アラーキーの写真は、以前表参道で「だらしなくたるんだ裸体をさらすオバハンたち」ばっかり激写しまくってる写真展を見たのが強く印象に残っている。
ああ、現実はこうなんだと、妙に感心したものだ。
通常僕ら、女性の裸なんてカアチャンか奥さんくらいしか見ないし、それ以外はグラビアアイドルだ。
「一般的な中年女性の裸」なんて見る機会は皆無。 だから、こういう「だらしない身体」が鮮烈だった。
グラビアアイドルの陰部を撮影するより、むしろ秘め事チックだった。
・・・で、今回の写真展だが。タイトルの通り、もう自分の死を意識し始めたアラーキー、女体のエロスだけではなくもっと達観した写真を志向したようだ。
モノクロの、銀座を行き交う人々の風景。 なにか自分が取り残されたかのような寂とした雰囲気も感じつつ、逆に人の営みへの温かい目線、というのも感じられる。
(2014.12.02)
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