悲しい豚

肉料理のお店の看板で、食べられる立場の生き物がウッキウキの絵で描かれていることがよくある。

牛・豚・鶏問わずだが、たぶん豚さんが一番ウッキウキだと思う。コック帽をかぶって小躍りしている絵など、誰しも見たことがあるだろう。

牛豚鶏の中では、一番「牛」がウキウキしていないような気がする。描きにくいのだろうか?でも、鶏の方がもっと描きにくいはずなのにな、と思って店内で料理を頼むと、熱々に熱せられた鉄皿が牛の形だったりする。

ウキウキ動物が看板によく登場するのは、生けるものを殺めて食べる、という贖罪の意識がどこかに働いているのだろうか?

そう思って日々を過ごしているのだが、あるとんかつ屋さんの前を通った時に「おっ!?」と思った。

そのお店の看板に描かれた豚が、なにやら物悲しげだったからだ。

見ようによっては、「食べないで!」と言っているかのようだ。こういう看板を出すお店もあるんだな。

メニューを見ると、「ロースカツ定食」だけでなく「上大ロースカツ定食」という料理があるらしい。おそらく、ノーマルのロースカツ定食よりも肉厚な肉が使われているはずだ。

・・・でも、この看板を見た後だと、どうも頼みづらい。

(2025.01.22)

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