伊藤若冲スゲーというのは聞き及んでいたのだけど、彼の作品をまともに見るのは初めて。
ずらずらと、しつこいくらいまでにぎっしり並ぶ若冲の掛け軸は圧巻。
カンバスに描いた西洋画などと違って、掛け軸って密度高く陳列できるんだなと感心した。
掛け軸の水墨画なんて、辛気くさくていけねェや・・・なんて考えていた自分が昔はいました。しかしどうだ、この展示の面白いこと感心すること。
正直、蕪村の方はあんまり心に響かなかったが、若冲の描くニワトリやオウムなどの生き物のインパクトの強さよ。 そして、時折まざる、脱力しちゃうような軽やかな筆の、気楽な絵。
ああ、こうやって一人の作家の作品を沢山見られるのって、いいよな・・・とつくづく思う。
美術史とか学校で習った際、どうも面白くなかったし覚えられなかったのは、その作家の代表作一点を紹介しているからだ。
教科書の紙面の都合上それは仕方がないのだが、今の時代電子書籍やプロジェクタといったやり方があるのだから、その作家の傍流とされるような作品も含めていろいろ紹介して欲しいものだ。
複数の作品を見てこそ、その作家性というのに興味が出てくるし、記憶に残りやすくなってくる。
(2015.03.19)
コメント