リー・ミンウェイとその関係展 あらゆるものとの“つながり”について考える@森美術館

リー・ミンウェイとその関係展

現代芸術って、疲れていてぼんやりしているときに見るものではない。咀嚼しないと作品を理解できないからだ。

うっかりすると、「意味不明。はい次」と作品をどんどんスルーして素通りしてしまう。

今回も危なくそうなりかかったけど、この人の作品はちょっと面白い観点だったので、だんだんじっくり見るようになっていった。

リー・ミンウェイとその関係展

展示されているものそのものは、大したことがない。芸術とは呼べないかもしれない。なぜなら、リー・ミンウェイは「体験型」の作品を作っているからで、展示されているモノそのものは「体験するための素材」に過ぎないからだ。

たとえば、「来場者のうち抽選で選ばれた人が、閉館後の美術館内で作家本人とサシで飯を食う体験」を作品にしていたりする。館内には、その食事用の机と食器類が並べられているだけだ。

展示物の脇には、エントリー用の紙とポストが置いてあり、申し込んで抽選に当たったら実際にここで食事をすることができるのだという。誰もいない美術館の中で、作家と、サシで、作品に囲まれながらの食事。その異次元体験そのものが作品となっている。

他にも、ガーベラの花が沢山並べられており、これを自由に持って帰ることができるようになっていた。ただし条件があって、「帰宅するときは今まで通った事が無い道を通って帰ること」「帰り道に出会った見知らぬ人にこの花をプレゼントすること」と。 こうやって無秩序にお花畑が広がっていく様、それがこの人の作品。かなり抽象的だ。

こうなってくると、芸術ってなんだ?って話になるけど、まさに今日的で僕はとても満足した。

今、人は「消費」から「体験」に軸足を移しつつある。消費はださい、という風潮すらある。稚拙であっても、「作ってみた」「歌ってみた」といった自己表現、体験が評価される時代。そして、FacebookやTwitterで自分の体験を共有するところまでがイベントの重要な要素となってきている時代。

そんな時代感にとてもマッチした展示だと思う。

(2014.10.05)

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