作家を特集する展覧会は多いし、「○○派」のようにその時代の特徴的な傾向の作品を集めた展覧会も多い。
しかし、今回のように、ある特定の画題をテーマにした展覧会というのは、あまり多くない気がする。
さまざまな時代、作家、国を横断して展示物をピックアップしないといけないので、キュレーターとしてはしんどいのかもしれない。
でも、こういう展示はとても面白い。絵が一枚一枚、性質が全く異なるので驚きがあちこちにある。
こどもが描かれた絵ばかりを集めた展覧会なのだが、見ていて気がついた。 額縁の中はこどもだけなのに、そこには「親」「大人」という存在がちらちら見え隠れしている、ということに。
だから、見た目以上に奥が深く、描かれているものの背景を想像する楽しみ、というのがある。
これまで、子供が描かれた絵というのは、特に西洋画がそうなのだが、聖母マリアに抱かれたキリストだとか天使といったものが多かった。 日本人からしたら、「ふーん」という感じなのだが、この展覧会にいる子供たちはどれも他人事には思えない。 見ていて面白いことこの上ない。
こどもたちの多くは、いわゆる「カメラ目線」ではなくて目をそらしているけど、なんでだろう、とか考えるだけでもいろいろ楽しい。
かなり満足度が高い展覧会だった。 それにしてもルノワールが描く子供の絵って、反則級にかわいいな。
(2014.05.17)
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