美術館、アートギャラリー巡りは常に新しい発見との出会いだ。
しかし、「う、ううむまあ、そういうことね。」と無理矢理自分を納得させて会場を後にするということも結構ある。
知的好奇心を満たす、ということは往々にして異物を飲み込むことでもあるから、これは当然のことだ。
今回、菱田春草展を見終わった時、なんだか心が晴れやかになった。ああいいもの見たな、と。
そういう「腑に落ちた感」満載な展覧会に出会うことって、実はあんまりない。僕の場合、興味のあるなし関係なく美術館に突撃しているから。
37歳で亡くなった明治期の画家だけど、その短命の間に重要文化財に指定されるような作品を何点も残している人。 当時は「朦朧体」と揶揄されたという、ぼんやりした輪郭の絵は、今みるとむしろ飽きの来ない印象的な画風。
しかし、晩年期の落葉を描いている絵のように、淡いながらもしっかりした色をつけた絵ははっとさせられるもので、これはエエモン見た感が強かった。
(2014.10.24)
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