらお昼ごはんを食べるというのは変な体験だ。
料理はツタンカーメンに見つめられながらセルフサービスでとっていくことになる。「すいません、ちょっと失礼します」と思わず目があったので声をかけてしまう。まるでお供え物を盗んでいるような気分になる。
エジプト料理は日本人の口によくあう、クセのあまりない料理だった。
何があったかもはやあまり覚えていないんだが、「コシャリ」というのがエジプトにおける主食のようで、これが食べられたのは貴重な体験だった。
コシャリはご飯とパスタが混ざった状態で炊き込まれたもので、日本人からするとびっくりしてしまう料理だ。まあ、日本人もダイエット目的でご飯にこんにゃくライスを混ぜて炊いたりするので、似たようなものか。
ずらっと並べられた料理を食べてみたが、全体的にコッテリとしていてお腹に溜まるな、と思った。なので1巡目で随分と満足感が押し寄せてきて、二度三度とリピートして料理を取りに行こうとは思わなかった。
その点では、ビュッフェの醍醐味というか、楽しさはちょっと足りなかった気がする。でも、エジプト料理のビュッフェ!というのはワクワクしたし、なによりこのあやしい店内の雰囲気は面白かった。
この日は夫婦で訪れたのだが、もしまた次回があるならば、違う人を誘って訪れてみたい。一人でもう一度ここに来るか?と言われると・・・いや、味はおいしいんだけど、すぐにお腹が一杯になっちゃうからなぁ。できれば何人かで訪れて、「すごいお店だねー」とワイワイ話をしながらご飯を食べたい。
(2024.09.30)
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