銀座八丁目の雑居ビル地下二階にある画廊。
建物の外観からはその存在を知ることはできず、スマホを手にした僕でさえしばらくこのあたりをうろうろしてしまったくらいだ。おかげで、数日前に訪問した際は時間切れとなり、場所の特定だけはできたものの入店は断念したという経緯がある。
ガーリー(girly)という世界観がさっぱりわからない。抽象的すぎる。 だから、今回ガーリーアートの一人者とされる、真珠子の展覧会は興味深かった。
ヴァニラ画廊は12畳ほどあるかないか程度のスペースだが、入館料600円がかかる。
お姫様のような女性の絵が作品として描かれている。画用紙やチラシの裏に、小学生の女の子がよく描くようなデザインだ。見るからに素人臭い。でも、じっと眺めていると、小学生が描くにしては上手いな、ということに気がつく。そりゃそうだ、大人だもの。プロだもの。 女の子なら子供時代に誰しもが描いていたような絵を、高度に作品として結実されたものがこの人の作品の真骨頂なんだろう。
正直、男性から見てもあまりいいものだとは思えない。でも、女性からしたら、ある種のシンパシーみたいなものを感じる作品なのかもしれない。そういうのが、「ガーリー」なのか。 僕にとっては自宅の壁に飾りたいような作品ではないが、かといって見ていると味わい深く惹かれるものがある。
なんやかやいって、結構な時間をこの空間の中ですごした。結構居心地が良かった。不思議な体験だった。
(2013.11.21)
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