イメージの力 ―国立民族学博物館コレクションにさぐる@国立新美術館

イメージの力 ―国立民族学博物館コレクションにさぐる

民俗学は好きではない。なんか、よくわからないし、呪術的だし。

そういう印象がある中、訪れた展覧会。

日本国内の、よその「博物館」のものを「美術館」で展示するというのが面白い。

案の定、黒っぽい木彫りの、念がこもりまくった像がたくさんある。アフリカとか東南アジアあたりのもの。 ほら、やっぱり。

こういうのを見ると、どろどろした気分になるからいやなんだよな。

でも、見ていくうちに、だんだん面白くなってきた。 この展示会のタイトルが「イメージの力」となっているのだが、まさにそれを表現していたからだ。

目に見えない「何か」を形にする。人間をモチーフにした像であっても、デフォルメのされ具合でそういうのを強く感じられる。

テーマごとに展示は分かれていて、やみくもにぐちゃぐちゃと展示されていないのも、よかった。

最後の方には、現代におけるガーナの棺桶(これが派手で、ポップすぎる)なんてものが展示されており、楽しかった。

「民俗学=発展途上国の人の、古臭い風習」という偏見を壊すのに十分な展示。

それにしても、日本ってよくも悪くも仏教の影響を強く受けすぎたな、という気がする。

何か「思い」を形にするとき、日本は仏像になってしまう。 仏教美術が日本の美術を底上げしたのは間違いないが、ある制約も生んでしまったと思った。

(2014.05.17)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください