「無限ステーキ」(2,900円)という甘美な名前のメニュー【ビストロW@四谷】

四谷三丁目の消防博物館近くに、「ホテルウィングインターナショナルプレミアム東京四谷」というホテルがある。名前がすごく長い。たぶん覚えられない。今これをタイピングした僕だが、1分後には忘れている自信がある。

このホテルの1階、メインダイニングに相当するレストランが「ビストロダブリュ」。以前から気になる存在だった。

というのも、このレストランから徒歩数分のところに「東京おもちゃ美術館」があり、僕ら家族は時折その場所を訪れて遊んでいるからだ。

この美術館は廃校となった小学校の跡地を利用して作られており、飲食できるお店が併設されていない。そのため、ご飯をどうするか?というのはいつも課題となっている。

「お腹が減ったなー」と言いながら四谷三丁目駅に向かって歩いていくと、目に留まるのがこのレストラン。ランチタイムはハーフビュッフェ(メインディッシュを選び、サラダとドリンクはビュッフェ形式)になので、楽しそうだ。

でも、いつも空振りに終わっている。繁盛店で、飛び込みでは満席のため入店できないからだ。事前予約、必須。

いつの日か、ここでランチを・・・と目論んでいたのだが、ディナータイム(17:00~)にもビュッフェが存在することを知った。

しかも、その名前がすごい。「無限ステーキ」。なにそれ。気になる。

もちろんこれも予約必須なので、1ヶ月以上先の予約をようやく入れ、当日に向け胃腸の体調を万全にして備えた。

なにせ、いちおう主目的は「子どもをおもちゃ美術館で遊ばせる」ことだ。週末しか時間がとれないので、週末で予約を取ろうとするとなかなか大変だ。平日だともう少し予約が取りやすいとは思う。

この「無限ステーキ」がすごいのは、肉(牛、豚)が食べ放題ということだけでなく、値段が2,900円ということだ。しかも、この値段は税・サービス料込なので、ホテルレストランとしてはかなり思い切った値段設定だと思う。

最初、スターターキットとして最初の1皿はお店側から提供される。それを食べれば、あとは「牛をください」「豚を2人前」などと量をコントロールしながら追加注文ができるという。

つまり、最高ってことだ!!

実際にステーキを無限に食べられるかどうかはともかく、「無限に食べられるかもしれない」という夢と希望を与えてワクワクしてくる。

僕ら家族はシュラスコが好きなので、年に何度かシュラスコレストランに行く。とても楽しいのだが、値段が結構高いうえにしょっぱくて喉が渇き、肉を食べるよりも水分補給のほうがはかどる、というのが残念なことだ。

さて、今回の「無限ステーキ」はどうなることか。

17時のレストラン開店を前に、お店の前には行列ができていた。

単身の男性が比較的いる、というイメージ。あとは、僕らのような外来の客とは別に、ホテル宿泊客も利用しているようだ。

入店時、食物アレルギーについて、スタッフの方が入念に食材の説明をしてくださった。予約時に、我が家には食物アレルギー持ちがいることを伝えていたからだ。手書きメモを見ながら、「このドレッシングには◯◯が入っています」などと一つ一つ説明してくださり、夫婦ともども恐縮する。

さすがホテルのダイニング。接客がとても丁寧だ。「食べ放題なんだから」と雑な扱いはない。

店内は広々している。

朝食時の混雑を想定した店内スペースにしてあるのだろう。夜の時点でギッチギチに客が埋まるようにはなっていなかった。

お客さんも、18時をすぎればそれなりに入ってきたが、満員というほどではなかった。おそらく、そんなにお客さんを入れても肉を焼くのが間に合わないので、厨房キャパにあわせて予約枠を制限しているのだろう。

カウンターにいろいろなビュッフェ機材やお皿が並んでいるのが見える。しかし、これらは朝食用のものだ。無限ステーキを食べる人たちができるのは、肉につけるソースをビュッフェ形式で取ってくること、それだけだ。

あと、飲み放題を追加している人は、セルフでお酒を取ってくる。生ビールもあるし、ワインもある。

ソースバーでソースを3種類盛り付け、喜び勇んで、されどそーっとテーブルまでお皿を運ぶ弊息子タケ。

ソースは確か9種類だったと思うが、これがどれも美味しかった。「たかがソース」なんてレベルじゃない。

どんなソースがあったか、具体的には何も覚えていないんだが、本当にどれも「えっ、なにこれ美味しい」と夫婦で顔を見合わせるレベル。

あと、ポテトフライが取り放題。

気をつけろ、ポテトフライはお腹が一杯になるぞ。

これがスターターキット。

ポテトフライ、牛ステーキ、豚ステーキ。

比率として、ポテト多め。でも、「肉のおかわりをさせたくない!」という店の願いみたいなものは感じないレベル。

普通のレストランでご飯を食べるなら、この1プレートで十分満足いくレベル。

あと、嬉しいのがこのお店はチキンステーキが存在しないということだ。鶏肉に罪はないが、単価が安い鶏肉ばかりが登場したら、なんだか残念な気がする。せっかくレストランでお肉を食べるなら、庶民の味方・チキンよりも牛と豚を食べたい。そういうニーズをこのお店はしっかりと把握していらっしゃる。

スターターキットを食べ終えたら、おかわりだ。

夫婦で一人ひとり、別注文するのは面倒なので、家族全員分としてまとめて持ってきてもらった。届いたお肉を、各自でシェアするという形だ。

口コミを見てみると、「追加注文した肉の提供が遅かった」というネガティブな情報があったが、僕らの時は一貫して提供が早かった。おかわりをお願いして、数分もあればじゅうじゅうと音を立てているお肉が届けられた。

このため、「次のお皿が届くまで、暇を持て余すなぁ・・・」ということはなかった。

とはいえ、サラダバーがあるわけでもなく、あるのはポテトだけだ。一人客の場合、お皿の肉を食べ終えて、次の肉が来るまでの間はちょっと暇になるかもしれない。我が家の場合、手がかかる4歳児が同席しているため、そちらのフォローがあるので「暇だ!」ということは皆無だった。

分厚くカットされた牛肉がじゃんじゃん提供されるのは壮観。

さすがに豚肉はちゃんと火を通さないといけないため、牛肉ほど分厚くするわけにはいかない。それでも「なかなかこんな塊肉はないぞ!」とテンションが上がる厚み。

使っている牛肉の部位の都合なのだろう。肉が素晴らしく美味しい、というわけではない。そりゃそうだ、食べ放題の肉にサーロインとかヒレは使えない。なので、むしろ豚の美味しさを再発見する回だった。いずれにせよ、ソースがどれも美味しいので、それを付けて食べればどのお肉も美味しかった。

食べている途中、疲れて寝始めた弊息子。

さっきまでおもちゃ美術館で遊び倒し、16時の美術館閉館後からこのお店がオープンするまでの1時間、公園で遊び倒していた。仕上げとして、噛み応えのある分厚いお肉をモグモグ食べていたら、すっかり眠たくなってしまったらしい。

遊んで、お腹いっぱい食べて、そして寝る。彼にとっては最高の一日だったに違いない。

なお、子どもであってもお食事代は無料ではない。1,000円がかかるので、彼にはしこたま食べてほしかった。親のその願いは、叶えれたと思う。

お肉を食べて、一同まったりと満足し、このお店を後にした。

無限ステーキの場合、「お腹が苦しい!」となるまで食べ続ける、ということはない。お肉なので、そこそこおかわりしたところで「もう十分満足しました」という気持ちになれる。だから、食べすぎて後悔することなく、ご機嫌で帰路につけるのは本当に良い体験だった。

おすすめの体験だ。

(2025.03.02)

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