クロアチアの人智学者、ルドルフ・シュタイナーの作品を展示する展覧会。
ゲーテ研究の第一人者だけど、そんな人の何を美術館に展示するのか、よくわからなかった。
館内には、シュタイナーが講義を行った際の板書が多数展示されていた。 弟子たちが、黒板に書かれたものがそのまま消されてしまうのはもったいない、と、わざわざ黒板の上に黒い紙を貼り、シュタイナーはその紙にチョークで絵や文字を書いて授業を行ったのだという。
その板書は、多くの抽象的なイラストで構成されており、これはこれでじっくりみると味わい深く、アートとして成立していた。
ただし、内容は「エーテル体がどうたら」といったもので、科学的なものかどうかは微妙なところではある。
ただし、シュタイナー自身は、神秘主義に走らず、科学的見地で物事を分析する立場の人だったということだから、実際にうさんくさいものなのかどうかはよくわからない。
この人すごいのは、講義の板書がアート的であるだけでなく、建物やインテリア品といったもののデザイン、設計を行っているということ。そのどれもが独創的であり、見ていて感心させられる。
この展覧会を見終わっても、やっぱりシュタイナーが何を言ってた人なのかさっぱりわからなかったけど、不思議な世界観に触れて面白かったのは事実だ。
(2014.04.23)
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