
文化庁が奨学金を出して海外に送り出したアーティストたちの作品を展示する会。

8名の作品が展示されているのだが、一人一人広い独立したスペースが与えられており、空間全体を使って作品を楽しむ事ができる。

金曜夜の訪問で、客が少なかったこともあってとても堪能できた。これは混雑している週末に訪れた場合と、印象がまったく違うだろう。
この一ヶ月くらい、引っ越しのためアートに触れる機会が少なかった。そのこともあって、今回はとてもとても楽しめた。
やっぱり、僕は評価が固まっている有名な作家ってのはあまり好きではないと思った。
そういう作品を見るには、必ず歴史背景だのなんだの、頭でっかちな話がつきまとうからだ。特に西洋中世の作品なんてのは。で、そういうのをしたり顔で語る人がいたりするし。
そういうのがイヤで、現代アートを嗜好している自分がいる。
現代アートの多くは、作品を見た際にあれこれと考えさせられる。その「思考」は唯一無二のものであり、他人が干渉してこない世界。だから好きだ。評価がまだ定まりきっていない、現在進行形の作家とその作品を見る最大の楽しみは、「自分の思考」だと思う。

今回見た中で、特に足をとめて見入ったのは、榊原澄人の映像作品。
沢山のモブが画面いっぱいにいて動きまわっているアニメーション。
同じ動きを繰り返し、不思議な感覚を抱くが、何故か飽きずにずっと見守ってしまう。
このときの作品は、彼の公式サイトに静止画として見る事ができる。
このアニメーション、ひたすら家のテレビに映し続けておくといいかな、と思って購入を考えたのだが、ミュージアムショップで売られていたのは5,980円。アート作品だからとはいえ、ちょっと高くて手が出なかった。
(2014.01.10)
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